常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

山笑う

2020年05月05日 | 日記
春のある日、裸木の山が突然に変わる。数え切れないほどの雑木が、一斉に芽吹くときだ。ヤマザクラやヤマツツジをあしらえて、山は豊かな表情になる。中国の宋代の画人、郭煕はこれを「山笑う」と表現した。「春山淡冶にして笑うが如く」とし、これに対して冬山は「冬山は惨淡として眠るが如し」、つまり「山眠る」である。実に絶妙な喩えである。この季節に、笑うような山を見ることは、心が休まる。とくに、いつ終わるとも知れないコロナ禍のなかではなお更である。

この春はじめて妻を誘って里山へでかけた。めざすは里山に出始めたワラビである。青空に映える新緑、ときおりウグイスの鳴き声が聞こえてきた。5連休も終わりに近づいているが、山中で行きかう人とていない。ここは毎年のように来て、ワラビや山菜を採るが、様子は年々変わっている。以前はこの辺りも畑を作っていたのであろうが、人が来る様子もなく、次第に荒れていっている。だがそれに比例するように、山の風景は深まっている。

故郷やどちらを見ても山笑ふ 正岡 子規

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