菅義偉が首相になってひと月足らず。
「日本学術会議」の人事で、会員候補として推薦された新会員のうち6人の任命を拒否する
という、とんでもない暴挙に出た。
「日本学術会議」は、日本学術会議法に規定されている。
第七条の「2 会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。」
ということは、
「推薦に基づいて・・・任命する」という任命者に裁量権のない文言で、
どこをどう読んでも、内閣総理大臣は、形式的に任命できるだけ。
まさかカン違いなどということはありえないから、
違法と承知で、任命拒否したとしか思えない。
○日本学術会議法
第七条 日本学術会議は、二百十人の日本学術会議会員(以下「会員」という。)をもつて、これを組織する。
2 会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。
3 会員の任期は、六年とし、三年ごとに、その半数を任命する。
4 補欠の会員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 会員は、再任されることができない。ただし、補欠の会員は、一回に限り再任されることができる。
6 会員は、年齢七十年に達した時に退職する。
7 会員には、別に定める手当を支給する。
8 会員は、国会議員を兼ねることを妨げない。
第十七条 日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦するものとする。
第二十六条 内閣総理大臣は、会員に会員として不適当な行為があるときは、日本学術会議の申出に基づき、当該会員を退職させることができる。
菅首相の暴挙を看過できないと、厳しく批判している新聞各紙の社説を紹介します。
クリック してね
人気ブログランキングへ
最後まで読んでくださってありがとう
人気ブログランキングへ
クリック してね
記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
「日本学術会議」の人事で、会員候補として推薦された新会員のうち6人の任命を拒否する
という、とんでもない暴挙に出た。
「日本学術会議」は、日本学術会議法に規定されている。
第七条の「2 会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。」
ということは、
「推薦に基づいて・・・任命する」という任命者に裁量権のない文言で、
どこをどう読んでも、内閣総理大臣は、形式的に任命できるだけ。
まさかカン違いなどということはありえないから、
違法と承知で、任命拒否したとしか思えない。
○日本学術会議法
第七条 日本学術会議は、二百十人の日本学術会議会員(以下「会員」という。)をもつて、これを組織する。
2 会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。
3 会員の任期は、六年とし、三年ごとに、その半数を任命する。
4 補欠の会員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 会員は、再任されることができない。ただし、補欠の会員は、一回に限り再任されることができる。
6 会員は、年齢七十年に達した時に退職する。
7 会員には、別に定める手当を支給する。
8 会員は、国会議員を兼ねることを妨げない。
第十七条 日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦するものとする。
第二十六条 内閣総理大臣は、会員に会員として不適当な行為があるときは、日本学術会議の申出に基づき、当該会員を退職させることができる。
菅首相の暴挙を看過できないと、厳しく批判している新聞各紙の社説を紹介します。
