岩根沢は、国道112号線を月山ダム方面へ向かい、水沢の奥にある小さな集落である。近くには、本道寺という集落もあり、志津と並んで、月山登拝口になっており、道者が泊まる宿坊のある集落でもある。山間に肩を並べるような小さな集落であるが、かつてここに小学校があり、この地に疎開していた詩人の丸山薫が、教師をしていたことでも知られている。
バスに揺られて細い村道を通り、神社の駐車場から、石段の上に聳える神社の荘厳さに圧倒される。かかる小さな集落に、かくも壮大な神社があること自体大きな驚きである。この社の前身となるのは、嘉慶年間(1387年)に建立されたものだが、その後三度の火災を経て、現在の建物になったのは江戸末期天保年間のことである。
この神社が創設されて以来、山形県に村山地区、宮城県、福島県から登拝する道者の大半は、ここを入り口として利用していたと言われる。因みに斎藤茂吉は、父に連れられ湯殿山に成人の初詣をしているが、その時の登拝口は本道寺であった。2階に貴賓室があるが、ここの茂吉の資料も展示されていた。大きな本堂は数百人の参籠も可能と説明されたいたが、月山信仰がいかに広く行われていたかを示す証左である。
本堂の脇には、道者の食事を作る台所があるが、天井を突き抜くばかり八角柱があり、大きな大黒や恵比寿の木像が安置されている。
6月21日、ふれあい自然探勝会に参加して人々は地区の40名。岩根沢の三山神社を見学したあと寒河江ダムを見学。12時に始まったダムの噴水をバックに記念撮影。ダムの規模の大きさにも、改めて驚かされた。昼食は山菜料理の出羽屋で舌鼓。鍋いっぱいの山菜汁を付けて、手打ちの蕎麦を堪能。