常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

ブナの森は霧のなか

2019年06月29日 | 登山

梅雨のさなかに発生した台風3号。今日の天気は、10日前から雨、木曜日には大きな確率で大雨と予報されていた。台風の進路が関東をかすめて、太平洋の東海上へ抜けると予想された辺りから、今日の尾花沢は雨マークがとれ、曇りの予報となった。今月の山行は梅雨空のため、3週続けて中止となっている。頂上からの展望はあきらめ、幻想的な霧の風景を見ることに切り替えた。

尾花沢市細野。山形百名山の御堂森、太平山の2座の麓の集落である。朧気川の上流に位置する。ここのは縄文時代の細野遺跡があり、山地の恵みで命を育んだ縄文人が、この地区の先祖かも知れない。江戸の初めまで最上領で、細野村と称し、村の石高790石、家の数101、人口495人であった。

 

現在は100戸足らずの戸数、人口250人という過疎の村である。近年、農家レストラン蔵をここの主婦たちの手で開き、両山への人を集めるイベントを行い、空き家も目立つがこの里への移住も歓迎していると聞く。これから企画されているイベントは、8月11日御堂森山の日記念登山、10月27日新そばと秋の味覚祭りなどがある。

御堂森の登山口には何故か黄色いポストが置かれている。入山する登山者はカードに記名して投函し、その安全確認の一助になっている。本日の参加者8名、内男性3名。山形を6時に出発、天童道の駅6時半集合とする。ここから細野集落、レストラン蔵まではほぼ1時間、その後農道から林道を経て8時前にここに着く。春に下見に来た折は、狭い林道は普通車では厳しいと思っていたが、普通乗用車でも注意して登れば大丈夫であった。要所に看板が設置され、道を間違えることもない。
 
山道は下草が伸び、昨夜来の雨で露を含んで、靴やズボンを濡らす。道は防火塁というのか、土盛りされているので、歩きやすく、道に迷う危険もない。朝のうち想像していた通りの霧で、山中は幻想的な風景になっている。小鳥の声が、澄んだ鳴き声を聞かせてくれる。「鳥が鳴くというのは雨が降らないしるしです」と、新参加Hさんが言った。久しぶりの山行で、列のあちこちから笑い声が聞こえてくる。

歩き始めて1時間、GPSで確認すると、半分近くの行程を来ている。この辺りから、急登が始まる。気温は高くないが、高い湿度で身体から汗が流れる。水分補給を小まめに取る。この会から、ハイドレーションシステムの給水に変えた。やはり、給水口が手元にあるのは、心強い。
 

ものの本によると、ブナ林があるのは、ヨーロッパ、アメリカ東部と日本の3ヶ所に限られているという。中にでも日本のブナ林は、氷河期などで受けた被害が少なく、生き残りのもので、外国の研究者の垂涎の的であるらしい。日本では大陸のような大規模な氷河は発達せず、第三紀の植物群が失われずに生き残った。モクレンやトチノ木のような原始的な植物が見られ、ブナ林そのものが生きた化石なのだという。

山道には、春咲き誇ったイワウチワの大群落が、その葉を大きく広げ、花茎の先端には実をつけている。花はなくとも、その群落がいかに大きなものであったか容易に想像できる。

やがて瘤つきのブナが見えてきた。ここから、頂上への一番の急登が始まる。会の人たちも、3週間も山登りから遠ざかっているので、短いながらここの急登は、身体にこたえるらしい。登山口から2時間半、頂上に着く。春には雪に覆われていた山頂だが、草本や灌木が生えて、標識を見なければあの雰囲気はない。予想した通り、周辺の山の眺望はない。

ここで早めの昼食。雨の心配で、休憩を早めに切り上げて下山。登山口付近になって、雨がぱらつく。上だけカッパに着かえるが、間もなく雨は過ぎて行った。どの顔にも満足感が漂う。帰路、徳良湖のはながさの湯で汗を流す。雨と汗に濡れた肌に心地よい。

 

 

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