昨日から男と子5人と女の子2人の孫たち7人が泊まりに来ていて、
楽しかったのですが、さすが疲れたぁ(笑)。
これが毎日だったら、体力が続かないなと、
子育てしていた若かりしころを思い出しました。
ということで、
夕ご飯で久しぶりに昨日のお昼に買ってきてあった
エビスビールを飲んだのですが
手先にも頭にもアルコールが回ったようで
200ccほど飲んだところでギブアップ。
10分ほどうとうとしてから、PCを立ち上げて、
2日間たまったメールをチェック。
夕方読んだ中日新聞の社説を紹介しようと
ブログをアップしはじめたのですが、
なんかぼーっとしています。
1週間前に生活面に記事が出た「知りたい!マインドフルネス」(上)も
下書きに入れてあったので、今日の(下)と一緒に紹介します。
マインドフルネス、興味があって前からときどきやっていますが、
気がかリなことや、ストレスがあるときに、
ゆったりとした呼吸に意識を集中させていると、気分が落ち着きます。
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社説:国家は国民を守るのか 終戦の日を前に 2018年8月14日 中日新聞 全国が焦土と化した終戦から七十三年。無数の犠牲者が出た。空襲から国民はなぜ逃げられなかったのか。そこから国家と国民の関係が見えてくる。 「空の要塞(ようさい)」と呼ばれたB29爆撃機が編隊で焼夷弾(しょういだん)をばらまいた。目標は木造の民家だった。東京では一九四五年三月の大空襲から終戦まで六十回を超える被害を受けた。死者約十万七千人。被災者は三百万人にも上った。 空襲は全国に及び、愛知では約一万人超、大阪では約一万三千人超の死者が出た。広島と長崎の原爆投下の犠牲者は計約二十一万人。空襲による民間人の犠牲者数は四十一万人超といわれる。 「焼夷弾は手でつかめ」 「東京大空襲・戦災資料センター」(東京都)の集計だが、軍事工場で亡くなった人は、軍人・軍属ととらえ除外している。例えば愛知県豊川市の海軍工廠(こうしょう)では、勤労動員の学徒らを含む二千五百人が死亡したというが、四十一万人超の数字には含まれない。 なぜ、こんな大きな被害を受けたのか。なぜ、国民は事前に避難できなかったのか。疑問を解くカギが当時の「防空法」という法律だ。三七年にできた。敵国の空襲があった場合、その危害を防ぎ、被害を軽減するという目的で制定された。 「検証 防空法」(水島朝穂、大前治著 二〇一四年)に詳しいが、その本の副題は「空襲下で禁じられた避難」である。 法改正で国民はB29が到来する前に安全な田舎に疎開できなくなった。疎開を許されたのは、子どもやお年寄り、妊婦らだけだった。国民は都市からの退去を法で禁じられていたのだ。 応急消火の義務を国民に負わせていたからである。爆弾が落ちてきたら、その火を消せ。バケツリレーと砂で…。 「国民が死んでも…」 「バケツ五、六杯で消せる」「焼夷弾は手でつかめる」…。手袋でつかみ、放り出せというのだが、あまりに非現実的である。驚くべき非科学世界の中で、国民を消防に駆り立てていたわけだ。 それが不可能であるのは、科学者や軍も政府も当然、知っている。では、なぜ? (1)自ら臨戦態勢につく覚悟を植え付ける(2)「日本軍は弱い」という反軍意識の回避(3)人口流出による軍需生産力の低下や敗北的な逃避観念を生じさせないために「逃げられない体制」をつくる-。前掲書では、そのように説明している。 ならば、おびただしい死亡者は、国家に殺されたに等しいではないか。国家は国民を守るのか。大いに疑問が湧く。国家は国民の命でなく、国家体制を守ろうとしたのではないのか。 空襲被害では各地で訴訟が起きた。憲法学者の水島氏は大阪訴訟で証人に立ったことがある。そのとき憲法前文を引いた。「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように」のくだりだ。次のように述べた。 <『政府の行為』とは何か(中略)まさに『国民なき防空体制』があった。国民が死んでもいいという極致にまで達してから戦争が終わった> 「特攻」もそうであろう。志願の形だが「九死に一生を得た」ではなく「十死」を前提とするのは、まともな近代の作戦とはいえない。