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このところずっと気になっていたのが、大飯原発3、4号機の再稼働問題。
再稼働に前向きだった野田政権が、ここへきて慎重な姿勢に転換、
再稼働の是非を先送りした。ということで、わたしの心配も先送りされました。
福島原発事故で原発の危険性がひろく認知されるようになって、
事故が起きれば風下になって被害を受ける関西の自治体がこぞっても反対しているから、
当然といえば、当然だけど、今ごろになって、そういうことに気づいたのだろうか。
枝野さんは国会で「日本全国が地元だ」と言ったそうだけど、
「再稼働」はあきらめてないみたいで、とりあえずは、強行せずに慎重な姿勢を見せて
理解を得ようという方針に切り替えたということ。
この問題は各社取り上げているけれど、毎日新聞の「クローズアップ2012」が詳しい。
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このところずっと気になっていたのが、大飯原発3、4号機の再稼働問題。
再稼働に前向きだった野田政権が、ここへきて慎重な姿勢に転換、
再稼働の是非を先送りした。ということで、わたしの心配も先送りされました。
福島原発事故で原発の危険性がひろく認知されるようになって、
事故が起きれば風下になって被害を受ける関西の自治体がこぞっても反対しているから、
当然といえば、当然だけど、今ごろになって、そういうことに気づいたのだろうか。
枝野さんは国会で「日本全国が地元だ」と言ったそうだけど、
「再稼働」はあきらめてないみたいで、とりあえずは、強行せずに慎重な姿勢を見せて
理解を得ようという方針に切り替えたということ。
この問題は各社取り上げているけれど、毎日新聞の「クローズアップ2012」が詳しい。
【社説】原発の再稼働 全国が“地元”の認識で 大飯原発3、4号機の再稼働をめぐる手続きは閣僚協議に委ねられたが、すぐには、その是非を判断しないという。原発の隣接府県や、また全国が“地元”との認識に立てば急げるはずもない。 大飯原発再稼働の手続きは、経済産業省原子力安全・保安院、内閣府原子力安全委員会の審査を通過して、首相と関係三閣僚の協議による政治判断の場まで進んだ。 原発依存度が高い関西圏の夏の電力需要に配慮して、再稼働に“前のめり”といわれた政府にも、その姿勢に疑念を抱く世論に押され、変化の兆しが見えてきた。立場としては原発推進側の枝野幸男経産相が「現時点では、再稼働に反対」と国会で明言したのも、その表れといえるだろう。 そもそも再稼働へのプロセスは安全委の審査のあと、地元同意を経て、政治判断という順序になっていた。それを突然、政治判断のあとに地元同意、そしてもう一度政治判断という手順に変えた。 政府は従来、大飯原発の“地元”は、原発が立地する福井県おおい町と福井県に限ると考えていた。原発から利益を受ける立地自治体に限れば、一回目の政治判断が事実上の最終関門になる。“前のめり”が丸見えだった。 ところが、福井県と隣接する滋賀県や京都府知事、それに大阪市長から強い反発が出た。枝野経産相は国会で「日本全国が地元だ」とも述べた。 福島第一原発事故の直接被害は広域に、間接被害は日本中に及んでいる。誰もがそれを実感している最中だ。立地自治体と隣接府県だけの同意で、本当に再稼働できるのだろうか。 先月末に発表された「南海トラフ」の地震予測は衝撃的だった。活断層連動の巨大地震による最大二十一メートルの津波予測は、浜岡原発に建設中の防波壁を上回る。これを受けて保安院は中部電力に津波対策を再評価するよう求めた。 日本列島は四枚のプレートの上に乗る地震の巣だ。再稼働を急ぐ以前に、最大級の地震を見すえた対策の見直しを、全電力会社の全原発にまず指示すべきではないか。 福島原発事故を拡大させた当事者の政府による安全評価(ストレステスト)の結果自体が、国民の信を得ていない。少なくとも、国会の事故調による提言が出て、独立の規制機関が動きだすまでは、再稼働の政治協議も凍結し、この夏の節電対策を国民とともに考えるべきである。 |
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大飯再稼働の判断先送り 首相、原発暫定基準作り指示 2012年4月4日 朝日新聞 定期点検で停止中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に向けて、野田政権は3日夜、首相官邸で関係閣僚の初会合を開いた。野田佳彦首相は、安全対策の暫定基準を作るよう経済産業省原子力安全・保安院に指示。判断を先送りした。 会合には、野田首相のほか枝野幸男経産相、細野豪志原発相、藤村修官房長官らが出席した。冒頭、首相は「これまで行ってきた専門的、科学的な評価をしっかり確認し、国民の視点から再稼働に必要な安全性が確保されているか判断していきたい」と述べた。 原子力安全・保安院がこれまでの安全確認の手続きを説明すると、今年3月にまとめた30項目の安全対策がわかりにくいといった意見が噴出。首相は「福島原発の事故原因を踏まえた、暫定的な基準を整備して提示するように」と、安全対策の暫定基準を次回会合で示すよう求めた。 政権はストレステスト(耐性評価)の1次評価で安全性を確認する考えだったが、福井県は国に暫定基準の提示を要求しており、こうした意向を踏まえた。安全基準づくりを担う原子力規制庁の発足が遅れているため、保安院による暫定基準で理解を求める。 |
