常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

太極拳

2013年02月07日 | 日記


15年以上も前から、妻は太極拳をやっている。太極拳は中国3千年の歴史から生まれた心と身体の健康のための体術、運動である。先日、排ガスで霞む北京の街で、太極拳で身体を動かす北京市民の姿が新聞の写真にあった。折角の健康法が、スモッグに害されている現状を見て心が痛む。一日も早く、有害なガスのない街が取り戻されるのを望むばかりだ。

妻の太極拳をデジカメの動画で撮ってみた。24式を一通り演じて、所要時間は約10分である。一つの動作から次の動作への動きが、足の筋肉を使って流れるようにスムーズである。15年もの長い年月、取り組んできた稽古の成果が現われているようだ。だがビデオで見て、本人は欠点も分るようで動きのできていない部分を自ら指摘する。練習にデジカメが活用できることは、予期していなかった新発見である。

ゆっくり、しなやかに
今は亡き楊名時先生の言葉である。腰と背骨を中心に手、足、身体、目がともにゆっくりと動き、初めから終わりまでゆっくり動くことを基本とした。

呼吸は春の蚕が糸を吐くように綿々として切れない。吐く息の長い腹式呼吸で、気を丹田に集めることで、血液は気に乗って全身にくまなくいきわたる。

雑念を払い、無我無心になって身体を動かすことで、気を養うと同時に身体を養う。そのためにすべてを忘れ、大宇宙に身心をそわせ、心晴れやかで円満な人格をつくる。

詩吟も複式呼吸で身心の鍛錬に有効だと言われているが、太極拳のように身体を動かすことと、呼吸法が合わさっていることが、何よりも強みであるように思われる。しかも、身体の動きは日々の稽古によって少しづつ上達していく目標がある。長く続けていくために必要な達成感が日々に得られる。そこが、太極拳が普及を続けている理由のように思える。
コメント
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