2024年11月8日(金)
米大統領 トランプ氏
対中国・米軍強化に言及
【ワシントン=洞口昇幸】5日に行われた米大統領選では、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)が民主党のカマラ・ハリス副大統領(60)を激戦の末に破り、当選を確実にしました。ハリス氏は6日の演説で、敗北を認めました。共和党は4年ぶりに政権に返り咲くことになります。
米メディアによると、日本時間7日午後4時の時点で、各州に割り当てられた選挙人(538人)のうちトランプ氏は当選に必要な過半数270を上回る295人を確保しました。ハリス氏は226人です。開票作業はまだ続いています。
同時に行われた上下両院選では、共和党は上院で過半数を奪還しました。下院でも優勢で、ホワイトハウスと上下両院をすべて共和党が握る見通しが強まっています。
トランプ氏は6日未明に南部フロリダ州で行った演説で、「米国を再び偉大な国にする素晴らしい勝利だ」と強調しました。不法移民問題の解決、石油の生産拡大、減税実施に言及しました。
また「中国は私たちが持つものを持っていない」として対抗姿勢を示しました。「強力な軍隊を望む。理想を言えば使いたくない」と語り、米軍の強化を進める意向を示しました。中東やウクライナでの戦争を念頭に「私は戦争を止めるつもりだ」とも述べました。
一方、ハリス氏は同日午後、首都ワシントンで演説し、敗北を認めました。トランプ氏に電話で祝意を述べ、平和的な政権移行に協力すると伝えたと語りました。
トランプ氏は、選挙人による形式的な投票を経てから来年1月20日に正式に大統領に就任します。副大統領には中西部オハイオ州選出のJ・D・バンス上院議員(40)が就きます。
もともとは実業家のトランプ氏は、2016年の大統領選で政治経験がないにもかかわらず予備選を勝ち抜いて共和党候補になり、当時大本命だった民主党のヒラリー・クリントン元国務長官を破って17年に大統領に初就任しました。20年の大統領選で再選を目指したもののバイデン現大統領に敗北しました。