父との対話

この週末は実家の両親の元へ。
帰るなり腕まくりして家中窓を開け、
掃除機をかけ、洗濯物を干し、
汗だくになって、草むしり。
母は家の中なら伝い歩き出来るものの、
まだ一人で外には出られないから。

ドクダミの花はよく見ると案外可憐で
逆境にめげない根性は大したものだけど
のさばらせておく訳にはいかなくて。
格闘の後遺症で、今日は全身筋肉痛の上、
いまだかすかに指先がドクダミの匂い。
それでも、次に実家に帰る頃には
また庭を覆いつくしてるんだろうなあ。



病院にいる父は、珍しく意識があって、
努めて明るく、いっぱい話してきました。
「今度うちに遊びに来たら一緒に
甲子園見に行こうよ」と言うと、こくり。
「もうすぐロンドンオリンピックだから
テレビ楽しみだね」と言うと、こくり。
最後に「バイバイの代わりに
手をギュッ、ギュッてして」と言うと
唯一動く右手でギュッ、ギュッ。

うちに遊びに来るどころか、
テレビすらも観られない父だけど
それでも、うなづいてくれたことが
わたしにはとてもうれしくて。
今迄私のことも分からない風だったから。
３度目の危篤状態から脱したばかりで
思いがけず持てた父と娘の時間に
報われた思いの一日となりました。