熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

知財戦略コンサルタント育成研修

2007-09-08 21:45:08 | Weblog
関東経済産業局が主催する「知財戦略コンサルタント育成研修」に参加してきました。
この研修は、弁理士会のHPにも掲載されていましたが、中小企業における知財戦略策定を促進するための支援人材の育成を目的とした「知財戦略コンサルタント育成研修」です。
公的専門資格(弁護士・弁理士・公認会計士・中小企業診断士等)を有することが研修受講条件ですが、中小企業の実地研修を伴うため、募集人数が20名と限られています。

私も応募しましたが、応募者が80名と多く、人選から外れました。
ただ、幸運にも座学研修を受講できる特別枠9名の中に入り、今回受講の運びとなりました。

第1回目は、「中小・ベンチャー企業における知的財産マネジメント総論」という演題で、鮫島弁護士の講義がありました。
「中小・ベンチャー企業 知的財産戦略マニュアル 2006」と講師のパワーポイント資料をテキストとして、4時間の講義がありました。

総論部分は、すでに知識として獲得していたものですが、中小企業の事例の説明は、新鮮で参考になるものでした。

将来、知的財産コンサルティングを主要業務として活動したいと考えていますので、今回の座学研修受講は大いに役立つものと期待しています。

講義終了後に懇親会があり、弁理士以外の専門家と意見交換をすることができました。
専門家ネットワークの構築に役立てることができます。

次回は、妹尾先生の「コンサルテーションワークショップ」です。
この研修も楽しみです。




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弁理士研修

2007-09-07 18:12:38 | Weblog
弁理士研修e-learningを全て終了し、座学研修と合わせて、後期の研修が終了しました。

前期研修と後期研修を合計すると、座学研修が9.5日、e-learningが29課目と、かなりのボリュームです。

弁理士会HPに、弁理士義務研修の負担が大きいので見直して欲しいとという、会員の意見が記載されていました。
新人研修の前期+後期が、そのまま義務研修になるとすると、確かに現役弁理士への負担は大きいですね。
弁理士会は見直しを考えているのでしょうか。

新人研修の内容は、概ね実務に役立つ研修であると言えます。
個人的には、座学研修は前期が、e-learningは後期が優れていると思います。
前期座学研修の発明の特定・明細書作成・中間処理に特化すれば、実務研修としては十分だろうと思います。
審判、審決取消訴訟等の実務演習は、もう少し経験を積んだ後でも良いのではと思います。

実務スキルの向上はOJTが基本ですが、特許事務所の実情を考えるとかなり難しい注文です。
特許事務所のコア業務を実施できる基礎的なスキルを新人研修で教えることができれば、特許事務所・新人弁理士・クライアントともにメリットがあると思われます。

特許事務所の現状を踏まえた義務研修が望まれます。



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定年を祝う会5回目

2007-09-06 14:10:14 | Weblog
職場の先輩が定年を祝う会を開いてくれました。

皆さんすでに定年退職されており、それぞれ別の職場で御活躍中です。
乾杯の後に、私の今後の抱負を述べ、先輩の皆さんから有益なコメントを頂きました。
お酒が入るにつれて皆さん饒舌になり、当時の職場の良い点悪い点を話されていました。
知財部門の仕事のやり方をそのように考えていたのかと、びっくりすることが多く、新しい職場で仕事をするときの参考になります。
知財部門の責任者も定期的に先輩退職者と話し合う機会を設ければ、良いアドバイスが得られるのではと思います(耳の痛くなる話は聞きたくないですかね)。

それにしても先輩の意見は貴重です。
年金受給、失業手当の請求、確定申告、独立した際の留意点等、まさに目から鱗です。
私が司法試験の勉強をしていることに驚いていたようですが、先輩も勉強熱心です。
先輩のお一人は著作権法の研究会を開催したいので参加しないかと誘ってくれました。
是非参加したいとお答えしておきました。

司法試験の勉強、特許法の論文作成と並行して著作権法の研究会にも参加することにします。

今週の土曜日から、知財コンサルタント研修も始ります。

定年になっても忙しさは変わりません。
もっとも好きなことをしているので、ストレスは溜まりませんが(現役のときも好きな仕事を選んでしていましたので、それほどストレスが溜まることはありませんでしたが)。


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人事も経理も中国へ

2007-09-05 20:58:56 | Weblog
NHKスペシャル「人事も経理も中国へ」を見ました。

NHKスペシャルは、好きな番組の一つです。
正確に、長期的に取材して作り上げる番組のため、民放では、なかなか作り難い番組です。

今回は、製造業の分野では続々と生産拠点を中国へ移し、コストダウンを図ってきた日本企業が、今や、人事・経理などのホワイトカラーの仕事までも次々に中国へ移している現状を伝えるものです。

