「ジェンダー本を撤去すべし」とした近藤氏本人からコメントが入っていました。
「本件控訴を棄却する。」音声記録非公開処分取消訴訟の
納得できない控訴審判決。(2008.9.23)
Unknown (近藤實)
2008-09-23 18:21:17
上野さんは、金沢へ行かれてな(か)ったんですね。
でも、コメントを準備されていたのは流石です。
私も本当のところテープ(音声記録)は聞きたいと思っています。
文書は、意図的に編集されていて、不正確というより間違っているというべきです。
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エールを送られて喜んでよいのか、悲しんでよいのか(笑)。
とはいえ、考えの違いはあるものの、どちらから見ても、
県の審議会記録を要約した議事録はおかしい、ということです。
真実の記録を聴いて、本題で議論をたたかわせたいものです。
判決は、法解釈を避け、県の言い分だけを取り入れた認定をしていますが、
わたしは情報公開訴訟は、基本的に条例の解釈・運用をあらそうもので、
今回の裁判は、公文書の定義という、条例解釈の問題だけだと思っていました。
しかし判決は、実情、事実のほうに着目しています。
それほど事実、実情が重要と言うのなら、
いままでの審議会の会議で、どのように記録がとられ、議場録が作成され、
問題のテープに何が記録されていたのか、を論じないのは、どうしてもおかしい。
判決文をあらためて読み、判決のおかしさを考えてみました。、
判決は音声記録を私物、一職員の備忘というけれど、
この審議会で記録されたテープの内容は、個人に帰するものではないはずです。
判決はメモを補完する単なる備忘、としていますが、
担当職員の石原氏は、電話で音声記録の存在を尋ねたわたしに対し、
「紙のメモは取っておらず、テープがすべて。
それを起こして審議会委員に確認してもらいホームページにアップして消去する。
今までもそうしていたので今回もそうする。いまは紙の時代ではない。」
とまで言い切っています。
それでわたしたちは急いで、情報公開審査会に不服申立てをしたのです。
テープを組織的に管理しておらず、音声記録が一個人の備忘・メモであり、
一職員が好き勝手に要約でき、それが消されてしまうというのなら、
それこそ、審議会委員にとっても、市民にとっても、不利益であって、
福井県情報公開条例の趣旨、目的に反します。
福井県男女共同参画審議会は、福井県男女共同参画推進条例 に定められた公的な審議会で、
条例に定められた委員の権限として県の施策の重要案件を審議しています。
第二十四条 男女共同参画の推進に関する重要事項について調査審議等を行うため、福井県男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(所掌事務)
第二十五条 審議会は、次に掲げる事務を所掌する。
一 この条例の規定により審議会の権限に属させられた事項の処理に関すること。
二 男女共同参画の推進に関する重要事項についての調査審議および建議に関すること。
(相談および苦情の処理)
第二十一条 知事は、性別による差別的取扱いその他の男女共同参画の推進を阻害する行為について、県民等から相談があったときは、関係機関と連携して適切な処理に努めるものとする。
2 知事は、県が実施する男女共同参画の推進に関する施策または男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策について、県民等から苦情、意見その他の申出があったときは、当該申出に対し適切な処理をするよう努めるものとする。
3 知事は、前項に規定する申出の処理に当たり特に必要があると認めるときは、福井県男女共同参画審議会の意見を聴くものとする。
年一回(19年度も一回)の割合で開催されていましたが、
平成18年度は「男女共同参画基本計画」の改定の年でもあり5回も開催されています。
問題の11月2日開催の「平成18年度第5回」男女共同参画審議会は、
メーンの議題の一つは、基本計画策定の最後のまとめの会議で、
「福井県男女共同参画基本計画の改定について」であり、
パブリックコメントや、18年度に4回開かれた会議のまとめとなる審議会でした。
その議題のあとの、もうひとつの議題が、県条例第21条に規定された
「(2)男女共同参画にかかる県施策への申出について」の審議。
原告団と近藤氏のグループの両者から、「苦情申し出」が出されていました。
福井県男女共同参画審議会
●審議会議事録
◆第1回(平成15年3月11日開催)
◆第2回(平成15年9月12日開催)
◆第3回(平成16年9月15日開催)
◆第4回(平成17年9月30日開催)(PDF)
◆平成18年度第1回(平成18年5月22日開催)(PDF)
◆平成18年度第2回(平成18年7月3日開催)(PDF)
◆平成18年度第3回(平成18年8月2日開催)(PDF)
