今年もスカシユリが咲きはじめました。
「福井発~現代版焚書坑儒」事件のその後です。
6月7日に福井市で開催された図書排除事件に関する緊急集会に
参加された今大地さんから、レポートが届きましたので紹介します。
(無断転載・禁止)
「思想・言論・学問の自由を守りジェンダーバッシングを許さない!
県民の集い」参加報告
福井県敦賀市議 今大地はるみ
6月7日午後6時、福井県教育センター4F大ホールは次々と入ってくる参加者に、あわててテーブルやいすを増やさなければならなかった。当日の主催者側のスタッフも合わせて参加者はおよそ120人、県民の集いは幕を開けた。
主催者あいさつは、白井議長(主催者がI女性会議なので議長というのかな?)。きっかけとなった150冊の書籍の撤去と今日の集会に至る経緯を話された。
続いて、経過報告があり、おもに「I女性会議福井」がどんな抗議行動をしてきたかが明らかにされた。5月12日に情報公開をし、19日に知事に対し抗議と5項目の申し入れを提出、文書での回答を求めたという。「へぇ こんなことしていたんだ!」と言うのが正直な感想だ。なぜなら彼女達のおこしたアクションは、地元の福井県民にさえほとんど知らされていなかったからである。情報発信とマスコミ報道という点において、わたしたちの抗議アクションとの大きな違いが生じたと言える。
予定を10分おくれで、次の「私たちの訴え」が始まった。1人4分で自己紹介もかねて4人が発言する。事前に白井議長から、これまでの経過と男女共同参画に対する思いを語って欲しいとの申し入れがあった。4分という短い時間なので、わたしは、『む・しの音通信』の「福井発~現代版焚書坑儒」と「検討中 お役人に一筆啓上」を印刷し、7月8日のシンポのチラシとともに、参加者全員に配布してもらった。
最初の訴えは、菅井純子さん。フェミニズムの話に始まり、性教協での活動や昨年の10月福井県議会での小泉議員発言にいたるまで多岐にわたる話で7分を超えた。続いての西田茂さんはPTAの育成会で活動されているという自己紹介のあと、撤去されたこれらの図書をみなさんは読んでますか、と問いかけ、両方知らなければならないので自分で読んでみて判断すればいいと結ばれた。5分経過。
3番手は福井市議で元市役所職員だった高田訓子さん。行政で男女共同参画に携わってきたそうである。司会者からストップがかかるまでの10分間、ご自分のしてこられたお話ばかりをされた。
4人目がわたし今大地。すでに予定時間を大幅に超過しているので、自己紹介も省き、経過は配布した資料を読んで欲しいと言うことと、リレーエッセーに書いた事件の発端が、7月シンポのチラシであることをアピールした。この問題は憲法を踏まえた行政をしていたなら起こらなかったこと、わたしたちはもっと法律や条例を勉強しオフィシャルな方法で闘っていくことが必要であることを述べてきっちり4分で終了。
すでに時計は、6時45分、ここからは今日のメインである元参議院議員清水澄子さんが「全国の状況報告と問題提起」で講演開始。
ご自分が福井県出身であること、現在の福井県選出の国会議員がジェンダーバッシングの中枢であること、福井で起きた事件をここで止めなければ全国に波及する危機感を持ったことなどを話された。続いてジェンダーの概念、ジェンダーバッシング、福井県図書排除の問題点、猪口大臣との会見の状況などを60分にわたり報告された。
司会者が時間切れを理由に会場からの意見は手紙でなどと言い出し、「会場で意見を言うことと手紙では質が違うのではないか」と指摘され、結局2名が発言することになった。「高齢者の人権を守る市民の会」の観さんが憲法について、「市民オンブズマン福井」の伊東さんが調布市での書籍撤去問題とオンブズマンの情報公開請求について述べられた。
最後にアピール文を読み上げ、拍手で賛同し2時間の集会は幕を閉じた。終了後、会場からの発言を止めたのは、件(くだん)のK氏が来ていたからであるということが判明。発言するかどうかもわからないのになぜ?と言う疑問が残った。加えて新たなネットワークづくりになることを期待して開催されたのに、その話がひとつも出なかったことも心残りだ。
最後にこういった集会を開催することが、初めてだったという主催者のみなさんのご苦労をねぎらいたい。
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以下は、今大地さんが会場で配った資料です。
4分間で話し切れなかった経過と現場でのたたかいを
ぜひ併せてお読みください。
福井発~現代版焚書坑儒(「む・しネット」blog・5/26記事より)
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福井発~現代版焚書坑儒
福井県敦賀市・今大地はるみ
4月28日付の世界日報の記事で、福井県生活学習館から、上野千鶴子さんらの著書、150冊が排除されたと報じられた。
昨年の11月に一県民の苦情を受け、一度は担当課長が「情報の提供は学習するうえで必要」と回答を出しながら、今年の3月には、150冊の図書が一般の人の目に触れないように倉庫にしまわれたというのだ。