何千人という若者を死に追いやるだけではなかったか。 国民が死んでもいい、そんな戦争への反省から日本国憲法の平和主義は生まれたのだ。そのことは重い。引き継ぐべき教訓だ。 安倍晋三首相の悲願は九条の改憲である。首相にどれだけ戦時下の国民を思う気持ちがあるか。「侵略戦争の定義が定まっていない」など、まるで戦争への反省が聞かれない。 原爆忌でも核兵器禁止条約に「不参加」と明言し、被爆者団体の怒りを買った。庶民の目線はあるか。 「戦争ができる国」に進んでいる。集団的自衛権の行使容認しかり、安保法制しかり、特定秘密保護法しかり、「共謀罪」しかり…。強まる国家主義を恐れる。 首相の父・安倍晋太郎氏は東京帝大に入学するも海軍にとられ、滋賀航空隊に配属された。戦後は外相などを歴任するが、「輝かしき政治生涯」という伝記編集委員会の本などにこう記されている。 祖父は反戦・平和の人 海軍での役目は「特攻」。だが、山口に一時帰郷のとき、首相の祖父・寛からこう言われた。 「無駄な死に方はするな」 安倍寛こそ戦前の反戦・反軍部の政治家だったという。大政翼賛会の政治団体から「非推薦」とされても衆院選に当選し、反・東条英機の姿勢を貫いた。 国民のためと称しつつ、戦争ができる国づくりとは何事か。平和主義を粗末にしないでほしい。 |
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知りたい!マインドフルネス(上 【企業の研修で】「今」を意識脳の休息に 2018年8月7日 中日新聞 「マインドフルネス」という言葉を見聞きしたことはないだろうか。瞑想(めいそう)などを通して「今この瞬間」を意識することで、集中力の向上やストレス軽減といった効果が期待できるという。米グーグルなど世界のトップ企業が社員研修に取り入れたことで注目度が高まり、日本でも広がり始めている。 (小中寿美) 目を閉じ、紅茶の香りを鼻から吸い込む若者たち。食品・日用品大手ユニリーバ・ジャパン(東京)の会議室で行われた新入社員研修。五月末、配属先から集まった十五人がマインドフルネスを教わった。 現代社会では、本を読みながらの食事など、食事中に別のことをするのは珍しくない。そんな食事に集中し、今を意識するのが「食事瞑想」。マインドフルネスの方法の一つだ。 研修で用意されたのが紅茶。五感をフルに働かせて飲む。「湯気はどう動く? のどや胃を通る感覚は。どれだけ多くの人の手を渡り、ここに届いたかにも思いをはせて」。講師役のユニリーバ・ジャパン・ホールディングス人事総務本部長、島田由香さん(45)が語りかける。新入社員の一人は「紅茶をこんなふうに飲んだことはなかった。生活の中でも試してみたい」。 呼吸や体の部位に意識を向ける瞑想をする新入社員たち=東京都目黒区のユニリーバ・ジャパンで 立った姿勢での瞑想も。呼吸に意識を向けた後、頭から爪先まで体の一つ一つに意識を向けていく。「動いていないのに汗をかいた」「頭と目がスッキリした」との声が上がった。 米国では、名だたる企業の創業者や病院、スポーツ選手らが瞑想を実践。医療保険大手のエトナでは社員のストレスが減り、医療費も大幅に減少したという。 精神科医の久賀谷亮さんは、マインドフルネスを「二十四時間どこでもできる。シンプルで科学的に正しい脳の休息法」と説明する。 「今は脳が疲れる時代」と久賀谷さん。スマートフォンなどから入る情報量は多く、素早い処理が求められる。「心はさまよい、頭の中はパンパン」。疲れているのは体ではなく脳。注意散漫や無気力、イライラがそのサインで、心の病にもつながる。そんな脳や心を休ませられるのがマインドフルネスだという。 今を意識することがなぜ休息になるのか。私たちは終わったことを気に病み、これから起きることに不安を感じている。「過去や未来(を考えること)が大半のストレスの原因」と久賀谷さん。今起きていることに意識を向ければ、過去や未来にとらわれずに済む。久賀谷さんは、その基本となる呼吸法=図=を勧めている。 米国ではマインドフルネスの研究が進み、効果が実証されてきている。