常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

水を飲む

2017年12月23日 | 日記


この一年で重要だと思い知らされたことに「水を飲む」ということがある。そもそも人体は成人の場合60%が水で占められている。体重60㌔ならば、36㌔がが水である。汗などによって2%水分が体内から失われると、喉の渇きを覚え、3%失われると強い喉の渇きを覚え、運動能力の低下が現れる。さらに4~5%も失われると、目まいや頭痛などの脱水症状を起こす。夏山登山など体力消耗の激しい運動では、特に重視されるのが水である。どのくらいの量の水が必要かと言えば、自重(体重+ザック)×5×歩行時間で計算できる。自重70㌔の人が8時間の歩行の山行をするとすれば2800ccつまり2.8㍑の水が必要になる。ばてない登山の第一条件が水分の補給である。

寒くなって風邪を引く人も多い。インフルエンザの発症や予防注射のニュースも目にする。風邪でも強い味方は水分補給であるらしい。幼稚園や保育園で、いつでも飲めるペットボトルを子どもに持たせ、気づいたたき一口ずつの水分補給をする。これによって、かなり風邪の予防に効果があるらしい。さらに老人ホームの取り組みにも水分補給がある。認知症で水分を積極的に摂る人は、記憶に著しい改善が見られた。自分の息子の嫁をお手伝いさんと勘違いしていた人が嫁と認識し、名前まで思い出したシーンがテレビで写し出された。

こんなにうまい水があふれている 山頭火

山頭火は酒を止めようとして止められず、行乞の旅でも酒を飲んだ。酒は利尿作用があるので、体内の水分を出してしまう。それだけに、酔い覚めの水をいつも飲んだ。山頭火の身体は常に水を欲していたのであろう。山頭火はうまい水を飲み分ける「きき水」の名手とも言われている。どのようにして水を見分けたのか。「味をきく」「香りをきく」「音をきく」ところまで奥は深い。ミネラル分を多く含んでいる水流の岩や石には苔がつきやすく、水流の音もやわらかいらしい。そこまで水に鋭敏になるには、放浪ともいえる水だけで一日を過ごした経験を持つ山頭火ならではことであるに違いない。
コメント
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