みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

あなたはなにが食べたいですか? 消費者の「安心」「安全」はどこに・・・・?

2008-02-20 16:46:24 | おいしいもの/食について
昨夜10時から、「ガイアの夜明け」(テレビ愛知)で、
「有機野菜を身近に~安全・安心で拡大する通販の挑戦」をやっていた。

「歴史は繰り返す」というけれど、30年前の「有機農業運動」を思いだした。
そのころ、無農薬で野菜や米を作る生産者は全国に数えるほどで、
「安全・安心な有機野菜」を求めて消費者が産直をはじめた。

生協や流通業者が産直で「有機野菜」を取り扱うようになり、
「有機農産物」に国の認定が義務付けられるようになって、
手間とヒマがかかる有機農業運動はじょじょに下火になった。

わたしは、その消費者と生産者のどちらも経験しているのだけれど、
「食の安全」騒動を、どこか変、と思いながら見ている。

そもそも「安全・安心」と「便利さ」を同時に、というのは無理があるから、
「消費者」と「生産者」の顔の見える関係をつくろうと
始まった有機農業運動だったけど・・・・
ITが登場して、個別のニーズに流通が対応して、
生産者と消費者をつなぐことができれば、
「よりよいものをより適正な価格で」消費者に届けることができるかもしれない。

ということで、
最近の「食について考える」素材(ニュース)をお届けします。

【暮らし】食乱 番外編 製造者は?表示に難点 
中日新聞 2008年2月18日
 中国製ギョーザ中毒事件で、農薬成分が検出された日本生活協同組合連合会(生協)の商品はプライベートブランド(PB)「CO・OP」だった。ブランド力を生かし「安全・安価」を売りに商品開発されているはずだが、PB商品の表示にも疑問点がある。 (鈴木久美子)

 「商品選びに迷ったら、安心な感じがするのでPBを選ぶ」と千葉県の会社員(43)が話すようにPBは安全イメージから人気商品だ。
 PBは流通業者が設定する独自商標のことだ。大手メーカーのナショナルブランド(NB)に対抗し、消費者の声など流通側の意思を商品開発に直接反映させられるのが特長といわれる。製造は外部のメーカーに委託している。流通コストを抑え宣伝費もかからないことで、一般商品より二-三割安いのも魅力だ。
 生協は一九六〇年に初めてPBのバターを開発。一昨年四月現在、食品は四千七百二十三品目にまで増え、調理冷凍食品も三百四十九品目あり、菓子や水産品に次いで多い。
 「スーパー各社も差別化を図るため、PB商品開発に力を入れ始めたところだ」と専修大学の関根孝教授(流通・マーケティング)は指摘する。
 ジャスコなどを展開するイオンは「トップバリュ」名で衣食住の三千六百品目を販売し、売り上げの8%を占める。昨年からセブン&アイ・ホールディングスは、グループのイトーヨーカドーなどスーパーとコンビニで「セブンプレミアム」商品を展開中だ。
 だが、加工食品では「表示に販売者名だけが記載されていて、製造者が分かりにくい」(先の会社員)との指摘もある。問題の生協の冷凍ギョーザも中国の「天洋食品」が製造し、「ジェイティフーズ」が輸入したが、商品の表示は生協とジェイティフーズのみで、製造者は記載がなかった。
 製造、輸入、販売のどの業者を表示するかは法規制されている。JAS(日本農林規格)法の「表示の責任者」と食品衛生法の「食品衛生に一義的に責任を持つ者」の表示が義務づけられ、国内製造の加工品では「製造者」表示が一般的。輸入加工品は「輸入者」表示がルールとなる。
 ただ国内製造の場合、「製造者と販売者が合意すれば、販売者名のみの表示でも良い」(農林水産省)規定があり、この場合は「製造者」名を決められた記号で表示すればよく、消費者に製造者名は分かりにくくなる。PB商品ではこの表示が少なからずあるようだ。
 消費者が知りたいのは製造者だが、製造者を記号表示し販売者のみ記載するイオンは「商品の問い合わせ先は、弊社になる」と説明。「メーカー選定は、従業員の労働環境まで厳しく審査し、年に一度は第三者の監査も受けてもらう」と製造段階にも目を光らせていると胸を張る。
 一方、製造者も表示するセブン&アイ・ホールディングスは「製造、販売それぞれの責任を明確にして、お客さまに安心してもらう」、ユニーも「メーカー名も表示することで、信頼感を得られる」と考え方は分かれる。
 関根教授は「英国のPB専門スーパーは、四百人の開発スタッフがいる。本来は商品の質を高めることがPBの使命。今回『安全』が存在理由の生協のPB戦略がなってなかったことが明らかになったが、スーパーも全体に不十分。都合のいい表示だけをする姿勢も問題だ」と指摘する。
 食や環境問題を研究する「食政策センタービジョン21」を主宰する安田節子さんは「PBができたことで、企業が消費者の声を採り入れ、国産原料や無添加の商品が出始めていることは評価できる」と指摘するが、表示については「消費者としては、製造者まで確認できるものを買いたい」と情報公開を求めている。
(2008.2.18 中日新聞)
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【暮らし】食乱 番外編  農薬類 慢性毒性も強い 
園芸、街路樹用殺虫剤 身近に同じ成分

