入梅のころ頂いた茗荷の若芽を刻んで納豆に入れて食べた。おいしいことは分かっているのだが、今年の初物と思うと、感激がいっそう深まる気がする。茗荷といえば、これを食べると物忘れするという諺がある。本当かどうか、この頃は茗荷など食べずとも、物忘れがひどくて困っている。外出から帰って、置いたはずの車のキーをしまい忘れなどしょっちゅうである。妻も同じく健忘症で、二人で探しものをするのも珍しいことではない。
江戸落語に茗荷をネタにしたものがある。腹黒い宿屋の亭主が、客を金持ちと見て、その持ち金を忘れさせようと、しきりに茗荷を食べさせた。効果てき面、客は宿賃を支払うのを忘れて帰ってしまった。
ところで茗荷には虫がつかない。葉の香りに虫を寄せ付けない作用があるからで、刻んで冷奴の薬味にすると、細菌が繁殖しない。
茗荷汁ほろりと苦し風の暮 草城
今朝のベランダには、サフランモドキがまたきれいな花を咲かせた。
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