みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

こうのとり追って:第2部・不妊治療を知る/第1部・不妊治療の光と影 反響特集

2011-02-01 19:46:08 | ほん/新聞/ニュース
東京から帰ってみたら・・・・
大雪でした。

のぞみに乗っていたのは日没近く。
富士山に夕陽があたり始めました。
   

ちょうど富士市を通過するころ、
   
陽は沈み、富士山が赤くかがいていました。

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岐阜に帰ってきて、たまった新聞を読んでいたら、
毎日新聞で1月31日から、「こうのとり追って:第2部」の連載が始まっていました。

   

 こうのとり追って:第2部・不妊治療を知る/1 「閉経まで望める」と誤解 

◇30代後半妊娠率下降、卵子老化、学ぶ機会少なく
 「そんなこと言っている場合じゃない」。男女の産み分けについて尋ねた東京都目黒区の主婦(43)は、医師の言葉に驚いた。結婚を控えていた約2年前、婦人科系疾患がないかを確認するため、診察を受けた時のことだ。結婚したら子供がほしいと思っていた主婦は、軽い気持ちで質問した。だが、医師は主婦の年齢から「出産できる時間は限られている」と説明した。
 結婚から半年後の09年夏、主婦は自然妊娠したが、秋に死産した。胎児の染色体異常が原因だった。体調が戻った昨年4月、不妊治療クリニックで本格的な治療を受け始めた。
 クリニックでは「外見が若い人でも、子宮や卵巣は年相応に老化する」と知らされた。体外受精をするために計4回採卵を試みたが、うち2回は卵子の採取さえできなかった。
 昨年10月、主婦が最後の機会と思って臨んだ3回目の体外受精が失敗。「老後は二人で支え合おう。見取ってくれる人がいないから一緒に死にたいね」という主婦の言葉に、夫(45)は涙を浮かべた。
 日本産科婦人科学会の調査によると、08年に不妊治療を受けた患者は30代後半がピークで、妊娠数は35歳を境に減少。出産率は32歳からゆるやかに下り始め、流産率は反比例して上がっていく。卵子の老化に伴い、染色体異常が起きやすいためとされている。
 主婦は通っていた女子高の保育の授業で子育ての魅力を知った。だが「高齢になると妊娠が難しくなることは教わらなかった」。国の学習指導要領には、小中高校で妊娠しやすい年齢や不妊治療について教える規定はない。文部科学省は「早く産んだ方がいいというメッセージになりかねず、不妊についてどのように教えるかは難しい」(学校健康教育課)という。
 主婦は「高齢での出産は難しいだろうと思っていても、40代で出産したタレントなどのニュースを見ると、自分も大丈夫だと錯覚してしまう」と話す。
 不妊治療歴4年の奈良県の主婦(37)は治療を受けながら、自分でも不妊について調べ、30代後半になると妊娠率が下がることを知った。「治療を始める前は、閉経まで赤ちゃんを望めると思っていた。治療を受けたことがない人が、誤解や偏見を持つのは仕方がないと思う」
     ◇
 昨夏、衆院議員の野田聖子さん(50)が米国で卵子提供を受け妊娠したことを発表した。横浜市で不妊治療クリニックを営む医師は「野田さんの発表後、45歳を超えるような高齢の患者が明らかに増えた」と話す。
 野田さんは予定日の2月より早い1月6日に男児を出産した。ブログを通して、子宮から出血が続いたため再入院し、21日に緊急手術を受けたことを明らかにしている。
 日本産科婦人科学会と日本生殖医学会の理事長を務める吉村泰典慶応大教授は「体外受精による40代の妊娠率は10%ぐらい。そのうち25~30%は流産している。高齢での出産は大量出血や早産のリスクも高まる」と指摘する。同大病院では第三者から卵子提供を受けた妊婦を受け入れたケースも複数あるが、吉村教授は「3人に1人は大量出血が原因で輸血をしたり、子宮を摘出している」と話す。
 目黒区の主婦は昨年末、あきらめきれない思いから再び、クリニックに通い始めた。6月の誕生日までは治療を続けようと思っている。「たいていのことは努力やお金で何とかなるけれど、妊娠は違うみたい。私のように悲しい思いをする人が増えないでほしい」と、自嘲(じちょう)気味に語った。
     ◇
 不妊治療を経て生まれる子供の数は毎年増えているが、治療を受ける患者のつらさは消えない。不妊の原因と治療方法、心身・経済的な負担をはじめとする不妊治療の基本を探った。=つづく(五味香織、丹野恒一、下桐実雅子、須田桃子、藤野基文が担当します)
毎日新聞 2011年1月31日 東京朝刊


