もの干し場で洗濯物を干していると窓の外から風の音が聞えてきた。午後1時ころだ。ふと外を見ると大粒の雨が風に吹かれて室内に入っている。大粒の雨で、ちょっと雹に間違えるほど雨粒が白く見えた。空を見ると、南の空に雨雲があり、北の空は青空だ。南西にかけて雨が降っている。あわてて窓を閉める。雨が風を伴っているのがわかる。
30分ほどで雨は止み、夕方にかけて青空にわた雲が浮かんだ。南の空に積雲がやや発達して積乱雲になりかかっている。
万葉集にはたくさん雲の名がでてくるが、豊旗雲というのがある。万葉人がどんな雲を豊旗雲と詠んだのかはっきりしない。瑞雲、海にたなびくようにかかる雲と思われる。
海神の豊旗雲に入り日さし 今宵の月夜 さやけくありこそ 中大兄
この瑞雲は夕日に赤く染められて、海の上の空を彩ったのであろう。「わた雲は晴の兆し」という俚諺がある。ここのところの異常気象で、こんな諺もあてにならないが、わた雲が出るのは天気は安定しているときに多いという。