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「党創立100周年記念、統一地方選挙勝利・党勢拡大特別期間」にとりくんでいます。その最中だけに、本書が全党で学習され、党づくりの法則的な発展方向が、著者の志と一つになって多くの党員に届けられる・・

2022-10-26 | 日本共産党の機関決定文書

2022年10月26日(水)

市田忠義著

『日本共産党の 規約と党建設 教室』発刊によせて

書記局次長 田中悠

写真

(写真)『日本共産党の 規約と党建設 教室』市田忠義著 新日本出版社 1500円

 日本共産党創立100周年の記念の年に、党建設の分野においてもその到達点が一冊の本にまとめられました。市田忠義副委員長が、2022年4月の中央党学校で行った「規約と党建設」の講義をもとに、志位和夫委員長の党創立100周年記念講演や直近の中央委員会総会決定もふまえて加筆し、仕上げられた『日本共産党の 規約と党建設 教室』です。

 中央委員会で党建設の任にあたっている一人として、本書の醍醐味(だいごみ)を紹介し、推薦のメッセージとしたいと思います。

日本共産党の真価がここに――100年史をきりひらいてきた党建設の理論と実践

 本書を通読してまずかみしめたのは、社会変革の事業をすすめる日本共産党の真価は、党綱領や政治路線とともに、党規約と党建設論においても示されているということです。

 日本共産党がどんな党なのか。市田副委員長ならではの語り口によって、はじめて学ぶ人にも、わかりやすく解説されています。

 党規約に明記されている党の組織原則――「民主集中制」の五つの柱については、さまざまな楽器で一つのハーモニーを奏でるオーケストラの例えも登場。「党員は、民主的な議論があるから、自らの理解と納得にもとづいて決めたことを自覚的に実行できます」と党内民主主義の大切さを述べるとともに、「真理は実践で検証するという見地にたっています」と、最終的には多数決で決め、決めた方針をみんなで実行する意義を力説します。「50年問題」の痛苦の教訓、61年の綱領確定の経験、ソ連・中国の干渉とのたたかいなど、「民主集中制」が外国からの“輸入品”ではなく、日本共産党自身の体験からつくられ血肉としていった経過も詳しく述べられ、この組織原則なしに現在の党は存在しえなかったことが深く理解できるでしょう。

 党が支部を「基礎組織」としていることについては、「その職場・地域・学園の事情にもっとも精通しているのは支部である」との提起も。国民の苦難軽減の活動にとりくみ、綱領実現の多数派をきずく草の根の支部の存在と役割に、誇りと確信を湧かせます。

支配勢力との激しい攻防のなかで

 記念講演が明らかにした「61年綱領」確定以来の支配勢力との攻防――「政治対決の弁証法」のなかで、いかに党づくりの不屈の努力が行われたか、臨場感をもってつかめるのも本書の特徴です。

 63年に入党した市田副委員長が、京都・伏見地区委員長、京都府委員長、書記局長を歴任しながら、どういう気概をもって党づくりにのぞんだか。70年代後半の激しい反共攻撃、80年「社公合意」による政界からの排除、90年代のソ連崩壊による逆風、2000年代の「二大政党づくり」など、支配勢力の反共戦略のなかでも、「必ず真理は多数派に」と頑張りぬいてきた体験からは、たえず学習につとめ、困難にたちむかう姿勢をもち続ける大事さを教えられます。

 党指導部の在任期間をとりあげた攻撃へ、党の幹部政策の基本を明らかにして反論するなど、今日の反共攻撃に対しても党建設論からの明快な回答が行われています。

 党大会第二決議では、「党綱領と科学的社会主義という政治的・思想的土台をもち、党規約という団結の確かな絆で結ばれていることは、私たちの最大の生命力」と、今日の党がもつ主体的力を明らかにしていますが、本書はそのことを党史と重ねて旗幟(きし)鮮明に示す一冊となっているのです。

党建設の「科学」をつかむ――困難にも可能性にも正面からむきあって

 続いて魅力としてあげたいのは、本書が、党建設は「科学」だということを全身全霊で私たちに訴えかけている点です。その力は、まず党をとりまく客観的情勢と党の現状分析において発揮されます。

 本書第1章では、第28回党大会で改定された綱領の立場から日本における多数者革命の条件を分析。日本の階級構成とともに、職場や学校教育における「弱肉強食」「自己責任」の新自由主義のイデオロギー、世界でも突出したマスメディアの発達によって、労働者・国民の団結をはばむ「特別の困難性」があることを指摘し、それを打ち破る強大な党の建設と統一戦線の発展が求められていると強調します。

