熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

地球深部探査船「ちきゅう」

2007-09-21 14:08:34 | Weblog
海底を七千メートル以上も掘ることができる海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」が来月、紀伊半島沖で掘削を開始します。

巨大地震や津波の発生の仕組みに迫り、地下にすむ未知の生物も探すそうです。
科学調査では初めてライザー掘削と呼ばれる方法を使い、最も深い地点は海底下六千メートルまで探査します。

「採取した堆積(たいせき)物から、東南海地震が起きるたびに動くのか、千年に一度なのかが分かる」ことが期待でき、どんな頻度で大きな津波が来るのかが推定できるかもしれないということです。

この推定が可能であれば、かなり役立ちます。
将来、地震の予知も可能になるのではと、期待が膨らみます。

また、未知の生物研究への期待も大きく、高温高圧で酸素のない海底下の環境は原始地球の環境に近いため、生命誕生の様子を知る手掛かりとなる生物がいる可能性もあります。
これも夢のある話ですね。

一時期、「地震予知の研究」と「地震発生後の防災の研究」のどちらにお金をかけるべきかについて活発な議論がされていました。
研究予算の奪い合いと言ってしまえば、身も蓋もありませんが、この種の議論は、民間の研究機関でもよく行われており、私も自分の研究テーマの予算確保のために、他の研究テーマの達成可能性が低いことをさり気なくコメントした覚えがあります。

研究者の性ですが、振り返ってみるとあまり気分の良いものではありません。
民間の研究機関では、3~5年で結果が出ない研究テーマは、予算カットされますので、予算の無駄使いが継続することはありません。

しかし、公的な研究の場合、いつ研究テーマの中止を決断するのかが難しく、結局段階的に予算配分比率を変化させるという対策を取ることが多いようです。

地震予知の研究予算と地震発生後の防災研究予算も、結局、予算配分比率を大きく変化させないということで、決着したようです。
官僚的な解決方法ですね。

日本は地震大国なので、地震予知、防災ともに重要です。
両研究にお金を使うことは賛成ですが、研究の成果を一般人が理解できるように、タイムリーに公表して欲しいものです。

地球深部探査船「ちきゅう」の成果を早く見たいものです。



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