熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

強制的仲裁条項

2012-03-08 11:54:44 | Weblog
BS世界のドキュメンタリーで、米国の司法制度の問題点を取り上げていました。

アメリカでは大手企業が様々な手を使い、自分に有利なように司法制度を変えようと活動を行っているそうです。

力の弱い個人は大手企業に立ち向かえず、裁判で不利な立場に追い込まれる例が後をたたないという現状を、企業を相手取って裁判を闘ってきた法廷弁護士が、四つの実例を取り上げ大企業の横暴を告発する番組です。

第1話は、「ねじ曲げられた真実」
ハンバンーガー・チェーン店を訪れ、車内でコーヒーを飲もうとしたところ、こぼして大やけどを負い、親族がチェーン店を訴えたという、日本でも話題になった裁判です。
補償金目当ての裁判で無かったにもかかわらず、ベックさんたちのイメージがゆがめられたのは何故かを追求していきます。

第2話は「医療ミスの問題」。

第3話は、企業サイドに有利な司法制度の改革に反対する判事は、潤沢な資金力を持つ商工会議所などの団体から容赦ない「ネガティブ・キャンペーン」を受けるという問題です。
ミシシッピ州のディアス判事もその一人で、選挙では激しい攻撃を受け、当選したあともいわれのない容疑で裁判を起こされ任期中に一回も法判事の仕事ができなかったそうです。

何れも大きな問題ですが、私が気になったのは、第4話「強制的仲裁条項」です。
ジェイミーはイラクで復興事業を請け負っていたKBR/ハリバートン社に就職しました。
しかしイラクで暴力をふるわれた上にレイプされるという被害に遭います。
「従業員は会社を相手に裁判を起こせない」という身勝手な契約(強制的仲裁条項)にサインをしていたため、裁判所で不利な取り扱いがなされます。
しかし、敢然と裁判で戦い、その勇気ある行動は、「米軍の下請会社は強制的仲裁条項を設けられない」という、議会での修正法案の可決へとつながりました。

日本では、このような「強制的仲裁条項」は、裁判を受ける権利を侵害するとして、違憲、ADR契約が無効の扱いを受けるのでは、と思われます。

米国では、契約自由の原則が大きいのでしょうか。

この点については、日本の司法制度の方が優れていますね。





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