久賀谷さんによると、脳が消費するエネルギーのうち七~八割は、ぼんやりとした安静状態に動く「デフォルト・モード・ネットワーク」(DMN)という回路で使われている。マインドフルネスはDMNの過剰な活動を鎮め、疲れづらい脳に変えていく可能性もあるという。 医療の現場での取り組みを十四日に紹介する。 マインドフルネス 「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観(み)ること」(日本マインドフルネス学会)などと定義される。そうした心の状態をつくる過程や生き方を指す場合もある。起源は仏教だが宗教性は排除されている。米マサチューセッツ大で慢性疾患を治療するプログラムが開発されたのを機に注目が集まり、国内でもうつ病などの治療への活用が始まっている。 |
<知りたい! マインドフルネス> (下)医療現場で 2018年8月14日 中日新聞 瞑想(めいそう)などを通し「今この瞬間」を意識することで、疲れた脳を休息させるマインドフルネス。集中力向上やストレス軽減といった効果があり、社員研修に活用する動きを七日付の前回に紹介した。うつ病などの治療に取り入れる医療機関もあり、一定の成果が出ているという。 うつ病や不安障害の患者が通う和楽会ショートケアセンター(東京都港区)。マインドフルネスのプログラムを治療の一環で毎日行う全国でも珍しい施設だ。参加しているのは同じ建物のクリニックに通う患者たち。記者も体験した。 三時間のプログラムはヨガから始まった=写真。最初はあおむけの姿勢で自分の呼吸や心の様子を眺める。「どんな状態でも良い悪いと評価をせず、そのままを見つめ続けて」と講師の樋口まりさん(35)。 ポーズを取ることが目的ではないと聞き、気が楽になった。呼吸のリズムに合わせて手足を伸ばしたり、脱力したり。体が温まり、ほぐれていくのを感じる。 心も落ち着いたと思ったが、いざ瞑想を始めると雑念が湧く。精神科医で和楽会理事長の貝谷久宣さん(74)は「雑念に気付いてもとらわれない」と指南した。 二十五分の瞑想の終盤には「慈愛の瞑想」=図=を行う。宗教の祈りのようだが、海外でも行われ、ストレス軽減などの効果が高いと実証されている。貝谷さんによると、続けると自責の念が減り、他人を思いやる心が持てるようになり、抑うつ気分は消失していくという。 マインドフルネスの今の流行は、米マサチューセッツ大名誉教授のジョン・カバットジン博士がグループ療法のプログラムを開発したのが発端。さまざまな病気で効果が示され、研究や実践が広まった。 二〇一二年にカバットジン博士が来日した際、貝谷さんは「マインドフルネスの根本は何か」と質問。博士は「道元の禅だ」と答えたという。還暦を迎えてから座禅を始め、仏教の思想が医療に応用できると感じていた貝谷さんは、回答が腹に落ちた。 一五年に和楽会ショートケアセンターを開設。保険適用のグループ療法の枠組みでプログラムを始めた。「重症の場合は服薬や認知行動療法から始めるが、症状が安定したらマインドフルネスを勧める」。参加者に心理検査を行うと、抑うつ気分と不安気分の数値がともに下がっていた。 「多くの患者が最初に気付くのは腹が立たなくなること。今の瞬間を優しい気持ちで受け入れることが、生活の中に無意識に浸透するからでは」と推測する。 休職中で二百回ほど通ったという男性公務員(35)は「頭がクリアになった。何より、人と自分を比較しなくなったことが大きい」と表情は穏やかだった。 瞑想の半ばでは、それまでの一点集中とは違う瞑想も行った。呼吸に集中し今を意識するのは同じだが、聞こえるもの、見えるものにもまんべんなく意識を注ぐ。体の内から外へと意識を広げる感覚だ。 この意識を広げる瞑想こそ「マインドフルネスの本質」と早稲田大教授で心療内科医の熊野宏昭さん(58)は指摘する。一点集中に慣れた後に行う瞑想だ。「視野を広げることで、思考や感情に巻き込まれている状態から抜け出せるようになる」という。「いろんなものに同時に気を配る感じ。武道や芸道で大切にされてきた心の使い方」と熊野さん。日本古来の精神が息づいていることが、広がりの背景にあるのかもしれない。 (小中寿美) |
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