薔薇
2020年05月26日 | 花
コロナウィルの感染対策の緊急事態宣言が解除された翌日、近所の散歩道を散策していると薔薇が咲き始めていた。大きな花の陰には蕾がたくさんあり、花の盛りまでには少し時間がある。正体の見えない感染症で閉ざされていた心もようやく開き始めたような気がする。道路を走る車の数も昨日あたりから、ぐんと増えたように感じる。心なしに解放感が感じられる。
とほるときこどものをりて薔薇の門 大野林火
薔薇の花を美しいと誰もが思うが、その筈で、桜、梅、桃など多くの人に愛でられる花はいずれもバラ科である。またその仲間を探せば、いちご、さんざし、小手毬、ナナカマドなどなど、季節ごとに親しんでいる花々がバラ科であることに驚かされる。
漢詩に詠まれた薔薇はその香りを愛でている。
梁燕語多く終日あり
薔薇風細やかにして一簾香し
意味は梁の上に、燕がさずりながら一日中一緒にいる。そよ風は簾越しに薔薇の香りをいっぱいに吹きよせてくれる。