常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

女子ジャンプWカップ

2013年02月09日 | 日記


この写真の裏側で、女子ジャンプの蔵王大会が行われている。この写真は昨日の3時ころ撮ったものだ。こんなに、空に晴れ間が見えているが、ジャンプ大会は、強風のために中止となった。順延された今日、日本のホープ高梨沙羅選手は、二試合連続優勝の偉業を成し遂げた。スケートの浅田真央とともに、ソチ五輪の金メダルの期待が大きく脹らむ。

ひむがしに見ゆるかぎりの山脈は厳かになり雪晴れにけり 斉藤茂吉

蔵王の山を、雪のまにまに見続けた茂吉の蔵王讃歌である。私自身、新雪に輝く蔵王の山脈を見るたびに、その美しさに目をみはる。自宅から、数キロのところ、デジカメの望遠を操作して得られる風景だ。斉藤茂吉が故郷へ帰って見た蔵王の山脈である。

里の町には、山の獲物が無造作に売られる店がある。

上ノ山の町朝来れば銃に打たれし白き兎はつるされてあり 茂吉

蔵王の麓の町の光景を、そのままに詠んだ写生の歌である。あの白く輝く雪の上を走り遊ぶ野兎は、冬の狩人が狙う獲物であった。いま、ゲレンデの上にジャンプ台を作り、世界のアスートが競う場所になろうとは、茂吉も想像しなかったであろう。ましてや、日本の16歳の高校生が、世界を制して優勝を勝ち取るなどとは。

あすは、高畠の貝吹山に登って、午後は、上山温泉の月岡ホテルで新年会だ。ブログの更新は、帰宅してからになる。

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春一番

2013年02月09日 | 日記


昨日、西日本一帯で吹いた強風を気象庁は春一番と発表した。大陸からの北風の勢力が後退し、そこへ南からの暖かい風が吹き込む。これが春一番なのだ。だが北風の勢力と南風の勢力がぶつかるところに前線が生まれ、低気圧が発生する。この低気圧は日本の上空を東の海上へと抜けていく。低気圧に向かって北風が吹き込めば、気温は一気に低下する。ここのところの気温の変動は、こんな仕組みから生まれている。

春一番山を過ぎゆく山の音 藤原 滋章

山には風の道というものがある。地形が風を堰き止めるので、風はそこへぶつかりながら、沢から鞍部へと抜けていく。どんな穏やかな日でも、この風の道へくると木を揺らしながら風が抜けていく。まして、強風が吹く日は、風は大きな音を立て、人を吹き飛ばすような勢いで吹いていく。春一番に揺るがされた山は、悲鳴というか雄叫びのような音をたて続ける。こうなれば、もはや山行を継続することはできない。引き返すか、風の当たらない場所へ避難するほかはない。

だいたい春一番が吹くのは2月20日ころとされている。今年はめっぽう早く春一番が吹いたわけだ。山での遭難はこの強風のために会うことが多いが、海上での船の海難もまたこの風による。漁業に携わる人、航海を業とする人々の間では、春一番はもっとも恐れられる気象現象である。

磯の鵜や春一番の波しぶき 車谷  弘

やや時をおいて、春二番、春三番となる。春二番の風に乗って桜の花が綻んでくる。そこを襲うのが春三番だ。満開になった桜を一夜の内に吹き散らす憎い風である。だが、春一番は聞きなれた用語であるが、春二番、春三番はあまり使う人はいない。

ハナニアラシノタトヘモアルゾ
「サヤナラ」ダケガジンセイダ

満開の桜の下でこんな詩を引き合いながら、酒を酌み交わす日まで、まだしばらくこの季節の変動に伴って吹く風と付き合っていかなければならない。

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