宇宙のエネルギーはすざましい。小惑星が地球に最接近したニュースが流れると、今度はロシアのウラル地方に落下した隕石の爆発で、1200人もの負傷者が出た。アメリカ航空宇宙局の推定では、この隕石のエネルギーは長崎に投下した原爆25個分があったと報じられている。
こんな宇宙からの、招かざる落し物が話題になるなか、雪雲の晴れ間に三日月が見えた。夕方の月で、デジカメで初めて月らしい写真が取れた。月の明るい部分は「明」と呼び、欠けたくらい部分は「魄」という。人類が地球に存在してから、月を友とし、夜の明かりともしてきた。
ふりさけて若月(みかづき)見れば一目見し人の眉引おもほるかも (万葉集巻6)
若月と書いて「みかづき」と読ませている。三日月が女性の眉を連想させた。宇宙のエネルギーのかくも無限であることを、知らなかった時代、月は人間にやさしく語りかけた。