「秋茄子は嫁に食わすな」という諺があるほど、秋の茄子はうまいものとされている。だが、確かにうまいのだが、惜しんで嫁に食わせないほどのものとは思えなかった。ただ、昨晩作ったマーボー茄子の味は、ちょっと生意気な嫁には食べさせたくないような味になった。油を吸って、程よい歯ごたえの食感は、朝昼の寒暖差のある気候でないとできないかも知れない。
これやこれ江戸紫の若茄子 宗因
美しい紫紺の色合い、滑らかなツヤのあるハダ、茄子の持つ風味は長く日本人に愛されてきた。茄子の種類も産地によってさまざまである。ご当地の茄子がその土地、土地で賞味されている。
この夏は長雨だったせいもあるが、始めの内は成長が遅く収穫もままならなかったが、ここへきて気温が上がると、茄子の生りが急によくなった。二人だけの生活では食べきれないほどに取れてくれる。
そういえば、鰻が高騰して食べられなくなった代りに、茄子の蒲焼がいいという。まだ試みてはいないが、これも茄子の食べ方には向いているような気がする。