社説:学術会議人事 任命拒否の撤回求める 2020年10月3日 中日新聞 憲法が保障する学問の自由に権力が土足で踏み込む暴挙だ。菅義偉首相は国の特別機関「日本学術会議」の人事で、政府方針に批判的だった新会員候補六人の任命を拒否した。判断の撤回を求める。 日本学術会議は、日本の科学者を代表する機関で、独立して職務を行うと日本学術会議法で定められている。 今回任命されなかったのは宇野重規東大教授(政治思想史)や加藤陽子東大大学院教授(日本近現代史)ら。特定秘密保護法などに反対の姿勢を示していた。 法では学術会議は「優れた研究又(また)は業績がある科学者」を推薦し、首相は「推薦に基づいて、任命する」とされている。行政実務上は、「基づき」という用語が用いられている場合、拘束力を持つと解釈され運用されている。 一九八三年、会員の選出をそれまでの選挙から首相の任命制に改める法改正をめぐる国会審議の中で、独立性、自主性が担保されるか懸念する質問が議員から出た。その際、政府側は任命は「形式的」なものと答弁している。 今回の任命拒否はこれまでの国の姿勢を覆し、法の精神を踏みにじるものと言わざるを得ない。 学術会議は二〇一七年、軍事応用できる基礎研究への防衛省の助成制度を念頭に「再び学術と軍事が接近しつつある」と危機感を示したうえで、「戦争を目的とする科学の研究は絶対に行わない」とした過去の声明を継承すると表明している。政府にとっては煙たい存在なのだろう。 今回の人事介入は、萎縮させることで方針に従わせるという、官邸が省庁に対して行ってきた手法の延長線上にあるようにみえる。もしそうでないというなら、首相自身がきちんと説明するべきだ。 多くの大学が軍事研究に踏み込まないのは戦前・戦中の反省に基づく。帝国大学の目的を「国家ノ須要ニ応スル学術技芸ヲ教授シ」と定めた帝国大学令により戦争に加担。幾度かの思想弾圧事件を経て、政府批判と受け取られる言説は影をひそめ、学徒動員で大勢の教え子たちを戦場に送り出した。 学術会議は二日、排除された六人を任命するよう、首相に求めることを決めた。研究者の自由な議論が、国の暴走を止める礎となる。研究者をひるませてはならない。学術会議や大学は、毅然(きぜん)とした対応で学問の自由を守るべきだ。社会全体でそれを支える必要がある。 |
社説:学術会議人事 学問の自由 脅かす暴挙 2020年10月3日 朝日新聞 法の趣旨をねじ曲げ、人事権を恣意(しい)的に行使することによって、独立・中立性が求められる組織を自由に操ろうとする。安倍前政権と同じことを、菅政権もしようというのか。 「学者の国会」といわれる日本学術会議の新会員について、菅首相は、同会議が法律に基づき「優れた研究・業績がある」として推薦した候補者105人のうち、6人の任命を拒んだ。過去に例のない暴挙で、到底見過ごすことはできない。 科学が戦争に利用された戦前の教訓を踏まえて1949年に設立された同会議は、科学に関する政策提言や国内外の科学者との連携、世論の啓発などの役割を負う。政府内の組織だが、独立して職務を行う「特別の機関」との位置づけだ。 文系理系を問わず、国民生活に関わる様々な問題について報告書などを公表してきたほか、発足翌年の50年と67年には「軍事目的の科学研究を行わない」とする声明を出し、3年前にも継承する見解をまとめた。前会長の山極寿一(やまぎわじゅいち)京大前総長、新会長でノーベル賞受賞者の梶田隆章東大教授らが、政権の科学技術政策に批判的な姿勢を示したこともあり、自民党内には根強い批判や不満があるという。 今回なぜ6人の任命を拒んだのか、政府は理由を明らかにしていない。加藤官房長官は「人事についてはコメントを差し控える」と言うだけだ。 6人は濃淡の差はあれ、安倍政権が推進した安保法制や「共謀罪」法、改憲の動きなどに疑義を呈してきた。その任命を拒否することで、他の研究者、さらには学術会議の今後の動きを牽制(けんせい)しようとしているのではないかとの見方が広がる。 このままでは学者が萎縮し、自由な研究や発信ができなくなるおそれがある。今回の措置に対し、「学問の自由を保障する憲法に反する行為」との声があがるのも当然だ。 そもそも政府は83年に国会で、首相の意向によって会員の任命を左右することは考えていない旨の答弁をしている。その後の法改正で手続きに一部変更はあったが、国家は学問に干渉しないという理念は不変のはずだ。菅首相は直ちに、自らの誤った判断を撤回すべきである。 人事を通して霞が関を抑え込む前政権の手法は、忖度(そんたく)をはびこらせ、倫理を崩壊させ、この国の民主主義を深く傷つけた。「政権の方向性に反対する官僚は異動」と公言する菅首相の下で、その矛先が研究者にも向かってきているように見える。 健全な批判精神は学問の深化に不可欠であり、それを失った社会に発展は望めない。首相はそのことに気づくべきだ。 |