2008年2月7日
 中国製ギョーザ中毒事件で被害者は、原因となった有機リン系殺虫剤「メタミドホス」を摂取後、すぐに体調を崩した。だが農薬類は急性毒性だけではなく、微量でも長期間体内に取り込むことで健康被害が起こる慢性毒性もある。農薬の毒性についてあらためてまとめた。 (鈴木久美子)

 問題のギョーザを介してメタミドホスを摂取した人は、激しい嘔吐(おうと)や下痢などの症状を起こした。同薬剤の特徴は、メルカプタン臭という硫黄やタマネギの腐ったようなにおいがすること。こうしたにおいがする食品があったら注意が必要だ。五日には同じ有機リン系殺虫剤のジクロルボス検出も明らかになった。
 今回は大量摂取とみられる急性中毒だが、「食品の残留農薬は、毒性の強弱に関係なくアレルギー症状を促進させる」とアトピーやアレルギーの電話相談などをしているNPO法人「アトピッ子地球の子ネットワーク」(東京)の赤城智美事務局長は話す。基準値以下であっても、残留農薬や食品添加物など化学物質が、アレルギー症状を起こす引き金になるという。
 化学農薬が本格導入されたのは戦後からだ。中でも有機リン系の殺虫剤は毒性の分解が比較的速いことから、一九五〇年代に入り、ディルドリンなど残留しやすい有機塩素系の殺虫剤に代わって、広く使用されるようになった。
 農薬の摂取というと農産物への残留に関心がいくが、それだけではない。市民団体「化学物質問題市民研究会」(東京)の安間節子事務局長は、「農業だけでなく、家庭用やガーデニング用、街路樹やビルの殺虫剤など、身の回りにも同じ有効成分が使われているものが入り込んでいる。身近に吸い込む危険があるのに、その毒性は長年見過ごされてきた」と警告する。
 農地でも散布された農薬は拡散する。農林水産省は、散布後の農薬の周辺住民への拡散状況を調査している。
 有機リン化合物はコリンエステラーゼ酵素を阻害し急性毒性を示すことは以前から知られていた。だが、微量でも長期間摂取することで、さまざまな酵素の働きも阻害され、脳機能に影響が出て精神や神経などの異常を引き起こす慢性毒性があることが二〇〇二年、医師や専門家のグループの研究で報告された。
 症状を示すかどうかは個人差があり、症状も倦怠(けんたい)感や頭痛、視力の低下、うつ的な症状、記憶力の低下など多岐にわたる。化学物質過敏症やシックハウス症候群の患者は反応しやすいといわれる。
 同グループ主任研究員を務めた石川哲・北里大名誉教授(中毒学)は「農薬の歴史は、人命とひきかえの歴史。今でも急性毒性しかないという認識が根強いが、とんでもないことだ」と話す。また「いったん急性毒性の症状が収まっても、同性質の殺虫剤に接触すると、うつや、気持ちが高ぶるなどの神経症状が出ることもある」とも指摘。早く気づけば治療できるといい「今回の被害者の健康状態をフォローしていくことが重要だ」と石川さんは話す。
 農薬工業会は「農薬は厳しい安全審査を経ており、決められた通りに使用されていれば問題はない」との姿勢を示すが、「胎児や子どもの将来にわたる影響や、複数の化学物質が使われることの影響は十分に評価されていない」と「農薬毒性の事典」(三省堂)の著者の一人、環境研究家の河村宏さんは懸念する。
 「シロアリ駆除剤など法的規制の不十分なものもまだある。個人でも身の回りから一つ一つ減らして自衛していくしかない」
(2008.2.18 中日新聞)




