
秋の山を歩くと、大きな蔓ウメモドキの木に、赤い実がカラを割って出ているのによく出会う。これを見つけると、女性の仲間たちは枝を折り取って、生け花やお正月の飾り用に持ち帰る。緑が濃い季節は、他の木の葉に隠れて目立たぬ存在だが、秋の美しい実は誰の目にもとまる。よく出かけた居酒屋で、大きな甕にいっぱいになるほどのウメモドキを飾っていたのを見たことがある。いったん生けると、長持ちするので重宝である。もうあの店にもしばらく行っていなあ、とふと思い出している。
墓に入る径のつづきのうめもどき 木附沢麦青
12月にしては、日差しが強い。青空いっぱいの日の光である。畑の仕事もほぼ片付いて一安心だが、これから正月までいろいろな雑用に負われる。それにしても一年が過ぎていくのは早い。きのう大雪、あと15日経つと冬至である。小春のような天気だが、小春日和と呼べるのは明日までとラジオが言っている。明日は今年最後の小春日和になるらしい。