クローズアップ2012:大飯原発・再稼働 政権「慎重」印象付け 野田佳彦首相は3日、定期検査で停止中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に関し、政治的な手続きに入った。ただ、この日は安全評価(ストレステスト)の1次評価に関する意見交換にとどまった。周辺自治体や世論の反発が強いことから、政府には「再稼働ありき」で結論を拙速に出したとの印象を避け、慎重に手続きを行うことで地元の理解を進めたい狙いがあるとみられる。 ◇地元反発、無視できず 「地元の皆さん、国民の皆さんの一定の理解を得るには、一定の時間がかかる。あまりダラダラとやることがいいこととは思わないが、拙速もよくない」。枝野幸男経済産業相は会合後、慎重に手続きを進めつつもいずれは結論を出す考えを示した。 枝野氏は当初、「安全と需給は別次元の問題」と繰り返し、電力需給が逼迫(ひっぱく)しても安全性が確かめられていない原発を再稼働させることはないとの姿勢を通してきた。ところが、2月下旬の民放番組で、枝野氏は安全性の確認と地元の理解を前提に「今の需給状況では再稼働させていただく」と述べ、再稼働の必要性を公言し始めた。産業政策に重い責任がある立場から、電力不足が企業活動に与える悪影響に配慮した発言も目立つようになった。 経産省は5月の大型連休前にも、国内の原発がすべて停止する事態を想定した今夏の電力需給見通しを公表する予定。枝野氏の発言が変化した背景には、電力需給の厳しさが現実味を帯びてきたことがあるとみられる。 首相も3月11日の記者会見で、原発が立地する自治体への再稼働の説明について「私も先頭に立たなければいけない」と前向きな姿勢を示した。これに先立つ3月5日、枝野氏は衆院予算委員会の分科会で「安全確認ができたならば、少なくとも当面は原子力を使わせてほしい」と理解を求めた。 政府は再稼働に前向きな姿勢だったが、地元や周辺自治体は反発。枝野氏は4月2日の参院予算委員会で「地元をはじめとする国民の一定の理解が得られなければ再稼働はしない」と述べ、地元理解を求める姿勢を強調し、沈静化を図った。首相が会合で、福島第1原発事故の知見を反映した新たな「暫定安全基準」を次回会合に提示するよう枝野氏に指示したのも、大飯原発が立地する福井県の要望に応え手続きをスムーズに進める狙いがあるからだ。 ただ、京都府の山田啓二知事と滋賀県の嘉田由紀子知事は慎重姿勢を崩していない。関電の大株主である大阪市は株主総会で「全原発廃止」を提案する方針で、橋下徹大阪市長は「総選挙で決着をつけたらいい」と反対姿勢を強調する。橋下氏が代表の「大阪維新の会」は国政への進出を目指しており、政権としても無視できない存在になっているが、理解を得られる見通しは立っていない。 原子力安全委員会の班目春樹委員長は「1次評価のみでは不十分」と主張しているほか、政府や国会の事故調査委員会の報告もまだ出ておらず、詳細な事故原因も明らかになっていない。理解を求める「地元」の範囲や、必要となる「理解」の程度も定まっていない。こうした状況で再稼働に踏み切れば世論の反発も必至だ。 一方で、5月5日には北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)が定期検査のため停止し、国内で稼働する原発はゼロになる。藤村修官房長官は4月3日の記者会見で「5月5日は(大飯原発の再稼働を判断する)目安ではない」と述べたが、早期に結論を出さなければ、電力の需給対策の遅れにつながるなど影響は避けられない見通しで、政府は難しい判断を迫られている。【笈田直樹、和田憲二】 ◇同意権限、要求広がる 大飯原発が立地する福井県はこれまで、再稼働の前提として安全性の確保を求め続けている。他方で周辺の京都・滋賀・大阪の知事や市長にも再稼働の判断への関与を求める動きが広がっており、政府の拙速な再稼働に歯止めをかけようとする圧力を強めている。 福井県の西川一誠知事はこれまで「国が福島事故の知見を反映した暫定的な安全基準を示すことが大前提だ」と繰り返し、今年2月には、「原子力発電の意義と再稼働の必要性について責任ある見解を国民に明らかにし、理解を得る努力が先決だ」と国に新たに要望している。 政府の再稼働要請が先送りされたことについて、再稼働容認派のベテラン県議は「4月末には運転再開と思っていたのが狂ってしまい、地元への影響は計り知れない」と憤る。一方、再稼働に反対する県議は「滋賀、京都、大阪で反対の声が上がったことが大きいが、福島事故の知見が明らかになっていない中で再稼働への手続きを拙速に進めた上、暫定的な安全基準も提示されていない。当然の流れだ」と受け止める。 福井県内の原発の再稼働を巡っては、周辺自治体も同意の権限を求めている。 大阪府と大阪市の「エネルギー戦略会議」は1日、「大飯原発から100キロ圏内の同意」など再稼働のための8条件を国や関電に求める方針を決めた。橋下徹・大阪市長は3日、「原発事故が実際に発生し、地元をこれまでより広範囲にとらえなければならない」と指摘。「広範囲の地元の理解を得るか、国が全責任を持って選挙で審判を受けるか、二つに一つだ」と述べ、政府をけん制した。 嘉田由紀子・滋賀県知事と山田啓二・京都府知事は、ともに再稼働の判断への関与を求める姿勢を示している。2人一緒に大飯3、4号機の視察をする意向で日程調整を進めているほか、山田知事は「これまでの知見の蓄積がある福井県とも連携したい」として、京都、滋賀、福井3府県で意見交換する場を設置したい考えだ。 嘉田知事は3日夜、大飯原発の再稼働について首相と関係3閣僚が初めて協議したことを踏まえ、「福島の原発事故の原因究明と安全対策、その安全性を担保できる仕組み作りが不十分で、その対応が最優先。被害を受けるかもしれない『被害地元』として十分説明してほしい」との談話を出した。【佐藤慶、茶谷亮、姜弘修、古屋敷尚子】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 毎日新聞 2012年4月4日 |
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