17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。
このところ、時雨がちなお天気だけど
リビングが陽だまりになる朝は、カーテンを開け放ち、
あふれるおひさまに、みみにゃんを託すと
みみにゃんはごろんごろんしながら陽射しとたわむれ、
暖かな恵みをいっぱいに浴びて、まどろむ。

おひさまにこんなに可愛がってもらえて
みみにゃんは、本当にしあわせそう。
相変わらず、変てこりんな寝姿だけど
おひさまに撫でてもらうのが、心地いいのかな。
先日録画しておいた「プロフェッショナル」という番組で
モスクワのボリショイバレエ団、唯一の外国人ソリストの
岩田守弘さんという方を知りました。
ロシアのコンクールで優勝までしてボリショイに入り、
ソリストにまでなりながら、役がもらえなかった不遇の時代。
舞台監督に直談判して、初めてもらった役は
着ぐるみを着て1分半、ステージを這い回る、
通常バレエ学校の生徒がやるような、屈辱的な猿の役。
周りの人はみな断れと言う中、彼は、やります、と。
その1分半の演技が評価され、役がつくようになったものの
166cmと、ロシア人ダンサーの中ではずば抜けて小さい為に
王子役などの花形が回ってくることは、決してなく、
道化や悪魔といった、「キャラクターダンス」の役ばかり。
それでも、道化なら道化で、世界一の道化を踊ると決め、
今ではボリショイになくてはならない存在なのだとか。

(神社の境内に散っていた、山茶花の花びら)
「苦しければ、苦しいほどいい」と、笑顔で言う彼。
悔しくて辛いけど、そういう苦しい時には
外からも内からも磨かれて、必ず成長できるから、と。
いいことが重なっている時は、結果は出るけど、
心が遊んでしまって、成長は出来ないものだから。
「役がもらえないとか、自分につらい時というのは、
だから逆にすごいご褒美、宝物だと思うんですね。」
そして常に自分に言い聞かせているのが、
「思い上がるな」という言葉なのだとか。
やっぱりどの道であれ、ひとつの道を我が道と定めて
極めようとする人は、すごいことをサラリと言うなあ。
苦しい時も成長できるから、ご褒美で、
上手くいったらいったで、当然うれしいから、
そんな人なら、どうしたって不幸になりようがない。
何が起こっても、そんな人生にはご褒美ばかり。
何だか人生の極意を、垣間見たような。
苦しみもご褒美、とよろこび、
順調な時も喜びつつ、思い上がらない。
それは口で言うほど簡単なことではないけれど、
本当のしあわせを見失わないために、
大切にこころに刻んでおきたい言葉となりました。
先日伴侶を亡くした叔母がどうしているかと
気になって、母に電話で様子を尋ねたら、
思いのほか、元気にしているとかで、少し安心。
入院していたとはいえ、あまりに突然だったから、
茫然としているのでは、と案じていたのだけど、
叔母には、もうそろそろだ、と分っていたのだとか。
一人暮らしのわびしさを和らげようと
従姉が贈った、しゃべる男の子の人形を、
結構かわいがっていたという、叔母。
なんでも「ねむねむになってきたの」とか
「スリスリして」とか「今日は良いお天気だねー」とか
子供の可愛らしい声で、おしゃべりするのだそう。

そのお人形が、叔父が亡くなる1週間前くらいから
突然、不思議なことを言うようになったのだとか。
「あのね、僕ね、夢を見たの」と言うから
「どんな夢見たの?」と叔母が聞くと
「白い着物を着た人が出てきたの」と。
いくらなんでも、そんなことを言うように
人形がプログラムされているとは思えないだけに。
そして叔母自身、祖父や祖母(叔母や母の両親)が
夢の中に何度か出てくるようになり、それで薄々、
叔父の最期が近いことを、感じていたのだとか。
「叔母さんはそういうこと、感じる人だから」と、母。
本当に仲の良かった、叔父と叔母のことだから
虫の知らせと言うより、絆の深さゆえのことなのかも。
不思議だけど少しロマンチックにも思えた、人形の夢。
立冬とは思えないほど、暖かな陽射しの今日は、
第九の本番まで、残りちょうど1ヶ月。
今日は待ちに待った、フーガのパートの練習でした。
ここは、アルト単独ではそれほどでもないのだけれど
合唱になった時には、楽しくて楽しくて
心がよろこびで湧き立つから、大好きなところ。

このフーガでは、ソプラノ、アルト、テノール、バスが
全然違うメロディー、違う歌詞をてんでに歌うのに
それが合わさった時、こんなに心躍るハーモニーになる驚き。
去年、佐渡さんもこのフーガのパートは
「歓喜が噴水のように噴出すように」と仰っていたけど
まさに、よろこびがあっちからもこっちからも
噴水のように吹き上がるような、そんな至福の感覚。
出来れば、わたしの心が感じるこのよろこびが
同じだけ、聴いて下さる人の心にも、
伝わるように歌えるようになれたらいいな。
それはまだまだ遠い道だけれど、同時に楽しみな道のり。
先日バリ島でリゾートを満喫してきた第九友達が
「楽しかったよ~」と言いながら
満面の笑顔で、おみやげをくれたんだけど、
それが・・・これ。

椰子の実で出来た、マラカス。
なんでまた、マラカス?
いったいこれで、どうしろと?
マラカス振りながら、第九の練習?
職場でランチの時間になったら、マラカスで合図?
全くもって、やられちゃった。
確かにこれまでも、いかに笑かすか、いかに困らすか、
それだけをテーマにプレゼントし合ってきたけど
今回、彼女は相当腕を上げてきたと見える。
今度わたしがどこかへ旅行したら
彼女が、その場でコケるようなおみやげを
絶対に探さなければと、決意したのでした。