人事・経理・総務の仕事が中国企業へアウトソーシングされていることは、この番組を見るまで分かりませんでした。
完全に認識不足でした。

日本で、ホワイトカラーのアウトソーシングが一番進んでいるのは、IBMだそうです。
流石に合理的な会社です。

大連や上海などの都市では、日本語を話せる人材の育成を強化し、日本のサラリーマンの5分の1以下という低人件費を武器に、日本企業の仕事を大量に請け負っているそうです。
日本のホワイトカラー一人当たりの生産性は先進国で最低と言われています。
言葉の壁に守られてきた日本のホワイトカラーが中国との厳しい競争にさらされているのが現状だそうです。

番組では、ある大手通信販売会社が踏み切ったホワイトカラー部門の中国への業務移管に密着して、グローバル化の荒波に突然飲み込まれた、総務部門の人たちの苦悩と再起への決意を描いています。

企業の総務部門の仕事は、他部門の人が正確に理解するのは難しいと思います。
私も、テレビの「ショムニ」から得られた知識程度です。

番組でも、総務部門の人が総務の仕事の特殊性を強調しても、執行役員には理解されず、結局、大半の業務が中国企業にアウトソーシングされます。
アウトソーシングしても、特に大きなトラブルが発生しなかったということから考えると、総務の仕事の特殊性はなかったということになります。
この結論は、総務部門の人には厳しいですね。
人事・経理も同様の結論だそうです。

アウトソーシングして減った業務は、各担当者が自分で新たな業務を開拓しなければいけないという、厳しい指示が出されました。

世の中厳しいです。
自分の専門性を磨いていかないと競争に負けてしまいます。
弁理士も例外ではありません。
明日からがんばろう!!


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改善と改革

2007-09-04 08:28:53 | Weblog
大丸と松坂屋が経営統合しました。
この経済統合は、改善と改革を考える良い事例です。

私の理解では、改善と改革は従来の業務を見直して良い方向に変えていく点で共通していますが、改善は、従来のシステムの根幹を大きく変えずに業務の見直しを行うのに対して、改革は、従来のシステムの根幹を大きく変えてしまう点で相違しています。

時系列で見ると、改善活動を積み重ねて業務改善を図っていき、改善ではどうにもならないような外部変化等があったときに改革に着手する、ということでしょうか。

大丸と松坂屋との経営統合は、まさに改革です。
その狙いは首都圏戦略にあるそうです。

松坂屋上野広小路店の婦人靴売り場に大丸で実績を上げた管理者が赴任してきて、大丸流の改善を行っていることがニュースで放送されていました。
これは、大丸にとっては業務改善ですが、松坂屋にとっては業務改革です。
業務改革を行うときに難しいのは、その組織のトップを変えなければいけないことです。
これは、かなり辛い決断です。

私も、業務改革に関して鮮明に記憶していることがあります。

それは、30年以上前の品質監査部門の業務改革です。
当時、この部門は先進的な監査をすることで社内外で評判を得ていました。
この監査システムを作り上げたのは、監査部門の責任者で、かなり優秀な人でした。

しかし、この優れた監査システムも外部環境の変化により綻びが見えてきて、問題点が明らかになってきました。
システム開発の責任者も問題点を認識して、業務改善を行いましたがその効果は現れてきませんでした。

統括部門の責任者は、この事態を早急に改善すべく、監査部門の責任者に変えて新しい責任者を任命しました。
新しい責任者は、従来のシステムを根本から変更する新しいシステムを導入し、問題点を完全に解決しました。

この事例での教訓は、どんなに優秀なシステムでも時の経過と環境変化により大きく変更しなければならなくなり、そのシステムの変更を行うためには、責任者の変更が必要であるということです。

システムが優秀であればあるほど、そのシステムを作り上げた人は、システムに対する思い入れとプライドがあるのは当然です。
したがって、自分で作り上げたシステムを根本的に変更することは不可能に近いと思われます(システムを大きく変更することは、自分の仕事を否定することになるからです)。

企業のトップの役割は、このような状態に至った場合に責任者を変更して新しい適任者を任命することです。
これは、かなり辛い決断ですが、このような決断ができないような経営者は去るべきでしょう。

大丸と松坂屋の経営統合は、いろいろと考える機会を与えてくれました。



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土佐礼子

2007-09-03 19:10:44 | Weblog
陸上の世界選手権女子マラソンで土佐礼子さんが銅メダルを獲得しました。
地元開催の大会で唯一のメダル獲得、ホットしたのは私だけでしょうか。

マラソン、42.195Kmを一人で走る、孤独で厳しいレースです。
走るのが得意ではありませんが(その分、歩くのは得意です)、見るのは好きなので、大きな大会は必ずテレビにかじりつきです。

マラソン競技になぜこれだけ魅了されるのかというと、それは普段の努力の積み重ねが本番に成果となって現れるが、努力した人が勝つとは限らないという不確定さもあり、2時間を超える人生ドラマが楽しめることにあります。