◆平成18年度第4回(平成18年9月4日開催)(PDF)
◆平成18年度第5回(平成18年11月2日開催)(PDF)
◆平成19年度第1回(平成19年11月21日開催)
それまでの4回と、18年年度の5回の審議会とも、詳細な議事録が作成されており、
審議会に権限があり、県の基本計画策定の重大な影響を及ぼすこのような重要な会議で、
たまたま備忘のためにテープをとった、なとどいうことがあるはずがない。
また、会議が条例に位置づけられた公的会議で、
審議会の議事録が公的なものなのに、それを記録したテープだけが
「一職員の備忘、メモ」というのは、連続性がなく、とてもおかしなことです。
男女共同参画審議会は毎回、職員により職務としてテープに記録され、
テープを元に記録が起こされ、それを審議会委員が確認して議事録となるものでした。
その一連の作業や経過のなかで、テープ部分のみ「私物」というのは、
論理的に考えてもありえません。
音声記録(録音テープ)と審議会記録は切り離せない、一体性、連続性のあるもの。
途中の音声記録(テープ)部分のみ、公文書ではなく「私物」だというのなら、
重要案件を審議した審議会記録だけでなく、審議会そのものの結論まで、
一個人の職員の手(恣意)にゆだねられていることになります。
この問題に当初から関わり、音声記録の情報公開の請求代表者でもあるわたしは、
県の基本計画や「苦情申し出」を議論した唯一の「真実の記録」であるテープを、
司法が「公文書でない」と認定したことは納得できません。
以下は、福井から送られてきた、控訴審判決のニュースです。
二審も音声記録公開認めず 上野教授著作の撤去問題 福井新聞 9月23日 上野千鶴子東大教授らのジェンダー関連の著作が2006年、福井県の施設から一時撤去された問題を話し合った県の審議会の音声記録について、上野教授や市民団体が公開を求めた訴訟の控訴審判決で名古屋高裁金沢支部は22日、公開を認めなかった一審判決を支持し、上野教授らの控訴を棄却した。上野教授らは上告する方針。 渡辺修明裁判長は判決理由で「担当職員が会議録作成のため備忘として録音、所持していたもので県の公文書ではない」とした。 判決などによると、県は06年3月、県生活学習館のジェンダー関連の著作約150冊について「内容が過激」などと指摘を受け、約2カ月間書棚から撤去。上野教授らから苦情があり、県は同年11月に男女共同参画審議会を開いた。 審議会の会議録は公開されたが、原告側は「県が公開した会議録は原告が傍聴した記録と照らし合わせても違いがあり、検証の必要がある」と音声記録について情報公開を請求、県は非公開とした。 福井地裁は今年1月「音声記録は会議録作成のための録音で公文書には当たらない」などと請求を棄却。上野教授らが控訴していた。 「時代の流れ逆行」原告側が上告方針 判決言い渡し後、原告側は会見し、上告する方針を示した。原告の一人で岐阜県山県市議の寺町知正さんは「一審判決と何ら変わらない判断で、新しい理由付けもなく驚いている。情報公開の時代の流れに逆行した判決だ」と批判した。 大沢博・県総務部長は「県の主張が認められた妥当な判決。今後とも適切に情報公開を推進していきたい」とのコメントを発表した。 (福井新聞 2008.9.23) ---------------------------------------------------------------- 録音記録訴訟 二審も原告敗訴 名古屋高裁金沢支部 公開請求を棄却 朝日新聞 9月23日 県生活学習館(福井市)の書架から、ジェンダーに関する上野千鶴子・東大大学院教授らの著書約150冊が一時撤去され、この問題を議論した県の審議会で職員が議事録作成用にMD(ミニディスク)に録音した音声記録を県が非公開としたのは不当として上野教授ら13人が県を相手取り、非公開処分の取り消しを求めた控訴審の判決公判が22日、名古屋高裁金沢支部であり、渡辺修明裁判長は「職員の備忘用で公文書とは言えない」と原告側の請求を棄却した。 一審に続き、職員が議事録=一般に公開=作成のために録音したMDが県情報公開条例の公文書にあたるかが争われた。県条例では職員が職務で作成し県が管理する電磁的記録は公開対象としている。判決では、今回の音声記録は担当職員が備忘のために所持していたもので、県の保管事務手続きの対象ではなく、県の管理下にないので公文書には当たらない、と一審と同じ判断がなされた。 判決後、原告代表の上野さんは「情報公開の流れと記録媒体のハイテク化に逆行する時代錯誤な判決で残念」とコメントを出した。県の大沢博総務部長は「本県の主張が受け入れられ、妥当な判決。今後とも適切に情報公開を推進していきたい」と話した。 (朝日新聞 2008.9.23) |
色があかく変わるのを見たいと思ったら、午後から雨が降ってきました。
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