ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

たった一人のために

2008年07月15日 22時47分54秒 | 友人・仲間
実は親しくしているお友達が
家庭の問題に悩んでいて
力になれないわたしも、
このところ胸が痛む日々。

中学生になったばかりの息子さんが
どういうわけか急に学校に行こうとしないのだとか。
そしてその理由も話そうとせず、
「生まれてこなければ良かった」と、
彼女をなじることもあるのだとか。

「生まれてこなければ良かった」
・・・なんて悲しい言葉でしょう。
赤の他人のわたしが聞いても
やるせないほど悲しい言葉なのに
離婚を経て、息子さんの幸せのためだけを思って
懸命に育てている彼女の胸に
どれだけつらく響いたことか。

生まれてこなければ良かった生命なんて
ひとっつもないと思うのに。
みんな何かをするために
何かの役割を持って
生まれてくるものだと思うのに。

彼はまだ自分が、結婚に失敗した彼女の
たったひとつの生きがいになっていることに気付かない。
それが今の彼の十分な存在意義であることに
彼が気付きさえしてくれれば。

それが見えない十代という時期は、
不安で不幸な世代なのかもしれない。
わたしにもそんな時期があったのだろうな。



数十年生きた今となっては、わたしにも良く分かる。
なにも歴史を動かすようなことしなくたって
大金持ちにならなくったって
人に認められるような何かを残さなくったって
たった一人でも、誰かを幸せにすることが出来れば
その人生は、じゅうぶんに価値があるってこと。

そのたった一人のために
苦しみながらも絶対に諦めない彼女と
自分がそのたった一人であることに
気付かないで苦しむ息子さんのために
何も出来ないけど、祈りたい。

照れくさくて、毎日会うような人たちには
このブログは内緒にしているから
彼女もこれを読むことはないけれど
せめて応援してる気持ちだけでも届くといいな。

朝の蝉の声も次第に力を増し、
今日は祇園祭の宵々山。

コメント
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