それにしても、土佐礼子さんは凄いですね。
あの後半の粘り、あきらめないで続けていれば栄光が得られることを実証しました。
私もあきらめずに長く続けていく生き方なので、土佐礼子さんのレースは私に勇気を与えてくれます。

これで、2大会連続での五輪代表が内定しました。
暑さに強く、粘り強いレースをする土佐さんは、暑い夏に開催される北京大会にピッタリの人です。

残る2人は、誰でしょうか?
個人的には、高橋尚子、野口みずきを加えた、暑さに強いベテラントリオが良いと思うのですが、難しいでしょうね。

女子マラソンは、オリンピックで2大会連続の金メダル、北京大会も期待できます。
男子マラソンも何とかメダル圏内に入れるランナーが出てくれば良いのですが。
北京大会は男子が頑張る大会になりそうです。
フレーフレー男子!!


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e-learning

2007-09-02 18:08:51 | Weblog
弁理士研修e-learningも後半の課目に差し掛かりました。
今日は、「知的財産の経済的評価」です。

最近、知的財産の経済的評価方法に関する講演・説明会が盛んに行われるようになってきました。
私もいくつかの後援会に出席したことがありますが、一番難しいのは、知的財産権の価値評価です。

特許権を例にして説明すると、特許権の価値は、特許発明が使用されている製品またはサービスの売上高に対する特許発明の寄与率を求めなければいけません。

この特許発明の寄与率を求めることの困難さは、職務発明規定の改訂作業でも経験しました。
この算出方法が良いという、決定的な方法はなく、各企業が独自の方法で算出しているのが実情です。

私も、職務発明規定の改訂時にいくつかの算出方法を考えましたが、これはという方法はありませんでした。
結局、訴訟リスクが少なく、算出工数が比較的少ない方法を妥協的に決定しましたが、今でも不満足な気持ちを抱えたままです。

職務発明規定改訂から約2年経過し、その後の論文、講演会等から発明の価値評価方法に関する情報を収集しましたが、依然として決定的な方法はありません。

やはり自分で考えないと解決しない問題のようです。
外部のセミナー会社から、発明の価値評価方法についての講演の打診を受けていますが、もう少し時間が必要です。
妥当な評価方法が見出せたら、講演依頼を引き受ける予定です。

あまり遅くなると賞味期限が過ぎてしまいます。
少々焦りますね。


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ご当地小説

2007-09-01 14:33:46 | Weblog
特定の土地を舞台に描いた小説があります。
トラベルミステリーは、その代表でしょうか。

私の好きな作家、西村 京太郎の十津川警部シリーズ、内田康夫の浅見光彦シリーズがそうですね。

先日、近くの図書館の特設コーナーで、私が住んでいる市を舞台にした小説を展示していました。
興味が湧いてきて、その中の1冊を借りて読みました。

阿倍 昭さんの「日日の友」です。

その中に収められている短編小説「川」に実名で、川の名前、橋の名前等が出てきます。
このようなご当地小説は、その土地に住んでいる、訪れたことがある読者にとっては、固有名称を見るだけでイメージが湧いてくるという効果があります。
ただし、その土地に不案内または、それほど有名でない土地の場合は、風景描写をしっかり書かなければいけないので、その描写を省略するとストーリーに興味を持てなくなるという欠点があります。

ご当地小説の描き方に類型があることに気付きました。
第1の類型は、実名でその土地を描いている場合で、上述した「川」がそうです。
第2の類型は、実名を出さずに、風景描写でその土地を描く場合で、阿倍 昭さんの小説では、「窓の眺め」が該当します。
「路地をぬけて大通りに出た。頭の上に高速道路が走っていて、空が突然見えなくなった。・・・渡りきったところはコンクリートの橋で、・・・」
特定の地名を記載しないで、読者の想像力に任せるという手法で、読者の興味が湧くという効果が期待できます。

この類型に関連して、思い出した歌があります。
野口五郎の「私鉄沿線」です。
この歌も特定の私鉄・駅名が書かれていないので、歌を聞いた人が勝手に私鉄・駅名を思い浮かべます。
私の場合、小田急線の下北沢駅でしょうか。

さて、話を第3の類型に戻します。
第3の類型は、イニシャルで示す場合で、阿倍 昭さんの小説では、「一日の労苦」が該当します。
「そこはK浦といって、こことは正反対の、ずっと南のはずれの海にのぞんだ土地で、」のように描きます。
第1の類型と第2の類型の中間に位置するもので、ある程度土地が限定され、想像の範囲が狭くなりますが、その分、推理的興味が倍増します。

どの類型が良いのかは作者の好みでしょうが、第2、第3の類型も作者にとってある程度特定された土地があると思います。
それを推理するのも本を読む楽しみでしょうか。



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