担当は、五味香織さん。
「第1部・不妊治療の光と影」の反響特集も五味さんが書いてみえました。

 
こうのとり追って:第1部・不妊治療の光と影 反響特集/上

 不妊治療を取り上げた連載企画「こうのとり追って 不妊治療の光と影」(昨年12月20~24日)や、衆院議員の野田聖子さん(50)が第三者から卵子提供を受け6日に男児を出産したニュースに、多くの反響をいただきました。治療を経て出産した我が子との関係に悩む人、身近な人の無理解に苦しむ人、治療のあり方への意見と多様です。みなさんの声を2回にわたり紹介します。【五味香織】

◇家族の数だけ答えある
◇子の苦しみ思い、事実伝えず 夫との関係悩む

 首都圏に住む40代の主婦は、夫に精子をつくる機能がなく、第三者の精子を使う非配偶者間人工授精(AID)で長女(18)を出産した。養子縁組や、子供をあきらめる選択もあったが、夫が「君の血が入った子供がほしい」と背中を押した。治療前、大学病院内にある小部屋で「治療について口外しない」という趣旨の書類に署名し、長女に出生の事実を伝えようと思ったことはなかった。
 連載では、AIDで出産した女性が娘に出生のいきさつを伝えた話を紹介した。主婦は、記事中の女性が娘に事実を隠し続けなかったことに疑問を感じた。
 「長女が自分のことを一生、知らないままでいいのだろうか」という思いがよぎることはある。しかし、事実を伝えたら、きっと精子提供者を捜そうとするだろう。提供者は誰にも分からない仕組みになっている。長女が苦しみを抱えて生きていくのはつらい。何より、長女をかわいがってきた夫を含め、家族が壊れてしまう気がする。「子供の性格や家庭によって考え方は違う。記事の女性はうそをついていることに負い目を感じたのかもしれないが、ついていいうそもあると思う」
   ◇
 4回目の体外受精で男女の双子を産んだ兵庫県の主婦(36)は、50歳の高齢で出産した野田さんに驚きながらも「何とかして子供が欲しいという思いには共感できる」と語る。一方、不妊治療や子育てに消極的な夫の姿に「無理してまで子供が必要だったのか」と悩んでいる。
 夫の精子の数が少ないことが不妊の原因だったが、夫は積極的に治療にかかわろうとはしなかった。主婦は治療で毎日、注射を打ちに病院に通いながら「何で自分がここまでしなきゃならないのか」と思った。「子供ができれば夫も変わるのでは」と期待しながらもいら立ちは募り、30歳になる直前に体外受精を受ける際、「今回ダメなら、別れてやり直そう」とひそかに離婚届を用意した。その治療で妊娠。夫は喜び、出産後は毎日、病院に来たが長くは続かなかった。
 夫が子供に情が薄いのは妊娠・出産に直接かかわらなかったからではないか、と主婦は思う。「女は子供をおなかの中で育て、産んで母になる。だから、野田さんも自分の卵子じゃなくても、自分の子だと思えるんだろう」
 長男に、精子が少ない夫の体質が遺伝しないか不安もある。将来、不妊治療を受けたことを話し、結婚前に検査を受けるよう勧めたい。不妊原因の有無が分かれば、自分たち夫婦のように、結婚してからつらい思いをしなくてもいいのでは、と考えるからだという。

 ◇野田聖子さん出産 第三者卵子でも賛成/線引き必要
 野田さんの出産には賛否両論が寄せられた。不妊治療中の茨城県の主婦(40)は「夫の遺伝子を受け継いだ子供を産んであげたい」と第三者の卵子による出産に賛成する。川崎市の女性会社員(48)も「どうしても子供が欲しい時、自分の卵子に固執しなくてもいいと思う」。
 一方、体外受精で長男を出産した神奈川県鎌倉市の女性会社員(43)は、野田さんのように海外で治療を受けるケースについて「経済力がある人が試みる治療は、万人にできるものではない。夫婦の数だけ答えがあり、単純に是非を語るべきではない」と考える。沖縄県の会社経営男性(60)は「不妊治療そのものは否定しない」としたものの、野田さんの方法には「子供は親の所有物ではない。未来を親の身勝手で強制していいのか」と疑問を投げかけた。
 出産の現場にいる埼玉県春日部市の助産師(31)は「卵子や精子の提供、代理出産がビジネスとして成り立つことに違和感を感じる。生殖能力がなくなる年齢での妊娠は体にも負担。欲しいと思ったら何歳になっても手に入れていいのか」と指摘。不妊治療について「どこかで線を引くべきでは」という意見を寄せた。
毎日新聞 2011年1月20日 


