常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

天元台高原

2016年08月07日 | 登山


連日今年の最高気温を更新中だが、こんなときこそ標高2000m級の天元台高原に涼を求める人も多い。米沢市の白布温泉から、ロープウェイやリフトを乗り継げば、涼風の吹く高層湿原に容易に行くことできる。往復のリフト搭乗券は3500円、やや高めだが、広大な山の風景や高山植物の花、地塘などを見ることができる魅力には替えがたい。先日近所の人たちと、暑気払いの飲み会をしたが、何故山を登るのかと聞かれた。普段山の風景に接しない人たちへ、その魅力を説明することは難しい。百聞は一見に如かずというところか。

白布温泉からのロープウェイは、驚くような急斜面を登っていく。この日は土曜日ということもあって、山を散策するグループに加えて、夏休みの子どもたちを連れて登る家族登山の人たちも多くいた。リフトの終点から緩い勾配だが、石やらの歩きにくい山道を登っていくと約1時間半で、人形石に着く。そこから東大巓へ行く木道と数々の地塘が見渡せる。ただリフトの営業時間が朝8時から夕方の4時までなので、自ずから行動の範囲は制限される。



人形石の地点はすでに1964m、目的地の東大巓より、また家形山や一切経山などより高い。西吾妻山が2035mであることを考えると、この山域は高原というにふさわしい広々とした、またなだらかな山容である。今日は初めてこの会に参加した上山のIさんとほか女性1名の計2名と男性6名が参加した。リフトを使わずに登ってきた高校生2名が、猛スピードで我々を追い越して行った。年のわりにには若いと思っていても、こうした若いエネルギーを間のあたりにすると、やはりそれ相当の足の衰えは隠すことができない。この二人は、目的地の東大巓に登頂後、駆け足でリフトの下のゲレンデを降りていく姿を見た。



米沢市は35℃を超えた猛暑日だが、山中は確実に秋を迎えている。ロープウェイに乘る前、ススキの穂が出て美しく風に揺れていた。春に純白の花を咲かせるサンカヨウは、もうムラサキの実をつけて群生していた。赤いイチゴの実が所々に見られ、ふと少年の頃を思い出した。学校から帰ってきて、腹を満たしてくれたのは、川原の藪にある野イチゴの実であった。



地塘もすっかり秋の雰囲気をかもし出している。ここは高層湿原であるため、このような池ができる。山ではこれを地塘と呼んでいる。ワタスゲやミツガシワの花が見られるが、それらの姿はもうない。地塘が見える木道に腰をおろして弁当を開く。トンボがたくさん飛び交っている。葉の上で羽を休めるトンボの姿をカメラに収めた。この写真を見て、山頂の秋の涼風を少しは感じることができるかも知れない。帰路小野川温泉で汗を流す。田んぼアートを見る。


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