熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

職務発明(続き)

2016-04-23 18:40:28 | Weblog
パテント2016年4月号の特集「職務発明」に掲載されてる論文の一つに「再論 職務発明は従業者のものか?」があります。

執筆者の見解は、職務発明の使用者帰属を積極的に支持するものです。

私の見解とは異なりますが、なるほどと思わせる記述もありますね。

論文の本旨とは直接関係がないのですが、書かれていることから私が感じた疑問が二つあります。

一つは、「特許制度の目的は発明の公開の促進にある」との記載で、これはその通りなのですが、そうすると、特許庁が推進している「ノウハウ保護」は、特許制度の目的に反することになりますね。

特許制度の維持発展を担うべき特許庁が、なぜ特許制度の目的を阻害することを推進しているのか、疑問ですね。

発明の公開による模倣等の弊害を防止するためならば、本来的には、公開を促進しつつ、その弊害を防止する対策(例えば、侵害発見の容易化、均等侵害を積極的に認める等)を取るべきなのですが、公開を取りやめることを奨励するという安易な対策を取るとは、理解できませんね。

二つ目は、特許法の役割は発明の保護にあるが、発明者の保護は規定されておらず、発明者の保護は副次的であるとの記載があり、これもその通りだと思いますが、発明者を保護する他の具体的な方法がない現状では、特許法35条によらなければならないのではないかと思いますね。

確かに、発明者の保護が不十分な企業は優秀な技術者が他の企業に転職するので、自然淘汰されますが、他の企業が外国企業であれば、日本の産業の発展に寄与することはできなくなりますね。

優秀な技術者の転職よりも問題なのは、企業における技術者の意図的又は意図しない発明の秘匿です。

企業の技術者は、日常業に負われており、発明提案書に記載して届け出ることには消極的なのが実体です。

職務発明の報奨が不十分では、積極的に発明提案しようという動機が弱く、発明の秘匿を招くのではないかと懸念しています。







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囲碁7冠

2016-04-23 00:38:58 | Weblog
囲碁の井山裕太名人(26)=六冠=が20日、前人未到の七冠独占を決めました。

名人、棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖の六冠に加え、最後に残った十段のタイトル奪取に成功したものです。

囲碁界初の7大タイトル同時制覇を果たした井山裕太7冠に、1996年に将棋で7冠を達成した羽生善治4冠=名人、王位、王座、棋聖=が祝福のコメントを寄せていました。

羽生さんは、「自分が成し遂げた時よりもはるかに競争が激しくなっている現代での達成に、感嘆と井山さんであれば当然と感じました。そして、まだまだ余力も進歩の余地もたくさんある今後の活躍も期待しています。囲碁の大きな歴史を現在進行形で作られている姿に同じ棋士として誇りに思っています」とお祝いの言葉を寄せています。

羽生さんの7冠もすごかったですよ。

私は、将棋を少したしなみますので、羽生さんの偉大さは良く分かりますが、囲碁は全くの素人なので、囲碁7冠のすごさは分かりません。

囲碁は将棋よりも差し手の変化が多いので、読み切るのが難しく、奥深いと言われています。

そこで、私も囲碁をたしなむべく、図書館から本を借りてきました。

「東大流 これからはじめる囲碁入門」という本ですが、これが分かりやすい。

これで囲碁の奥深さが体験できるといいのですが。








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