さっそく生活学習館に問い合わせの電話を入れたが連休明けにして欲しいとの回答。
福井県民の1人としても、またジェンダーの視点を基本に活動する「む・しネット」の会員としても、この問題を見過ごすことができないと思い、みどりさんと相談し、抗議のアクションをおこすことにした。
5月2日、市民派フォーラムのMLに抗議のアクションの賛同者を募る一報を入れるとともに、生活学習館に再度問い合わせた。担当課長は、福井県の考えは11月の回答のとおり、本は排除したのではない、検討するために手元に置いたのだと言う。
150冊は誰が、どういう基準で選んだのか、150冊の書籍リストは出してもらえるのかという質問に対しては、行政情報だから出せない、教えられないの一点張り。行政情報なら情報公開すれば出ますねの一言には、「えっ!」と言ったまま絶句する有様だ。
同日午後、ともまささんに協力をお願いし、あげてもらった9項目についての情報公開請求を出してきた。
みどりさん、ともまささんも請求してくださることになり、連名で請求したいと申し出たら、福井県では連名での請求はできない、委任状を出せと言う。岐阜県や鹿児島県ではOKですよと言っても取り合ってくれず、情報公開に対する福井県の意識の低さにまたもや情けない思いをかみしめた。
その後1週間で、賛同者の数は40人近くになり、まずは抗議文を出し、住民監査請求で150冊分の書籍の代金の返還、書籍を元に戻すことなどを請求することにした。
5月11日、朝一番で抗議文と監査請求書を知事と監査委員事務局にFAX、賛同者のリストを整理し本文を郵送、午後から記者会見を行った。翌日の新聞で大きく取り上げられ、福井県は対応にあたふたしているとの情報も寄せられた。
抗議文だけならこれほどまでに大きなニュースにはならなかったと思う。「住民監査請求」なればこそのニュースだった。わたしひとりでここまでこぎつけたわけではなく、ノウハウを教えてくれたみどりさんやともまささんの協力があっての抗議のアクションにつながった。
わたしたちの抗議に対して、福井県生活学習館館長は、検討が終わり次第早急に書籍を戻すとコメントしていたが、一体誰が、いつ、何を検討するのだろうか。本の内容について検討すること自体が検閲だとは思わなかったのだろうか。2日の時点では、決して内容を検討するのではないと、わざわざ電話までかけてきたと言うのに!
17日には、「ジェンダー書籍戻る」などの見出しで新聞報道があった。「市民オンブズマン福井」も館長に対し公開質問状を郵送。書籍撤去は誰がどのような理由で判断したかや、書籍の内容についてどのように検討したのかを問いただしている。わたしたちの抗議の第一の目的は、書籍がもとの書架に戻されることだが、戻ればOKでは決してない。
福井県は経緯を明らかにするとともに、150冊の書籍リストの公開もしなければならない。現時点で情報公開請求した公文書は開示が1ヶ月延長との回答が来ている。そして思わず突っ込みたくなる矛盾だらけの回答が、18日付知事名で今日届いた。
今後は開示された文書をもとに、公開質問状などで福井県の事なかれ主義や隠蔽体質に厳しく迫りたいと考えている。
ジェンダーバッシングに対する対応もさることながら、県職員の住民や市民団体に対する官僚然とした態度、情報公開や男女共同参画に対する意識の低さなど福井県の問題は根が深い。県内の動きだけでなく全国各地からの抗議のアクションが、福井県の体質を変える大きな力になっていくに違いない。
『む・しの音通信』No.55(2006.5.25発行)より
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お役人に一筆啓上~たかがチラシの話から(5/23)
福井県生活学習館と東京ウィメンズプラザで
話題になった7.8シンポのチラシです。
★7/8「政治を市民の手に!~ひとりからはじまる」(PDF版)
日時:2006年7月8日(土) 13:00~16:00(12時開場)
会場:名古屋市女性会館 大ホール (052)331-5288(代表)
第1部:浅野史郎さん(慶応大学教授・前宮城県知事)
基調講演「脱政党の時代に」
第2部:「私たちに何ができるか」
パネリスト:浅野史郎/小川まみ/小池みつ子/
今大地はるみ/寺町ともまさ/高瀬かおる
コーディネーター/寺町みどり
参加費:1000円(要申込み)
申込み:寺町みどり T/F 0581-22-4989
主催:女性を議会に 無党派・市民派ネットワーク(「む・しネット」)
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このチラシは「男女共同参画に資する企画」と認められ??
晴れて両施設に配架されています。
「バックラッシュ」に対抗するために、
議員は、市民は、そして政治は、なにができるのか?
自治の現場で、わたしたちの足元で、どのようにたたかうのか?
タイムリーな企画なので、あなたもぜひご参加ください。
八重スカシユリ(ピンク)
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