熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

法人の人権とその構成員の人権との関係

2007-09-23 15:58:22 | Weblog
司法試験基礎講座で憲法の講義を受けています。

前回の講義は、法人の人権とその構成員の人権とが衝突した場合の解決基準についての説明でした。

「南九州税理士会政治献金事件」では、法人の政治活動(政治献金)の自由(憲法21条)と構成員の思想・信条の自由(憲法19条)とが衝突した場合に、両人権を如何に調整するかが問題となりました。

この事案は、「南九州税理士会が、政治献金のため会員から特別会費を徴収した。そこで、会費納入を拒否した会員が、①寄附は、法人の目的の範囲外である。②強制徴収決議は、会員の思想・信条の自由(憲法19条)を侵害するとして争った」ものです。

最高裁は、「税理士会は、強制加入団体であって、その会員には、実質的には脱退の自由が保障されていない。特に、政党など規正法上の政治団体に対して金員の寄附をするかどうかは、選挙における投票の自由と表裏を成すものとして、会員各人が市民としての個人的な政治的思想、見解、判断等に基づいて自主的に決定すべき事柄であるというべきである。」として、「会員から特別会費5000円を徴収する旨の決議であり、被上告人の目的の範囲外の行為を目的とするものとして無効であると解するほかはない」として違憲であると判示しました。

この判決に対して、特別会費からではなく、一般会費から支出していれば合憲であるという見解もありますが、個人的には違憲であると考えます。

この事案を身近な例に置き換えてみると、弁理士会の関連団体である、日本弁理士政治連盟が政治活動(政治献金あるいは特定の政党・政治家を支援)をしています。

弁理士会は強制加入団体ですが、日本弁理士政治連盟は任意加入団体で、政治連盟に加入するか否かの自由は保障されており、合憲です(当り前か)。

このように、私は、受験勉強・研修等で得た知識を身近な例に置き換えて理解するようにしています。
これは、具体的なイメージが湧いてきて、知識の定着が図れるからです。
また、得られた知識を仕事に適用できる場面はないかを考えることにもなりますので、直ぐに成果が得られるという利点もあります。

ただし、受験勉強でこの方法を採用すると回り道をすることになり、合格が遅れるという欠点がありますので、注意が必要です。



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