社説:学術会議6氏任命せず 看過できない政治介入だ 毎日新聞2020年10月3日 学問の自由を脅かす、重大な政治介入である。 日本学術会議の会員改選で、推薦された候補者105人のうち6人を、菅義偉首相が任命しなかった。1949年の会議創設以来、極めて異例の事態だ。 6人はいずれも人文・社会科学の専門家だ。安全保障法制や「共謀罪」創設など、安倍晋三前政権の重要法案について批判的な意見を述べたという共通点がある。 過去の発言に基づいて意に沿わない学者を人事で排除する意図があったとすれば、憲法23条が保障する「学問の自由」を侵害しかねない。首相は今回の措置を撤回すべきだ。 学術会議は、優れた研究や業績のある科学者で構成される。全国87万人の研究者の代表機関であり、「学者の国会」とも呼ばれる。活動費は公費で賄われるが、日本学術会議法にその独立性が明記されている。 脅かされる学問の自由 会員を改選する際は、学術会議が候補を選び、推薦に基づいて首相が任命するというルールが定められている。政府は従来、改選時には推薦の通りに任命してきた。 学問の自由と自治を尊重するという思想に基づく。選考方法が選挙制から推薦制に変わった83年には、国会で学術会議の独立性について問われ、大臣は「任命行為は形式的なもので、推薦された者をそのまま任命する」と答弁した。 ところが今回、加藤勝信官房長官は「任命する立場に立って精査していくのは当然」と説明した。これは過去の国会答弁と矛盾する。法解釈を変えたのなら、経緯を国会で説明すべきだ。 学術会議は、任命しなかった理由をただす一方、6人を改めて任命するよう求めることを決めた。政府はきちんと回答しなければならない。 先の戦争で、多くの科学者が政府に協力させられた。軍部が湯川秀樹ら物理学者に原爆開発を命じたことは広く知られる。思想統制を進める上で障害となる学者は排除した。京都大の法学者が弾圧された滝川事件や、「天皇機関説」を唱える学者が不敬罪で告発された事件がその典型だ。 こうした反省に立って、学術会議は作られた。あらゆる分野の専門家が立場を超えて集い、政府への勧告などを行ってきた。 ノーベル賞受賞者の朝永振一郎が会長だった67年には、軍事研究に関与しないとの声明を出した。50年後の2017年にも、軍事転用が可能な研究への関与に慎重な姿勢を改めて示した。 政府は科学技術振興を国の成長戦略の柱と位置づける。一環として防衛装備庁は、軍事転用が可能なロボット技術研究などを支援する制度を創設した。だが、学術会議の声明の影響もあって、応募は思うように増えていない。 政府が今後、人事権を突破口に自然科学へも介入を始める可能性は否定できない。国立大の学長人事にも影響が及びかねないとの懸念が出ている。 危険な人事統制の拡大 安倍前政権は、内閣人事局を通して中央省庁幹部の人事を一元管理し、官僚統制を強めた。政権の意に沿う者だけが重用され、異論を唱えれば冷遇される。そんな空気に官僚は萎縮し、政と官の関係はゆがんだ。その中心にいたのが官房長官だった菅氏である。 象徴的なのは、内閣法制局長官の人事だ。集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更に備え、内部昇格の慣例を破って外務省出身の容認派をトップに据えた。 検察庁の人事でも、「首相官邸に近い」と目された元東京高検検事長の定年を、法解釈を変えて延長した。 通底するのは「私たちは選挙で選ばれている」という、前政権から続く意識だ。選挙で勝てば全て白紙委任されているとの発想につながっている。だが、権力は本来、抑制的に行使すべきものだ。 菅首相は、政権の決めた政策に反対する官僚は「異動してもらう」と明言し、都合の良い人物を要職に就けることで政策を進めようとしている。 既に、強引な手法の弊害が明らかになっている中、学術界にもそれを持ち込もうとするなら看過できない。 科学は文化国家の基盤だ。異論や反論を排除しない自由な環境から科学は発展する。そうした環境が損なわれるようでは、日本の未来はない。 |
クリック してね
人気ブログランキングへ
社説: 学術会議に人事介入/あなたも強権か 即撤回を 2020年10月03日土曜日 河北新報 日本人初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹氏は、核廃絶運動に身を投じ、反戦平和を進めたことで知られる。 博士は戦時中、国の原爆開発に関心を寄せていたとされる。そうした過去への反省から、科学者組織「パグウォッシュ会議」の創立に尽力することになった。 学問とは、国家のレベルを超えて、世界の学者と価値観を共有し、切磋琢磨(せっさたくま)することで国際社会に貢献するものなのだろう。 日本学術会議の推薦した新会員候補のうち、政府に批判の立場だった6人について菅義偉首相が任命しなかったことが衝撃を広げている。 不可侵であるべき学問領域に対する政権の人事介入であることは明らかだ。