約束通り 会長の奥さんに会ってきた
そして 2時間話してきた というか 相手がほとんど話していたけれど~
要件は 早い話が今までのお礼というか そんなものだった
生前の会長が 給料カット・ボーナス無しが続く中 私が一番働いてめんどくさい仕事も引き受けているのに男性陣と比較して給料が安い もうちょっとあげてやれないかと気に病んでくれていたそうだ
だが 全て決定するのは社長である(ただし 退職金という名目のお金が出るのは 実は私のような古い社員だけということもあって その実情もあるという事を書いておく)
一度 これは数人だけだったが 「かかあからだ」と言って 会長から寸志を頂いたこともあった
別に遺言があったわけでもなく また それを守らずとも誰も知らないことであるのに 気に留めてくれて わざわざ時間を割いてまで私に会って渡そうとしてくださったことが 本当にありがたく感じられて また会長の気持ちだと思うととても辞退や遠慮などできず 感謝して素直に受け取った
早く仕舞って と言われた後からは もう 相手の話が止まらない
会長の思い出話から 会社設立当時は 奥さんも含めわずか数人で夜中まで働いた話や(その時 会長は奥さんに「手伝ってくれるか」と訊いたそうである) 息子家族との確執の話まで
だがそれは決して嫌味な話し方ではなく 笑い話のように客観的に話すことに 私は好感を持った
奥さんとは 会長の葬儀の時に数分話したことがあるだけで 会社に来ることさえ無かったので これまでどういう人かあまり良く知らなかったのだが 社員みんながなんとなく毛嫌いする社長の奥さんのことを思い出すと そういった話のすべてに合点がいった
会長と会長の奥さんが夫婦であることも いや それは知っているが 一組の夫婦像としてぴたりとおさまり 納得した
さすがの私も 社長や彼の奥さんが日頃どういう言動を取り それに対してみんながどう思っているかまでは言わなかった
他人の口からは聞きたくは無いものだろうと思う
ただ 納得できると思う話に対しては そうですね と 相槌を打った
そして 人だから全てが正しいということも無いし 何もかも立派ということは無いけれどと それを認めている会長の奥さんと わずかな事で全てを遮断し いつでも自分は立派という顔をしてそれを押し通そうとする社長の奥さんと どちらに分があるかははっきりわかった
塚ちゃんがバツイチ独身で 数年前に彼女に振られたことも 二人で気にかけていたようだ
私も 会社の中では 財産と呼べるものがほとんど無い独り身の彼だけが気がかりで 貯金はしなさいとよく言うのだと話した
会長宅まで行って 何やらお手伝いもしたことのある塚ちゃんを奥さんもよく知っていて そう・・・ と少し遠い目をしながら心配そうな顔つきをしていた
彼のところには そのうち嫁さん候補の写真が来るかもしれないなぁ
「お互い一人暮らしなのだから 健康にだけは気をつけましょう また機会あればお話しでも」 と言われ 「私に出来ることがあればお声をかけて下さい」と言って 別れた
疲れた
でも 気持ちの良い疲れだった
職安で見た会社の雇用条件他の書類のコピーを 私は今も持っている
そこには 会社のアピールとして「家族的な会社」と書いてあった
それは決して嘘では無かった
ねっ 会長! 私は永遠に 会長が社長だった頃の社員だよ
そして 2時間話してきた というか 相手がほとんど話していたけれど~
要件は 早い話が今までのお礼というか そんなものだった
生前の会長が 給料カット・ボーナス無しが続く中 私が一番働いてめんどくさい仕事も引き受けているのに男性陣と比較して給料が安い もうちょっとあげてやれないかと気に病んでくれていたそうだ
だが 全て決定するのは社長である(ただし 退職金という名目のお金が出るのは 実は私のような古い社員だけということもあって その実情もあるという事を書いておく)
一度 これは数人だけだったが 「かかあからだ」と言って 会長から寸志を頂いたこともあった
別に遺言があったわけでもなく また それを守らずとも誰も知らないことであるのに 気に留めてくれて わざわざ時間を割いてまで私に会って渡そうとしてくださったことが 本当にありがたく感じられて また会長の気持ちだと思うととても辞退や遠慮などできず 感謝して素直に受け取った
早く仕舞って と言われた後からは もう 相手の話が止まらない
会長の思い出話から 会社設立当時は 奥さんも含めわずか数人で夜中まで働いた話や(その時 会長は奥さんに「手伝ってくれるか」と訊いたそうである) 息子家族との確執の話まで
だがそれは決して嫌味な話し方ではなく 笑い話のように客観的に話すことに 私は好感を持った
奥さんとは 会長の葬儀の時に数分話したことがあるだけで 会社に来ることさえ無かったので これまでどういう人かあまり良く知らなかったのだが 社員みんながなんとなく毛嫌いする社長の奥さんのことを思い出すと そういった話のすべてに合点がいった
会長と会長の奥さんが夫婦であることも いや それは知っているが 一組の夫婦像としてぴたりとおさまり 納得した
さすがの私も 社長や彼の奥さんが日頃どういう言動を取り それに対してみんながどう思っているかまでは言わなかった
他人の口からは聞きたくは無いものだろうと思う
ただ 納得できると思う話に対しては そうですね と 相槌を打った
そして 人だから全てが正しいということも無いし 何もかも立派ということは無いけれどと それを認めている会長の奥さんと わずかな事で全てを遮断し いつでも自分は立派という顔をしてそれを押し通そうとする社長の奥さんと どちらに分があるかははっきりわかった
塚ちゃんがバツイチ独身で 数年前に彼女に振られたことも 二人で気にかけていたようだ
私も 会社の中では 財産と呼べるものがほとんど無い独り身の彼だけが気がかりで 貯金はしなさいとよく言うのだと話した
会長宅まで行って 何やらお手伝いもしたことのある塚ちゃんを奥さんもよく知っていて そう・・・ と少し遠い目をしながら心配そうな顔つきをしていた
彼のところには そのうち嫁さん候補の写真が来るかもしれないなぁ
「お互い一人暮らしなのだから 健康にだけは気をつけましょう また機会あればお話しでも」 と言われ 「私に出来ることがあればお声をかけて下さい」と言って 別れた
疲れた
でも 気持ちの良い疲れだった
職安で見た会社の雇用条件他の書類のコピーを 私は今も持っている
そこには 会社のアピールとして「家族的な会社」と書いてあった
それは決して嘘では無かった
ねっ 会長! 私は永遠に 会長が社長だった頃の社員だよ