他人(ひと)に入れて貰ったお茶が美味しいのは何故なのだろう
母もそう言った
嫁いだ姉も我が家に帰省した時に そう言った
今日 ふとそんな事を思い出した
あれから3年経った
いつかは来るだろうと覚悟し でも もっともっと先の話と思っていた母の死
脚を切断して失った人は 存在しないその脚の痛みやかゆみを訴えることがあるという
脳の記憶とは恐ろしいものだ
私も母を失ってから 存在しない母の声を聞き 姿を見ることがあった
時間とは過去から未来へと一直線に そう ラッシュアワーの車の列が流れていくようなもの とは思わない
過去も現在も未来も 私の死と共に終わる
誰かの中で生き続けることが仮にあっても それはもはや私の世界ではない
世界は広い
だが それ以上に脳は広い
母と約束した金平牛蒡や他の料理を並べて 女同士の会話
私は 生まれ変わっても貴方の子供になりたい なんていう臭い科白は言わないからね
貴方だって もっと良い娘(こ)を望むでしょ
でも偶然にして母と娘になったこの縁は まずまずじゃなかったかと思っているよ
母もそう言った
嫁いだ姉も我が家に帰省した時に そう言った
今日 ふとそんな事を思い出した
あれから3年経った
いつかは来るだろうと覚悟し でも もっともっと先の話と思っていた母の死
脚を切断して失った人は 存在しないその脚の痛みやかゆみを訴えることがあるという
脳の記憶とは恐ろしいものだ
私も母を失ってから 存在しない母の声を聞き 姿を見ることがあった
時間とは過去から未来へと一直線に そう ラッシュアワーの車の列が流れていくようなもの とは思わない
過去も現在も未来も 私の死と共に終わる
誰かの中で生き続けることが仮にあっても それはもはや私の世界ではない
世界は広い
だが それ以上に脳は広い
母と約束した金平牛蒡や他の料理を並べて 女同士の会話
私は 生まれ変わっても貴方の子供になりたい なんていう臭い科白は言わないからね
貴方だって もっと良い娘(こ)を望むでしょ
でも偶然にして母と娘になったこの縁は まずまずじゃなかったかと思っているよ