今日、三吉山の山中でカモシカに遭遇した。カモシカは羚羊という漢字があてられている。後ろにシカが着くので、ニホンジカの仲間と勘違いされるが、こちらはウシ科の動物で全く別種である。山中を歩いていると、こちらをじっと見て動かない。何か近づいてくるのか、様子を窺っている様子である。低山から亜高山帯に生息して、北海道と中国地方を除いた日本全土に生息している。日本の固有種で、特別天然記念物に指定されているので、勝手に捕獲したり、食用にすることはできない。
寒立ちという習性もあって、厳冬期の雪のなかでじっと立っている姿も見られている。聞いた話だが、マタギの間ではアオと言われ、肉として食べてもおいしいと言われている。天然記念物に指定され、保護されたので、生息数が増え、森の木の食害が問題視されたこともあった。食べるものは、草、芽、木の葉、樹皮、果実などで、ササなども食べている。冬になると、足で雪を掘って食物を探す。
人を襲うことはないが、刺激を与えたり、子を連れているときは、角で威嚇することもあるらしい。登山中といっても見かけるのは里山で、古い時代から、人の目にとまり、存在を知られていた。6月の季節は、出産の季節で、子を連れた母カモシカに出会うこともある。目は近眼で、遠くを見通すような視力を持っていない。じっと動かないで立っている姿を見るのは、胃で反すうをしているためという説もある。