熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

千の証言

2016-04-05 16:50:26 | Weblog
毎日新聞出版の「千の証言ーあの戦争を人々はどう生きたのかー」を読みました。

「いま戦争体験者の証言を残しておかないと、すべてが失われてしまう」という危機感から、この本が生まれました。

この本には、「戦場で兵士たちは」「遺族の想い」「戦火の中で」「戦時下の暮らし」「終戦、その後」「引き揚げ、抑留の苦難」「次代へ」「戦場に消えた作曲家」に関する一般の方々の生々しい証言が語られています。

このような生々しい証言を読むのは気が重くなるのですが、覚悟を決めて戦争体験者からの真実の叫びを聞かなければいけません。

事実は、これよりももっと惨たらしいものでしょう。

この本の中で、皆さんが強調していたのは、「多くの人々が苦難を我慢して、平和を築き上げたことを忘れないで欲しい。戦争は二度とごめんだ。あのような悲惨な体験をしてほしくない」ということでした。
 
一般の方々の証言に加えて、著名人2人の証言も含まれています。

私が心を打たれたのは、作家の五木寛之さんの証言です。

五木さんは「私は実際に体験したことの100分の1も書いてないし、話してもいません。話したって仕方がないだろうという思いがある。体験は伝わらない。伝えても相手に知識として残るだけです。体験伝わるなら、こんなに繰り返し戦争は起きていないと思うんです。」「自分たちは被害者というだけじゃない。被害者というと同時に加害者でもある。あの時代、国民全体が戦争の協力者だったんです。文学者も、詩人も、熱狂し、感激して翼賛の言葉を書いた。自分がその時に物書きとして生きていたら、どうしただろう。そう思ってはらはらする。口をつぐみ、メディアから排除される覚悟があっただろうかと。」

この言葉は重いですね。

最近の安保法制に関する議論を聞いていると、国民全体が戦争の協力者になっていくような危機感を感じます。新聞、テレビもジャーナリズムの本文を忘れて、政府与党に批判的な報道を避けています。

五木さん、一般の戦争体験者の言葉の重みを噛みしめて仕事をしてほしいですね。







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