みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

福島第1原発:東電、水素爆発予測せず ベント手順書なし/保安院も建屋の水素爆発予測せず

2011-08-17 20:27:13 | ほん/新聞/ニュース
ここ数日、新聞を読んでないので、テレビを見ていたら、
午後のNHKニュースで、福島原発の水素爆発の可能性を、
だれも事前に予想できていなかった、との報道。

関連のニュースを調べたら、毎日新聞が詳報を出していました。
水素爆発を予想できなかったのは、東京電力だけでなく、
原子力安全・保安院も同じだったとのこと。

思わず、委員長の斑目氏が、うつろな涙目で、
「3.11以降をぜんぶなしにしたい」といったことを思い出しました。

東電 “水素爆発予測できず”
8月17日 NHK

東京電力福島第一原子力発電所の事故で起きた水素爆発について、東京電力の関係者が政府の事故調査・検証委員会の調査に対し、「事前に予測できた者はいなかった」と証言していることが分かり、深刻な事故が発生した際の想定が甘かったことが改めて浮き彫りになりました。

東京電力福島第一原発を巡る政府の事故調査・検証委員会は、東京大学の畑村洋太郎・名誉教授が委員長を務め、事故の原因究明に向けて政府や東京電力の関係者などから幅広く聞き取り調査を行っています。これまでの調査に対し、東京電力の関係者が東日本大震災発生の翌日の12日、1号機で起きた水素爆発について、「原子炉や格納容器の対応に集中していたため、水素が建屋に充満して爆発することに考えが至らず、爆発前に予測できた者はいなかった」と証言していることが分かりました。また、1号機の爆発後、2号機と3号機についても爆発を防ぐための対策を検討しましたが、放射線量が高かったことなどから作業を実施できず、結果として14日に3号機でも爆発が起きたということです。水素爆発は、原子炉への注水が止まり炉心が損傷したことに伴って大量の水素が発生し、格納容器から建屋の中に漏れ出して起きたとみられています。東京電力は炉心が損傷する事故で水素爆発のおそれがあることは把握していましたが、建屋で起きることまでは想定していなかったということで、深刻な事故の際にどのような事態に至るかという想定の甘さが改めて浮き彫りになりました。


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福島第1原発:東電、水素爆発予測せず ベント手順書なし”
 
東京電力福島第1原発事故で、3月12日に起きた1号機の水素爆発について、政府の「事故調査・検証委員会」(畑村洋太郎委員長)の聴取に対し、東電側が爆発前に予測できていなかったと証言していることが分かった。長時間の全電源喪失時に格納容器を守るため実施するベント(排気)のマニュアル(手順書)がなかったことも判明。このため、作業に手間取るなど、初期対応で混乱した様子が浮かび上がった。
 関係者によると、政府事故調はこれまでに、同原発の吉田昌郎所長ら東電社員や政府関係者らから聴取を続けている。
 1号機の水素爆発は、東日本大震災の翌日の3月12日午後3時36分に発生。建屋の上部が吹き飛んだ。水素は、燃料棒に使用されるジルコニウムが高温になって水と反応し発生したとみられている。
 関係者によると、事故調に対し、東電側は原子炉や格納容器の状態に気を取られ、水素が原子炉建屋内に充満して爆発する危険性を考えなかったという趣旨の発言をし、「爆発前に予測できた人はいなかった」などと説明しているという。
 また、ベントについては、マニュアルがなかったため設計図などを参考にして作業手順などを検討。全電源が喪失していたため作業に必要なバッテリーなどの機材を調達し始めたが、型式などの連絡が不十分だったこともあり、多種多様な機材が運び込まれて、必要なものを選別する手間が生じた。
 さらに作業に追われる中、機材が約10キロ南の福島第2原発や作業員らが宿泊する約20キロ南のJヴィレッジに誤って配送され、取りに行かざるをえない状況になった。ある社員は「東電本店のサポートが不十分だった」と話しているという。
 一方、1号機の炉心を冷却するための非常用復水器(IC)が一時運転を中断していたものの、吉田所長ら幹部がそのことを把握せず、ICが稼働しているという前提で対策が検討されていたことも判明。事故調の聴取に吉田所長は「重要な情報を把握できず大きな失敗だった」などと話しているという。
 事故調は、東電側からの聴取内容と一連の事故に関するデータなどを精査した上で事故原因を解明していく方針だ。

