大寒の最後の日が、雨となった。今日の山行は楯岡・富並の大高根山を計画していたが、季節はずれの天候のため、急遽、貉森の大平山に変更した。毎日、わが家のベランダから見ている上山西側の山である。標高714m、雪は雨でしまりカンジキが沈まず楽であった。
朝方の雨は止んで、山に登るころには、日ざしも戻ってきた。ただ、普段は見える筈の蔵王の眺望は得られなく残念であった。パノラマで撮った写真の、上山市街の東に聳える蔵王の山々は、雲の中であった。持参したGPSの設定もようやくスムーズにでき、コンパスが常に目的の山頂をポイントして、高度、到着予想もほぼ正確で安心して山中の位置が確認できた。
山中の楢の枯木にキノコが出ているのを見つける。例年であれば、とっくに流れているはずのムキタケが、なかの方は氷っていたが、食べられそうに状態で残っていた。近くにナメコも見つける。昨年の暮れにも遅くにムキタケを採ったが、その傾向はこの山でも同じだったらしい。
途中、2匹の狸を見る。雪の上を転げるようにして走って逃げていった。この地区が貉森という名がついているのから考えても、この山には狸が昔から住んでいたのであろう。ほかに、カモシカの足跡が雪の中についている。
寒明けや雨が濡らせる小松原 安住 敦
枯山の背骨腰骨春めきぬ 林 翔