野菜畑や庭に蜻蛉が見られる季節である。俳句の季語事典を見ると蜻蛉は秋の季語だが、梅雨があける頃には姿を見せる。図鑑を見ると、一口に蜻蛉と言ってもたくさんの種類がある。カメラに収まったものは、ノシメトンボの雌であるらしい。腹部にある黒斑が熨斗目模様になっているから、こう呼ばれるようだ。羽の丸い紋が特徴である。全国いたるところに生息し、個体数の一番多い種類との解説があった。
いつみても蜻蛉ひとつ竹の先 正岡 子規
赤とんぼ、塩辛とんぼ、鬼やんま、八丁とんぼ。どれも懐かしい蜻蛉である。蜻蛉は雌雄で色模様が違う。そのため雌雄で別々の名を持つものもある。黄色い背中をしたムギワラトンボは雌、あさぎ色の背中のシオカラトンボは雄である。トウモロコシの畑の上を群れて飛ぶ蜻蛉を追いかけて遊んだのは、遠い少年の日々である。つい遊びに時間を忘れ家の帰る時間が遅くなって姉から叱られたのもその頃の思い出である。
蜻蛉釣まじりて一人家恋し 富安 風生
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