 ◇震災翌日の首相視察「目的分からぬ」
 「目的が全く分からない」--。菅直人首相が東日本大震災翌日の3月12日、東京電力福島第1原発を視察したことについて、現場のスタッフが政府の「事故調査・検証委員会」の調べに、懐疑的な感想を述べていることが明らかになった。
 菅首相からの「なぜこんなことになるのか」との質問には、「自由な発言が許され、十分な説明をできる状況ではなかった」と振り返る説明があった。また、海江田万里経済産業相が12日午前6時50分、1号機の原子炉格納容器の圧力を下げるベントの実施命令を出したことに、現場は「違和感が強く、意図的にぐずぐずしていると思われたら心外」と受け止めたという。
 陸上自衛隊のヘリコプターによる使用済み核燃料プールへの放水には、「ありがたかったが、作業効率が極めて低いと感じた。プールに入っていないと思われるケースが多かった」との感想があったという。

 ◇原発事故調査委・ヒアリング経過メモ(要旨)
 事故調査・検証委員会が、福島第1原発の吉田昌郎所長やスタッフ、関連企業の社員ら、学識経験者にヒアリングした経過を8月にまとめたメモの要旨は次の通り。

 <ベント>
・11日深夜から12日未明にかけ、炉心損傷を認識した吉田昌郎・福島第1原発所長がベント準備を指示
・マニュアルがなく、現場で設計図などを参照しながら必要な措置を検討し、弁操作に必要なバッテリー調達などから始めた。ストックを把握していなかったため、構内を探したり本店に調達要請したりと手間取った
・最終的にベントが成功したかは確認できていない。「成功した」とされているのは、格納容器の圧力低下や放射線量増加などの状況証拠からの推測。現在も確証を得られない
・ベントや注水に必要な資材が福島第2原発などに誤搬送され、第1原発から取りに行く人員を割かれるなど、本店のサポート体制は不十分
・海江田万里経済産業相のベント実施命令には違和感が強く、意図的にグズグズしていると思われたとしたら心外

 <水素爆発>
・1号機の水素爆発を予測できた者はいない。爆発後数時間以内に、炉心損傷で発生した水素が建屋に充満して爆発した可能性が高いと結論付けた

 <甘い認識>
・炉心の熱を海に逃がすための海水ポンプが津波で故障した場合、非常用復水器(IC)などで炉心冷却しながら復旧すればよいという程度の認識だった

 <4号機の損傷>
・3号機から排気ラインを通じて逆流した水素がたまって爆発した可能性が考えられるが、逆流させるだけの空気圧が発生していたか疑問はある

 <菅首相の福島原発視察>
・12日早朝の首相来訪は目的・趣旨がまったくわからない

 <海水注入>
・防火水槽の淡水貯水量には限界があり、いずれ海水注入が必須になるとの認識はあった
・12日夕に官邸、東電本店から海水注入中断の指示があったが、注水を続けないと大変なことになるので、従ったふりをして継続

 <1号機の非常用復水器停止把握せず>
・担当作業員がICを11日午後6時半から約3時間、停止させたが、吉田所長らは把握せず、動いていることを前提に対策を講じた

 <ヘリ、放水車などによる放・注水>
・電源復旧作業の中断を余儀なくされた
・散発的な放水は作業効率が低く、使用済み核燃料プールに入っていないと思われるケースが多かった

 <想定地震超える>
・福島第1原発2、3、5号機の東西方向で、想定していた揺れである基準地震動を超えたが、東電によると原子炉の安全上重要な設備に大きな損壊は確認されず

 <想定津波を再計算>
・09年2月、海底地形と平均潮位を見直して想定津波を再計算。その結果、想定津波の高さが上昇した5、6号機については、非常用海水ポンプの電動機の架台の浸水対策をした
毎日新聞 2011年8月17日



  福島第1原発:保安院も建屋の水素爆発予測せず

 東京電力福島第1原発事故で、政府の「事故調査・検証委員会」の聴取に対し東電が「1号機の水素爆発は予測できなかった」と証言していることについて、経済産業省原子力安全・保安院の森山善範原子力災害対策監は17日、「格納容器内の水素爆発対策は重視していたが、建屋の対策は十分評価していなかった」と述べ、規制行政庁としても対応が不十分だったとの認識を示した。
 事故調の聴取では、長時間の全電源喪失を想定したベント(排気)のマニュアル(手順書)が準備されていなかったことも明らかになった。これについて森山対策監は「ベントは(通電した)中央制御室で操作する手順になっていた。全電源喪失への対応が不十分だったことがそもそもの事故原因なので、今後の安全対策に生かしたい」と述べた。【比嘉洋】
毎日新聞 2011年8月17日


