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ここのところ不安定な天候が続いている。真夏のような暑さから一転3月のような寒さ、雷、突風。夕焼けの空も、それを裏付けるように異様な赤と黒い雲である。今日は午後になって強めの風が吹いている。梅雨入りの前に吹く風には色々は種類がある。青嵐、薫風、あいの風、やませなど、今はあまり使われない懐かしい名である。
青嵐は、青葉のころに吹く清爽な風ではあるが、嵐がつくのでやや強い風である。英語にメイストームというのがあるが、今日の風はこの名がふさわしいような気がする。昭和29年5月10日、北海道を通過した低気圧で強風が吹き、153隻の漁船が海難に逢い、死者・行方不明402名という惨事が起きた。5月にはそれほど強い風というイメージはないが、低気圧の発達によっては決して油断してはならないことをこの惨事は示している。
この低気圧が通過してしまうと、その後を追うように寒気を伴う高気圧が張り出してくる。リラ冷えや新緑寒波と呼ばれるもので、時ならぬ寒さに驚く。今年の5月は、こんな気候のくりかえしている。
青嵐吹きぬけ思ひくいつがえる 加藤楸邨