学術会議は「独立を揺るがす」として、あらためて6人を加えるよう求めていく。 研究活動の自由を脅かす振る舞いに対して、まっとうな対応と思われる。 政府は直ちに方針を撤回するとともに、政権内でどのような検討を行い、排除の人選に至ったのかをつまびらかにすべきだ。 推薦されながら任命されなかったのは、政治学や憲法、行政法、歴史学の大学教授だった。2017年に共謀罪の趣旨を盛り込んだ「組織犯罪処罰法改正案」に反対した法学者を含んでいる。 集団的自衛権の行使を認める「安全保障関連法案」(15年)に対し、廃案を求めた憲法学者も入っている。 政府はそうした過去と今回の人事との関連について、はっきりと理由を示していない。任命権は首相にあるとはいえ、「推薦に基づいて」行うもので、裁量権を大きく逸脱する。 就任間もない菅首相は、意に沿わない人物を遠ざけた前政権の強権運営を継承すると見られている。 最近も「政府の方針に反対する官僚は異動してもらう」と強気な発言をしている。排除を辞さない手法が、早くも任命拒否の形で顔を出したのではないか。 国による学問への干渉は、これにとどまらない。国立大学は2004年に法人化したものの、実態は国のコントロール下にある。 研究費の獲得競争が奨励され、すぐに役立つ成果と効率を求められる。お家芸であるこつこつ型の基礎研究はおろそかにされる。 研究教育を軽んじる態度は、資源に乏しく、科学技術に頼るほかない日本の存立基盤を揺るがす。学術会議への介入も根っこは同じで、許されるものではない。 週明けから、ノーベル賞各賞の発表が始まる。このところ、日本人の連続受賞に沸いているだけに、残念な出来事となった。 世界の研究者に対しても恥ずかしい思いである。一般市民と政権の感覚のずれが、ここにも現れている。 |
社説:学術会議人事 学問の自由侵す強権介入 2020年10月03日 信濃毎日新聞 日本学術会議は、国内の研究者を代表する機関として政治権力からの独立が何より重んじられなければならない。政府が任命権限や監督権を振りかざして介入することは認められない。 会員の任期満了に伴い、学術会議が推薦した新たな候補105人のうち6人の任命を菅義偉首相が拒んだ。政府は理由を明らかにしていない。菅首相は「法に基づいて適切に対応した」と述べただけで、説明になっていない。 憲法、刑法、政治学、歴史学など、いずれも人文・社会科学系の研究者だ。特定秘密保護法や安全保障法制、共謀罪法をめぐって安倍政権を批判してきた経緯がある。政治判断での任命拒否は、学問の自由を侵し、思想や言論の統制につながる危うさをはらむ。 学術会議は制度上、首相が所轄する政府の機関と位置づけられている。210人の会員は3年ごとに半数を改選する。推薦した候補が任命されないのは初めてだ。 加藤勝信官房長官は、首相の下の行政機関として政府に一定の監督権があると述べたが、一方的な言い分だ。日本学術会議法は監督権を定めていない。正当な理由なく任命を拒むのは、独立性を損なう政治介入と言うほかない。 学術会議は戦後の1949年、戦前の学術研究会議を改組する形で発足した。戦時下に学問研究が厳しく統制、弾圧され、科学が戦争に動員された反省を踏まえ、政府から独立した立場で政策や学術研究に関わる提言をしてきた。 会員の選出も、長く研究者による投票制だった。学術会議側の反対を政府が押し切って、研究団体による推薦制に改めたのは80年代だ。法案審議の際、政府は「推薦された者の任命は拒否しない」と国会で答弁している。 2004年の法改定で、現会員らの推挙を基に学術会議が候補者を選考して推薦する現行の仕組みになってからも、政府はその姿勢を維持してきた。一線を踏み越えるのは、異論を徹底して排除する菅政権の体質の現れに見える。 安倍政権を官房長官として支えた菅氏は官僚の人事を掌握し、官邸の意向に逆らえない体制を敷いた。同じように、任命権を盾にして研究者の組織にまで手を入れようとしていないか。 学問研究が権力の干渉や弾圧にさらされ、ゆがめられた歴史を繰り返すわけにいかない。憲法が思想や言論の自由とは別に条文を置き、学問の自由を保障している意味もそこにある。政府の強権的な任命拒否に強く抗議する。 (10月3日) |
