常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

イノシシ

2015年12月21日 | 日記


イノシシの生息地域の南限は、宮城県南部とされてきたが、近年北上が進み、泉ヶ岳の裾野でも見られている。山形市でも、低山を歩いていると泥浴びした跡が所々にあってイノシシが生息しているらしい。盃山のふもとに住んで家庭菜園をしている知人がいるが、イノシシに野菜畑を荒らされた、と話していた。イノシシが暴れたというニュースを時々見るが、捕獲したイノシシは食用にして売り出したらいいと思う。ただ、野生の獣、熊なども同じだが、冬眠前に脂肪をため込んだ肉がおいしい。いわば季節限定の食品である。

イノシシは亥の字が充てられていてシシは肉を意味する。縄文時代からイノシシは食用になっていたようだ。橿原遺跡は橿原神宮外苑の造成工事に際に見つかったが、その発掘調査でイノシシの骨が出てきた。しかも、イノシシの骨は他の獣骨より多く、クジラ、ウサギ、シカ、クマなどの骨、貝殻など一緒に見つかったから、この時代から人々は多くのイノシシを食べていたことが確認された。イノシシを捕獲するとき、ウリ坊と呼ばれる子イノシシも手に入れたが、こちらは飼育されて、家畜化したものが豚になっていったと考えられている。

ウリ坊はかわいいので、今日でも飼育する人がいるが、ほかの遺跡調査で人間の幼児を埋葬するのと同じようにウリ坊埋葬する例が見つかり、母乳を子どもと同じくウリ坊にも与えていたと推測する学者もいる。狩猟民族であった縄文人の動物とのかかわりは興味深い。狼に育てられた人がいたことも知られているが、家畜と人は家族のような関係であったのであろう。
コメント (2)
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