 記者の目:内部被ばくだけの数値明示を=小島正美

◇食品安全委「放射線生涯100ミリシーベルト」 食品を通じた放射性物質の健康影響を評価していた食品安全委員会(小泉直子委員長)が7月26日、「生涯の累積でおおよそ100ミリシーベルト(自然放射線や医療被ばくは除く)以上で健康影響がある」との評価案をまとめた。「生涯100ミリシーベルト」は食品を通じた内部被ばくだけでなく、外部被ばくも合算した数値で、内部被ばくの割合は示されていない。たとえ推計でも内部被ばくの限度を数値で示し、実際の食生活に即した健康影響評価をしなければ、食品の安全性への信頼が損なわれてしまうだろう。
 食品は、放射性物質が体内に入って放射線を出し、健康を害する「内部被ばく」が問題になる。
 食品安全委は厚生労働相の諮問を受け、4月下旬から9回の議論を重ね、国内外の約3300点の文献を検討した。しかし「内部被ばくのデータが極めて少なかった」ため、主に広島・長崎の原爆被爆者の発がんデータを基に、生涯の累積値で目安を示した。

 ◇数百ミリでも影響ないとの指摘も
 まず疑問なのは、なぜ生涯の累積値なのか、だ。同じ100ミリシーベルトの被ばくでも、一度に受けた場合と、1年に1ミリシーベルトずつ100年かかって受けた場合とでは、人体への影響は全く異なる。アルコールを一気に飲む場合と、少しずつ飲む場合を比べても分かるように、一度の被ばくの方がリスクが大きい。低線量を長く受ける場合は、途中で傷ついた細胞が修復されるためだ。
 放射線の影響に詳しい中村仁信・大阪大名誉教授は「細胞の修復能力を考えると、生涯累計なら数百ミリシーベルト程度でも影響がないと見てよいはずだ」と述べる。この点は、食品安全委の作業部会でも指摘されていた。「広島・長崎の影響は、瞬間的な外部被ばくの影響が9割以上を占める。生涯の累積量に当てはめるのは科学的におかしい」「累積量ならインドの高線量地域に住む人で約500ミリシーベルトでがんの増加はなかったとのデータの方が信頼できる」との意見だ。
 しかし、作業部会座長の山添康・東北大教授は「被爆者は瞬間的に被ばくした後も、そこに住み、空気を吸ったり食べ物を取り続け、内部被ばくも受けた。より安全側に立って判断したい」と述べた。より安全に、と考えるのはいいが、生涯100ミリシーベルトを人生80年として計算すると、1年間の上限は1・25ミリシーベルトになる。福島県の一部では、外部被ばくだけで年間10ミリシーベルトを超えることが予想され、何も食べられなくなりかねない。
 どの地域でも現実に外部被ばくの方が大きく、内部被ばくは数%とされる。仮に内部被ばくの割合を2割と多めに見ても、内部・外部被ばく計年1.25ミリシーベルトのうち、食品に割り当てられる許容線量は年0.25ミリシーベルトしかない。放射性セシウムだけで考えても、現行の暫定規制値は年5ミリシーベルトが上限なので、20分の1まで下げねばならなくなる。牛肉なら、現在の1キロ当たり500ベクレルが25ベクレルになる計算だ。
 評価案は「小児は放射線の影響をより受けやすい」ともしており、子供を考慮すると規制値はさらに厳しくなる。

 ◇平時と緊急時分けた議論なく
 食品安全委のあるメンバーは「例えば当面3年間で計30ミリシーベルト浴びたとしても、あとの人生で70ミリシーベルトの余裕がある」と話した。緊急時には規制値を緩くし、平時は厳しくする2本立ての規制値をつくる考え方はある。しかし、安全委の評価案は「緊急時はより柔軟な対応が求められることも考えられる」と一般論を述べるだけで、累積線量を年ごとにどう振り分けるかは厚労省の判断だとし、具体的な提案はしていない。これでは「生涯100ミリシーベルト」の数値が独り歩きしかねない。平時と緊急時を分けるなど「経済社会的な状況に応じて規制していく、という従来の国際的な放射線管理の考え方に対する挑戦だ」と指摘する専門家もいる。
 主食の米と、たまに食べる牛肉が同じ値になっている現行規制値も議論してほしいテーマだ。食品の種類によって規制値を変えた場合に、人の健康影響がどうなるかのリスク評価も必要だが、そうした論議もされなかった。
 8月2日に開かれた安全委と市民の意見交換会では「規制値の強化につながる」と歓迎する声が多かった。だが、実際問題として、年齢も食生活も異なる個々の累積被ばく量を、生涯にわたりチェックしていくのは不可能だ。累積線量を知りたいという国民の要求に国は応えられるのか。
 「生涯100ミリシーベルト」は一般に考えられている以上に大きな課題をはらむ。文献を読んで安全性の目安を示すのは、リスク評価の一部に過ぎない。規制値の設定いかんでは、野菜の摂取不足が起きて、逆に健康に悪影響が出るかもしれない。現実の国民の食品摂取の仕方まで踏み込んでリスクを評価するのが、委員会の役目ではないか。(生活報道部)
毎日新聞 2011年8月17日 0時07分


東京滞在も明日まで。
最後の有ご飯に、念願の
タカノ本店のフルーツバー(バイキング)を食べました。

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