みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

【悩みのるつぼ】上野千鶴子さん「親をうらみ続けないためには」

2012-04-01 00:27:47 | ジェンダー/上野千鶴子
花も終わりに近づいたので、さざんかを剪定しました。
約4か月咲き続けて、枝もずいぶん伸びていました。
太い枝を思い切って切り落とし、形をまあるく整えました。
   
木の周りにお礼肥を施して、これで来年も咲いてくれるでしょう。

ひと周り大きな鉢に植え替えた匂い椿
「港の曙(みなとのあけぼの)」も可憐な花を咲かせています。
  
右端は、一重の椀咲きでひときわあざやかな↑紅妙蓮寺(べにみょうれんじ)。

椿の花は花後に形のまま落ちるので、汚れないうちに集めて、
   
トイレの洗面ボールに浮かべてみました。

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昨日の朝日新聞beの【悩みのるつぼ】の回答者は、上野千鶴子さん。

今度はどんな回答かな、と毎回土曜日の新聞を開いて、
上野さんの回答をたのしみに読んでいます。

 【悩みのるつぼ】(朝日新聞be 2012.3.30)
質問者 女性52歳「婚活」をなじられます

 52歳のフルタイムで働く女性です。12年前に離婚し、2人の息子が就職で家を離れたのを機に、3年前から80歳手前の両親と同居しています。
 1年前に始めた私の婚活が原因で両親、妹とうまくいかなくなりました。息子たちは応援してくれますが、父と妹が結婚相談所で相手を探すことに大反対です。
 入会して1年ほどで、両親と同居してもOKという人に2人知り合ったので話したところ、両親とも同居などしたくないと大論争になりました。母はパートナーがほしいという気持ちには理解を示しますが、父は、30年前に大反対を押し切って結婚し、予想通り離婚した私には見る目がないと決めつけ、大反対です。婚活サイトの事件があったこともあり、結婚相談所に来る男はろくでもないと決めつけています。もうすぐ孫ができれば幸せじゃないかと言います。
 私は心の支えになる人がほしいし、息子たちに迷惑をかけたくない。母が2カ月ほど前に具合が悪くなったのですが、妹はあんたの婚活のせいだ、となじります。気が強い妹は自分のほうが家庭生活をきちんと営んでいると私を見下します。
 夜逃げ同然で離婚し、迷惑をかけた時のことは両親と妹に感謝していますが、私はこれからの人生を前向きに考えたいのです。私が独り身でいればすべてが丸く収まるのでしょうか。

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 回答者 社会学者・上野千鶴子  
親をうらみ続けないためには

「心の支えがほしくて婚活」ねえ。一読、本末転倒じゃないか、と思ってしまいました。順番から言えば、心の支えになる人と出会ってから、この人とずっと一緒にいたい、なら結婚しようとなるのがふつう、じゃないですかねえ。
 結婚が心の支えにならないことぐらい、バツイチですでに経験しておられるはずですよね。結婚すればパートナーを得られるもの、と思っておいでのようですが、どんなパートナーかによります。いたほうがよいパートナーもいれば、いないほうがよいパートナーだってあります。
 ふしぎなことに、統計によると1度結婚したことのある人のほうが男女とも性懲りもなく結婚をくりかえす傾向にあるのに対し、結婚したことのない人はこれから先もずっと結婚しない確率が高いという結果が出ています。結婚に幻想を持っている人はどんな現実に直面してもその幻想、おっと妄想がなくならないということなんでしょうか。
 老いた親の関心は子どもの幸福より自分の安心。それは肝に銘じておいてください。ご両親の関心は自分たちの日常の平安が続くことだけ。子育てを終えた娘が介護要員として控えているというのに、そこにノイズが登場するのをいやがるのは当然。
息子を育て上げたあなたはようやく自分の幸福を考えてもよいと思えるようになったんですね。あなたが幸福になりたいと思うなら、親に相談するのはやめましょう。その前に、たとえ高齢だろうが、親の家を出るのが先です。フルタイムで働いているなら、誰にも頼らず自活することもできるでしょう。出るなら親がまだ健康なうち、です。
 そのうえで婚活するも自由、恋愛するも自由、恋愛に失敗するのも自由。それがおとなの自由というものです。もう誰にも迷惑かけずに好きなパートナーが選べます。婚活より、まずあなたが自立することが先です。
 え、介護が始まったら、ですって? 別居介護で親の家に通いましょう。妹さんにも応分に手伝っていただきましょう。同居する必要はまったくありません。どんなに非難されても耳を傾けなくてかまいません。
 親の幸福より自分の幸福が大事。そう。自分のエゴイズムに向き合い、それを肯定するのが生きる覚悟というものです。でないとあなたはこれから始まるかもしれない介護生活のなかで、親をうらみ続けることになりますよ。
題字・イラスト きたむらさとし


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