【社説】食品表示 消費者の安心が前提だ 
(北海道新聞社説 2月18日)

 国民生活審議会の食品安全作業チームが食の安全や食品表示などの見直しに関する報告書案をまとめた。
 生産者優位から消費者重視の食品行政へ転換すべきだとの視点からの検討だ。
 焦点の一つは食品表示の問題だ。期限表示は現行の「消費期限」と「賞味期限」の二本立てから、安全に食べられる「消費期限」に統一。以前は表示が義務づけられていた製造年月日も併記する方向を示した。
 この表示は現行よりもわかりやすい。消費者に望ましいのではないか。
 現行の「消費期限」は弁当や総菜など腐敗しやすい食品を対象とし、過ぎたら食べない方がいい期限だ。
 一方の「賞味期限」は、スナック菓子や缶詰など、日持ちする食品に対するもので、品質の保持が十分に可能な期限で、過ぎたらすぐに食べられないわけではない。
 これでは消費者の誤解を生みやすい。しかも、期限は製造業者が科学的、合理的な根拠に基づいて設けるというが、期間が短めに設定されがちなど、あいまいさが指摘されている。
 消費期限を見直しをする際には新しい規定が必要になる。一方で、製造年月日の表示を義務化すると、日付にこだわる食品加工会社で従業員の深夜、未明労働が増えるとの懸念がある。
 鮮度面で返品や食品廃棄が増大する心配もある。これらの課題は三月の最終報告で解決策を示してほしい。
 報告書案は、原産地や原材料表示を主体とする日本農林規格(JAS)法や、添加物を示した食品衛生法など関連法を整理し、「食品表示法」を作って統一するよう求めた。
 関連法は多く、消費者窓口や不正表示の取り締まりは各省ばらばらだ。縦割り行政では食品のリスク管理が心配になる。しかし、関連法は各省庁が所管しており、統一の実現は不透明だ。
 国民生活審議会の論議は福田康夫首相が指示した消費者行政の見直しの一環だ。食品表示の改善を含め、実現に向けて首相の実行力が問われる。
 中国製冷凍ギョーザ中毒事件でも自治体や保健所、警察、事業者の連携のまずさが露呈した。昨年十二月の最初の深刻な健康被害が分かって公表まで一カ月もかかった。消費者情報の一元化を骨抜きにすれば改革は進まない。
 食品表示でも中国の原材料を使って国内で製造された加工食品の多くは原産地を表示していないとの課題が残った。農水省は原料原産地をより詳しく明示させる見直しの検討に入った。
 消費者が加工食品を購入する際、原材料が外国産か、国内産かを詳しく知りたいのは当然だ。
 冷凍食品などに対する消費者の不信は根強い。信頼回復のためにも、製造業者は原産地表示の拡大に前向きに取り組んでほしい。
(2008.2.18 北海道新聞)



