きのうより5mmほど開いた。暖かいともっと早く開くはずだが、今日の気温は3℃前後、カサブランカは、ほんとうにゆっくりと花弁を開いている。外に出るのが億劫になるような気温だ。雪はチラチラと舞っているが、一向に積もる気配はない。それでもカサブランカの発する芳香は、きのうに増して一段と強くなっている。
カサブランカという花に愛着を感じるのは、アフリカにあるモロッコの都市の名であるからであろうか。ハンフリー・ボガードとイングッリット・バーグマンが演じた映画『カサブランカ』の記憶があるせいかも知れない。カサブランカという言葉は、スペイン語で白い館という意味である。花を見ていると、この花に命名した人の気持ちがわかる。映画「カサブランカ」では、愛し合う二人が別かれる空港の別れのシーンが印象的だ。
カサブランカでの夜の想い出を胸に男は、女を生かすために別れを言う「君の瞳に乾杯」。女を生かすために、恋敵に女を託して、厳しい戦いの場へ男は戻っていった。バーグマンもボガードも、その姿は理想的な男と女に見えた。