
ベランダの西日を遮るために植えた緑のカーテンに苦瓜の実が生った。ゴーヤとは沖縄で苦い、いう意味らしい。ところが歳時記を開いてみると、正式には蔓茘枝(ツルレイシ)と言うと書いてあった。秋の季語である。熱帯アジアの原産でウリ科の一年生つる植物とある。楊貴妃が食べたと言われる茘枝は、ライチといわれイチゴの丸い実で、まったく別の果物だということだ。
実をひそめ雨晴れてゐし茘枝棚 八木林之助
これぐらいの若いうちに、豆腐や豚肉と痛めチャンプルーにして食べる。ビタミンを多く含み、夏バテ解消によい食べ物だ。このまま蔓に生らしておくと、外皮は黄色くなり、ぱっくりと口をあけて、赤い果肉に包まれた種が顔を出す。アケビの実のような甘ったるい味がするらしい。