食品の期限表示
■傷みやすさで「消費」と「賞味」/新法制定案も
  
FujiSankei Business i. 2008/2/20

 相次ぐ食品の偽装表示で、消費者の食に対する不安が高まっています。首相の諮問機関である内閣府の国民生活審議会は、「食の安心・安全に向けた体制整備」に向けた報告書案の中で、「消費期限」と「賞味期限」に分かれている食品の期限表示を、「安全性を重視した『消費期限』を中心に『製造年月日』も併記」する方法に変更するよう提案しました。
 消費期限と賞味期限による期限表示は、1995年から始まりました。それ以前は製造年月日の表示のみが義務付けられており、いつまで食べられるかは消費者の判断に任されていました。
 しかし、製造年月日が新しい商品の人気が高いため、製造日から時間のたった商品が、まだ食べられるにもかかわらず店頭から撤去される事態が起こりました。
 また、海外で製造され船便で輸入される商品は、国内に届いた時点で製造日から日数が経過しているため、消費者に手に取ってもらえないという不満の声もあり、制度改正に踏み切りました。
                   ◇
 表示期限は、厚生労働省の食品衛生法と農林水産省のJAS(日本農林規格)法の2つの法律で表示が定められています。制度改正後は、食品衛生法では賞味期限を「品質保持期限」と呼んでいましたが、消費者にとって分かりにくいとの理由から、賞味期限に統一した経緯もあります。
 期限表示は、大半の加工食品や食肉、食品添加物などに表示が義務づけられています。消費期限と賞味期限のどちらを表示するかは食品の傷みやすさが基準になっています。
 「消費期限」は、生菓子や弁当、食肉など製造日を含めて5日程度で急激に品質が低下する傷みやすい食品に表示します。決められた方法で保存していれば、品質の劣化による安全性の欠如はないと判断された期間です。期限後は安全性に問題が生じる場合があるので、食べない方がよいとされています。
                   ◇
 一方、「賞味期限」はカップラーメンやスナック菓子、乳製品など比較的品質が劣化しにくい食品が対象です。期間内は、安全性はもちろんのこと、味や風味などすべての成分で品質が十分に保たれ、「おいしく」食べられることが条件です。期限を過ぎても急激に品質が低下することはないため、すぐに食べられなくなるというわけではありませんが、風味や味、色合いなどが劣化する可能性があるので注意が必要です。
 どちらの期限も、メーカーが安全検査を実施して決定しています。商品に表示されている日付は、検査で安全性や品質の保持が認められた期間に、余裕をもたせたものだそうです。
 例外として、品質の劣化が極めて低いとされるチューイングガムやアイス類などは、期限表示を省略することもできます。また、バナナとかんきつ類を除く生鮮野菜にも表示義務がありません。
 国民生活審は、食品表示の関連法をまとめた「食品表示法」(仮)の制定も提案しており、消費者にとって分かりやすい表示制度が期待されています。(松岡朋枝)
(2008.2.20 フジサンケイビジネス アイ)



加工食品の原産地表示 論議呼ぶ都の強化方針 国は慎重姿勢 
FujiSankei Business i. 2008/2/20

 中国製冷凍ギョーザ中毒事件を契機に、東京都の石原慎太郎知事が加工食品の原産地表示を都独自で厳格化する方針を表明し、論議を呼んでいる。表示の厳格化は、問題の天洋食品製にもかかわらず、「中国産」の表示がない他の商品が一部に出回っていたためだが、技術的には難しい問題も数多い。若林正俊農水相は将来の見直しには含みを残しながらも、「議論の展開を注目して見守る」と慎重だ。
 日本農林規格(JAS)法では、輸入加工食品は最終製品にした国の表示が必要。一方、海外から半製品を輸入し日本で最終製品にした場合、半製品の原産地表示は一部を除き原則として必要なく、「中国産」の表示が無い天洋食品製品が一部に出回る結果となった。
 消費者からは「本当の産地が分からない」(日本消費者連盟)と、原産地表示の拡大を求める声が上がっており、石原都知事は今月8日の記者会見で、「国に先んじて、条例でも、原産地表示がすべてに及ぶような指導か規定を積極的に考えていきたい」と表明。都は、冷凍加工食品を中心に告示で表示の義務付けも視野に検討する考えだ。
 原料にまでさかのぼって原産地表示を求めるのかどうかは明らかではないが、その場合、農水省は(1)海外には原料原産地を伝達する商慣行がない(2)原料の産地切り替えは頻繁に行われている-などの理由から、困難とみている。過度の規制で表示にコストがかかり、小売価格に跳ね返ることや表示ミスを招く恐れもある。
 都が独自に表示規制を強化することは法的には可能だが、日本最大の消費地である東京が踏み切れば、その影響は大きい。若林農水相は「海外の制度との整合性や規制の実施可能性なども考慮する必要がある」と、厳格化には慎重に対応すべきだとの考えを示している。
(2008.2.20 フジサンケイビジネス アイ)


あなたはなにが食べたいですか?
あなたの食べ物をつくっているのはだれですか?

ひとりひとりが、食について考えてみるよい機会だと思う。


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最後まで読んでくださってありがとう
2008年も遊びに来てね 
 また明日ね
 

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