台風が去って、何事もなかったように夕焼けになった。しかし、一夜明けた爪痕は悲惨である。自然の力に、人間はかくも無力かと、思い知らされる。家から出ず、スマホの設定に時間を忘れる。ポケモンゴーをやるつもりはないが、スマホの情報量に圧倒される。80の手習いではないが、手先が思うように動かない。若い人が何でもなく操るスマホが、こんなに面倒なものかとつくづく思う。
逝く人に声なき君の茜雲 森村 誠一
写真俳句を提唱したのは、作家の森村誠一である。この人はホテルに勤めながら、山に登った。写真を趣味としながら、『人間の証明』や『高層の死角』、『腐食の構造』など、ミステリリー小説の大家になった。その人間を見つめる視線はするどいが、何か温かいものを感じる。