<社説>学術会議に政治介入 学問の自由否定する暴挙 2020年10月03日 琉球新報 学者の立場から政策提言する国の特別機関「日本学術会議」が推薦した新会員候補6人の任命を、菅義偉首相が拒否した。 6人は安全保障関連法や辺野古新基地建設など安倍政権の政策に異論を唱えた経緯がある。政権を批判した学者を、理由も明らかにせず排除するやり方は憲法23条が保障する学問の自由と、学術会議の独立性を否定する暴挙である。 立憲主義を否定する前例のない政治介入を、直ちに撤回するよう強く求める。 日本学術会議は1949年、日本人科学者の代表機関として設立された。定員210人。任期は6年で3年ごとに半数が交代する。日本学術会議法は、学術会議の「推薦」を踏まえ内閣総理大臣が「任命する」(第7条2項)と規定している。首相は、その分野の専門家でないので学問的業績を評価できない。このため推薦が尊重されてきた。 政府は「形だけの推薦制であって、推薦していただいた者は拒否しない。形だけの任命をしていく」(83年、参院文教委)と答弁していた。政府による干渉や中傷、運営の口出しはしないと明言した。 ところが今回、現行の制度下で初めて推薦者の任命を拒否した。しかし、加藤勝信官房長官は、任命拒否の理由は明らかにしなかった。おそらくできないのだろう。 加藤氏は「会員の人事を通じて一定の監督権を行使するのは法律上可能」として学問の自由の侵害には当たらないとの認識を示した。まったくの詭弁である。 なぜなら日本学術会議法は、首相の「所轄」であるが、組織の「独立」を規定しているからだ(第3条)。首相に「監督権」があるとは書いていない。独立しているからこそ学術行政について「政府に勧告」することができる(第5条)。加藤氏が言うように「人事を通じて」首相に監督されるのであれば、単なる政府の下請け機関でしかなくなり、存在意義を否定することになる。 安倍政権下の官房長官として菅氏が人事権を行使して官僚を支配したように、学者も監督下に置こうとするなら、学術会議法の趣旨からして違法の可能性がある。 そもそも学術会議は、アジア・太平洋戦争時に科学者が戦争に協力したり動員されたりした反省から、政府から独立した立場で数多くの勧告や政策提言を行ってきた。戦争を目的とする研究を拒否する声明を発表するなど、一貫して軍事と一線を画してきた。 任命拒否された6人は「共謀罪」法案や安全保障関連法案、特定秘密保護法案に反対した。このうち岡田正則早大教授(行政法学)は辺野古新基地建設を巡る政府対応に抗議する声明を発表している。 社会科学は、時の権力について耳の痛い知見を示すこともあろう。政権の意に沿わないから排除するというなら、学問の自由の侵害であり、憲法の否定である。 |
「#日本学術会議への人事介入に抗議する」 SNSで批判殺到 ツイート25万件超 2020年10月2日 東京新聞 政策提言を行う国の特別機関「日本学術会議」が、新会員として推薦した法律・歴史学者ら6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題で、ツイッターでは現役の大学教授らが反対の声を上げた。(デジタル編集部・三輪喜人) 前例のない人事への介入に、憲法が保障する学問の自由が侵害される恐れや、他の分野でも人事介入する懸念、理由を説明しないことへの疑問が多くみられた。 ツイッター上では、「#日本学術会議への人事介入に抗議する」がトレンド入りした。2日午後7時現在で、このハッシュタグをつけて、25万件以上がツイートされた。現役の大学教授のほかにも、作家のいとうせいこうさんやタレントのラサ-ル石井さん、俳優の古舘寛治さんらが、このハッシュタグをつけてつぶやいた。 国際政治学者の三浦瑠麗さんは、「業績の中身を知りもしない人間が新聞記事程度の情報をもとに、こういうつまらない口出しをやり出したとき、社会は劣化する」と批判。 今回の人事介入は、学術界だけに留まらないという指摘も。東京大の佐倉統教授は「これは政治信条が右翼か左翼かとか、学者かそうでないかとか関係なく、とても危険な問題だ。首相の意に沿うかどうかという基準だけで選抜されるのだから、権力者におもねる者だけが生き残るという恐怖政治への第一歩だ。右か左かではなく自由か不自由かの問題だ。」とつぶやいた。 政府が人文・社会学や自然科学など幅広い分野の研究をささえる科学研究費助成事業(科研費)の採択や分配にも今後、影響がでるのではないかと心配の声が上がった。 加藤勝信官房長官は1日の記者会見で「首相の下の行政機関である学術会議において、政府側が責任を持って(人事を)行うのは当然」と述べたが、理由は説明していない。決定の根拠を問う声も上がった。 |
最後まで読んでくださってありがとう
人気ブログランキングへ
クリック してね
記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね