常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

詩吟漬け

2016年06月26日 | 詩吟


今日は全国吟剣詩舞コンクールの東日本地区大会が、仙台の福祉プラザで行われた。独吟74番、剣詩舞32番。朝の10時から、午後の4時まで5時間の詩吟と剣詩舞に、浸りきった一日であった。この日、広報担当を割り当てられ、撮った写真は430カットと考えられない枚数となった。

何よりうれしかったのは、それぞれの県の予選を勝ち抜いてきた吟士たちの吟を身近に聞くことができたことだ。鍛え抜かれた声、節調、そしてメリハリ。どの吟にも、その過程にある厳しい鍛錬に裏打ちされた風格があった。そのなかで福島県の吟士たちは、お互いに切磋琢磨して吟を磨いていることを感じさせるものがあった。

特筆すべきことは、剣舞で一位に輝いた太田善雄さんである。90歳という年齢を感じさせない優雅な身のこなし、力強い剣さばき。長い年月をかけて磨きぬいた剣舞を、舞台いっぱいに繰り広げた。継続は力なりという言葉がぴったりする太田さんの演技に頭の下がる思いであった。

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山行中止

2016年06月24日 | 日記


前線の活動による雨のため、今日予定していた秋田の真昼岳登山は中止になった。6月は、サクランボの収穫があり、山行の参加者も少なく今月実施できたのは笹谷のタケノコ採りだけであった。それにしても秋田の鹿角地方では熊による死者が4人も出ている。山菜やタケノコを採りに入山した人たちが被害にあった。今回の山行でも、鹿角とは少し離れてはいるものの、秋田ということで少し心配であった。ただ、グループで登る登山道での熊との遭遇は余り聞かない。山菜やタケノコなど、熊の餌と人が競うような形で出合っているような気がする。

秋田ではマタギの文化があり、本来熊は人間を恐れて近づかない。昨年は山で熊の好物のブナの実が豊作で、熊の子が多く生まれたらしい。そのせいか、熊が人里に降りてくるケースが多くなった。猟をする人もほとんどいなくなり、熊が人間を恐れなくなっているのかも知れない。人と熊との適度な距離感が崩れつつある。

熊撃の庭に仔熊を飼ひゐたり 根岸 善雄

こんな光景も、昭和30年代までで、すっかり見かけることもなくなった。
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傘屋の小僧

2016年06月24日 | 日記


雨が続いて畑の野菜は成長している。ズッキーニは一朝の収量が、ビニール袋に入れて重たいほどである。雑草も同時に伸びる。スベリヒユが最盛期といってよく、赤い枝を円形に伸ばす。山形ではスベリヒユを採って食用にする。雨の晴れ間に袋にいっぱい採ってきた。湯がいて干す。保存食で、もどして煮物すると、ひなびたいい味がする。

雨の日は傘が手放せない。竹の骨に和紙を張って、柿渋を塗って作る蛇の目傘は伝統の雨具である。山形にも傘を作って売る傘屋がたくさんあった。蔵王山系から流れてくる川は、急流でときおり大雨で城下に水害をもたらした。その治水のため、馬見ヶ崎川の流れを変えて、城下町を守った。その時川が通ることになった集落を移転させ、その農家の人たちに紙漉きを奨励した。最上和紙や傘用の和紙も多く作られるようになった。

「傘屋の小僧」という俚諺がある。傘屋で使われる小僧が傘の骨を折って主人から叱られるのは当たり前だが、叱られながら一生懸命に働いて奉公することにも使われるようになった。紙や和紙などの自然素材で傘は作られてきたのだが、工場生産の傘の時代では、遠い昔の言葉になってしまった。


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山頭火

2016年06月23日 | 日記


種田山頭火は、昭和7年6月6日、九州行乞記に最後に次の句を書き記している。

捨てたものにしづかな雨ふる 

山頭火はなぜあらゆるものを捨てて、漂泊の旅に出たのであろうか。家にあっては旅に憬れ、旅にあっては家に憬れる。この堂々巡りの繰り返しから抜け出ることができなかった。捨てた妻子の場所までを安息所として選び、迷惑をかけすぎて寄りつけなくなると、草庵に憬れる。旅にあっても酒にはしり、愚行を繰り返す。そして最後には慚愧して反省しながら、己の命をすりへらして行った。

水を渡って女買ひに行く

山頭火の心のさみしさやいらいらを鎮めるたった一つのものは、温泉宿の湯であった。「さみしくなると、いらいらしてくると、しづんでくると、とにかく湯にはいる。湯のあたたかさが、すべてをとかしてくらる。」こう書付けて、九州の行乞の旅も終わりを迎えた。泊まっていた温泉宿では、宿の主人夫婦が喧嘩をして、やたらに子ども泣かしている。旅の山頭火の眠りを奪った。眠れなければまた熱い湯に入るほかはない。
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夏至

2016年06月22日 | 日記


きのう、6月21日が夏至であった。立夏と立秋の中間点で、これからが本格的な夏ということになる。北半球では昼が一番長く、夜が最も短い。太陽は一番高く昇り、ものの影は最も短い。「鹿の角、解つ」が夏至の初候で、鹿の角が落ちて新しい角が生えてくると言われてきた。

眠たさやあまりて夏至や夜と昼 正  在

梅雨に入ったばかりだというのに、梅雨の終りのような集中豪雨が九州を襲っている。先ごろの熊本地震に続いての豪雨で、さらなる土砂崩れでまた犠牲になった人が出ている。どんな言葉でお見舞いを言えばいいのか。心が痛い。
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