 同時に、綱領路線の発展や自民党政治のゆきづまり、国政・地方政治における党の影響力の拡大、国際政治の「主役交代」など、記念講演で解明された党の歴史的発展段階と客観的条件、党大会第二決議にもとづいて、党建設の現状には危機とともに大きな可能性があることを論じていきます。昨年の総選挙で、50代までの有権者で約175万人がわが党に投票していたとする出口調査の分析には、ハッとさせられる人も少なくないと思います。

 こうした困難も可能性もリアルにとらえた科学的展望は、“「目標と期限」を掲げて目的意識的・計画的に党建設をすすめた1960年代の初心にたって党をつくろう”という記念講演のよびかけとあわせて、党建設への地に足のついた決意を広げるに違いありません。

党建設の基本方針が深い理解に

 第3章では、党づくりの法則的活動と基本方針が、だれかの頭の中でつくったものではなく、全党の歴史的努力と実践のなかでつくりだされたものであることを、過去の決定にも一つ一つ立ち返りながらつかむことができます。

 「政策と計画」をもった「支部が主役」の活動を「党建設の大道」と位置づけた第24回党大会決定、党員拡大を事実上後景においやる傾向を是正し「党建設の根幹」とした第22回党大会決定、第7回党大会3中総以来の「党生活確立の3原則」など、第二決議で端的に書かれている基本方針の生命力が、著者の解説と豊富な資料で展開されます。

 本書を活用すれば、単に命題を覚えるような学習ではなく、党づくりの現場でぶつかる課題ともきり結んだ、深い理解にたどりつく学習となるでしょう。

世代的継承の探求・開拓の道標――党大会第二決議の「根本精神」に迫る

 党の世代的継承という緊急で切実な課題にどうとりくむか。「若い人との接点がない」「党に迎えても育てられない」という悩みをどう打開していけばいいのか。世代的継承の道標――党大会第二決議・第4章にもとづく党づくりの改革・発展の方向を包括的にまとめた初めての著作としても、本書は特別の値打ちをもっています。

 6中総決定が、第二決議の「根本精神」ともいうべき方針が十分に使いこなされていないことを指摘し、この決定を全党員が読み、実践しようと訴えただけに、この時期に本書が発刊された意義は大変大きいものがあります。

 とくに圧巻だったのは“党員拡大論”です。「“入りそうな人だけ”“一度話して終わり”でなく、綱領をともに学び、党員としての生き方、思いを語り合う一回一回の働きかけを大切に」と、入党を働きかける姿勢が掘り下げられています。「『集い』を開くと、党機関が『何人集まったか、何人決意したか』と数しか聞かないとか、…内容も聞かずに話を終えてしまうのではだめだ」と、党員拡大の系統的努力の過程に光をあてる重要性も、心に染みるものでした。

 「楽しく元気の出る支部会議」の発展方向は、現場での豊かな経験で裏付けられながら紹介され、支部活動ですぐに生かせる内容ばかりです。「若い人は新聞を読まない」という議論に対して、丁寧に「しんぶん赤旗」中心の党活動の今日的意義と課題を語っていることも見逃せません。

党機関で格闘する同志へのリスペクトと激励が

 党機関の活動の刷新・強化の部分も、日々格闘している同志へのリスペクトと激励に満ちています。

 “革命運動の複雑さに対応できる高い理論的・政治的な力をつけ、自分の頭で考えよう”“同じ方針で活動していても県・地区間で指導水準の差が結果にあらわれる”“同時に、多様なメンバーがそれぞれの特徴を生かして力を発揮する「チーム」になること”“悩みも率直に出し合い、高めあえる集団をめざそう”――「厳しさ」の中にも「あたたかさ」がにじむ言葉は、党機関の一員として、また一人の党員としても、自分の生き方を問いかけられるものでした。

 支部への指導・援助をどうすすめるか。「正しい指導とは、命令ではなくして道理に立ち、実情にあったもので、すべての党員を納得させうるものでなくてはなりません」と強調した第11回党大会の報告、すぐれた政治指導にはまず党機関自身がよく方針を集団討議することだという提起は、これから壁にぶつかるたびに何度も立ち返ることになりそうです。

党建設で新たな前進の時代をひらく力に

 私たちは今、「党創立100周年記念、統一地方選挙勝利・党勢拡大特別期間」にとりくんでいます。その最中だけに、本書が全党で学習され、党づくりの法則的な発展方向が、著者の志と一つになって多くの党員に届けられることを強く願ってやみません。

 「叩(たた)けよ さらば開かれん」。本書の帯に記された激励にこたえ、党創立100周年が、党建設で後退から前進に転じる歴史的転換点となったと言える年になるよう、ともに力をつくそうではありませんか。


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