こうのとり追って:第1部・不妊治療の光と影 反響特集/下 

◇突き刺さる周囲の言葉
◇理解されぬ悩み続く/圧力ではなく応援して

 「人工授精でも体外受精でも何でもやって、子供を産まなきゃダメなのよ」。東海地方の女性会社員(37)が夫の実家で食事をしていた時、義母がそう言い放った。その前夜、義母は夫に連載企画「こうのとり追って」の記事を手渡していた。連載は、長引く治療のつらさや、出生の経緯を知った子供が戸惑う姿などを紹介していた。「治療を受ける人たちが悩みを抱えているという記事を読んで、なぜあんな冷たい言葉が出てくるのか」。女性は義母に憤りを感じた。
 女性は結婚後、しばらく夫の実家で暮らしていたが、義母は当初から「年齢も年齢だから(不妊治療の)病院に行った方がいい」「子供できるの?」とせかした。一人っ子の夫は「できなかったら、それでもいい」と言った。だが、義母は「後継ぎがいないと」と孫を求め続けた。
 女性は近くの産婦人科で治療を受け始めた。麻酔や薬の影響で体が思うように動かない時もあった。「今日は家事ができないかもしれない」と言うと、義母は露骨に嫌な顔をした。昨夏のある日、自分をにらみつけて言った義母の言葉に女性は、義父母と別居することを決意する。「畑が悪いから(子供が)できないんだ」
 女性は近く体外受精を受ける予定だ。「治療をいつまで続けるか期限を決めるのは自分。でも、義母のような周囲の声に精神的に追い込まれ、やめられなくなるのではないか」と不安も抱いている。
 奈良市の会社員、藤原貴子さん(39)は今年の正月、夫の親族の集まりを欠席した。1歳になる親戚の子供を見るのがつらいからだ。誰かに「子供はまだ?」と聞かれるのも気が重い。届いた年賀状は、子供の写真をあしらったものが増え、涙が止まらなかった。
 7歳年下の夫と結婚したのは約3年前。20代のころは客室乗務員を目指して留学も経験した。仕事が忙しく、結婚を意識したのは30代半ばになってからだった。38歳で自然妊娠したが、ごく初期に流産。医師に「卵子は年齢とともに老化する」と聞き、「時間を無駄にできない」と不妊治療を受け始めた。
 「若い時に夢を追い続けたのがいけなかったのか。もっと早く結婚すればよかったのか」。夫を「父親」にしてあげられないのも切ない。
 親しい友人たちは「私にも(子供が)できたんだから大丈夫」「気にしすぎだよ」と言う。励ましだと分かっていても、生理が来ると落胆する日々のつらさを理解してもらえるとは思えない。治療中の人たちが参加する携帯電話の掲示板やブログで悩みを分かち合う。
 岩手県の男性(40)と妻は、周囲の心ない言葉に傷つき、不妊治療をやめたという。
 治療を始めて10年以上がたち、信頼できると思った病院を見つけたが、妻が市販の妊娠判定薬で調べた結果を伝えると、看護師から「素人が市販薬で判断するな」と叱責された。ショックを受けた妻は以来、治療を受けようとしなくなった。同僚や上司から「子供は気合でできる」「おれが作ってやるから奥さんを貸せ」と悪質な冗談を言われたこともある。
 男性は「不妊治療を楽しんでいる人はいない。周囲から有形無形の圧力を感じている人ばかりだ。子供を授かるまで、もしくはあきらめきれるまでは、どうか応援してほしい」という声を寄せた。
 和歌山県紀の川市の主婦、井関結加さん(41)は農家に嫁いで、4人の子供を出産した。全員が体外受精で、「出産しても自分の不妊症が治ったわけではない」と語る。
 治療を受けていることは周囲に明かしてきた。長男を出産後、「やっとできた子だから過保護に育てているのでは」という目で見られたこともあったという。2人の娘に自分の体質が遺伝しないかも気になる。「不妊に悩む人は、たとえ出産しても自分の体のことを一生抱えていくもの」と話す。メールでは連載に対する意見もつづった。「世間の好奇心を刺激するような内容でなく、こちら側(不妊の当事者)の視点に立って書いてほしい」【五味香織】
   ◇
 31日から連載企画「こうのとり追って」第2部を掲載します。
毎日新聞 2011年1月21日 


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1月31日(月)のつぶやき

2011-02-01 01:53:32 | 花/美しいもの
23:42 from Tweet Button
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