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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

油断大敵

2014年07月17日 | 日記


ガソリンの値段が高騰を続けている。リッターあたり170円台も目前だ。160円を越せばガソリン税を廃止して安定価格にする、という主張で民主党が躍進したのはつい5年ほど前である。あの当時は、ガソリン高騰で会社倒産とか、家計破綻とか大騒動であったが、これほどの高騰でもそんな騒動は見られない。消費者のあきらめか、ガソリンを食わない車が普及したせいなのか、何とも不思議である。

「油断大敵」という言葉の同義語は、「畳の上の怪我」「袖からの火事」「月夜に釜を盗られる」などで、気をゆるめて注意を怠ると大失敗や身を滅ぼすもとになるという戒めである。だが、そもそも油断とはどんな意味か。広辞苑によると、涅槃経から出た言葉で、気をゆるして、注意を怠ること。不注意。とある。なぜそれに油断の文字があてられたか、あるいは涅槃経の音なのか分からない。

「油断」を分かりやすく説明したのは、昭和50年に発表された堺屋太一の小説「油断!」である。「過ぎたる自信と傲慢の故に、もてる油を失いその首を断たれた者があった。古の賢人はこれを油断と呼んで後の世の戒めとした」(古代インドの書「ラーマヤナ」より」とその本の題名を説明した。太平洋戦争後、油を失う、というのは、日本人のトラウマのような恐怖の概念であった。この小説は、その日本人の心理を掴んでベストセラーとなった。油を断たれたときの恐怖を梃子に日本は原子力発電の道を歩み始めた。


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