ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

時を超えて

2011年06月14日 22時03分00秒 | 音楽・アート
佐渡裕さんのベルリンフィル公演、
録画しておいたものをやっと観ました。
そこで胸がドキドキするような、驚きを発見。

ベルフィルデビュー公演の、記念となる一曲目は
武満徹さんの"From me flows what you call time"。
このタイトル、どこかで聞いたことがあると思ったら
何と、大岡信氏の詩「澄んだ青い水」の一節だったとは。
これは、大岡信氏とThomas Fitzsimmons氏連作の
日英両言語で編まれた「連詩 揺れる鏡の夜明け」
という詩集に収められている、作品のひとつ。

それの何がびっくりかというと、この詩集は、
アメリカ留学時代に1つの授業で勉強したもので、
連作したFitzsimmons氏は、その時の先生だった方。
お宅に招かれて、BBQをご馳走になったこともあり
先生の詩が添えられて頂いた3枚のカードは今も
時を超えて、その詩集の間にそっと眠っている。



その詩集の中の、一つの詩の一節に着想を得て
武満徹氏が、この美しい曲を作曲し、
その曲が、わたしの大好きな佐渡裕さんの
ベルリンフィル・デビューの曲となり、
こうして今、心震わせて聴いている、その不思議。

時を超え、国を超えて、何かが繋がっているような。
「単なる偶然」で片付けてしまうことも出来るけれど
この不思議な幸福感は、片付けてしまいたくなくて。
「縁」とか「シンクロニシティ」とか、
「全てのことは繋がっている」と言われるもの、
その片鱗を垣間見たような、そんな気分。
こういうことがあるから、人生ってやっぱりすごいかも。
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震災3ヶ月目に

2011年06月10日 23時01分00秒 | 自分自身
梅雨に濡れた緑陰は日に日に濃く、
明日はもう、震災から3ヶ月。
たぶん多くの人がそうであるように、
あの日から考え続けていることがあって。

一つは、あのような事態になった時、
自分なら何を持ち出すか、ということ。
つまり自分にとって、何が一番大切かということ。
身一つで運べるだけしか持っていけないなら
通帳に印鑑かな、保険証書や携帯も要るかな、
アルバムはどうしよう、等と頭を悩ませていたら
先日、大津波に襲われる夢を見てしまって。
夢の中でわたしは、通帳でも携帯でもなく、
みみにゃんだけを胸にぎゅっと抱いて
ただただ、命の限りに走っていました。

本当に失いたくないものを、夢に気付かされて
何だか気持ちが、すっと楽になったみたい。
本当に失いたくないものが、ただそれだけなら
それ以外のものを失うことを、恐れなくてもいいから。



もう一つ、いつもどこかで考えているのは、
本当の幸せって何なんだろう、ということ。
震災以来、身に沁みて分かったことは
誰かが、痛みや苦しみを抱えているのを知りながら
自分だけが幸せでいることは、あり得ないと云うこと。
今でも、おいしいものを食べたら幸せだし、
バーゲンでお気に入りをゲットしたら幸せだけど
同時に胸の奥に、チクリと痛みが走るのも事実。

当たり前だけど「幸せ」は分かち合い、
共有した時に初めて、本物になるみたい。

家族や親しい人だけでなく、一人でも多くの人と
よろこびや、幸せを分かち合えること。
苦しんでいる人に、一人でも笑顔になってもらうこと。
それはどれだけ小さくても、心からの幸せのかけら。
そして、それを積み重ねていくことで、
わたしの日々の、このささやかな幸せも
本当の、心からの、幸せになるにちがいない。
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佐渡さん、おめでとう!

2011年06月07日 00時15分00秒 | 音楽・アート
先月20日、佐渡裕さんがついに
夢のベルリン・フィルの舞台に立ち、
遅ればせながら、その模様をテレビで拝見。
小学校の卒業文集に書いた夢を
38年かかって実現させた佐渡さん、ブラボー。

3日目には、スタンディングオベーションとなり
観客やベル・フィルの反応も最高だった様子。
テレビでもベル・フィルのメンバーの一人は
「彼は人に伝えるべき何かを持っている。
観客や我々を、あれだけ熱狂させた彼を
評価しないわけにはいかないでしょう」とコメント。
コンクール優勝者やソリストとしてCDを出しているような
一流奏者ばかりのベル・フィルのメンバー相手に
すごい、すごい、と自分のことのように涙がこぼれて。

(© Berliner Philharmoniker/Peter Adamik)

でも今回はベル・フィルにとっては、お試しだから
再びお声がかかるかどうかが、本当の勝負。
まだ公演を聴いてもいないけど、佐渡ラーとしては
必ずやお声がかかると、信じて疑いませんが。

6月11日の11時半からのNHK BSプレミアムシアターでは
定期演奏会の模様が全編放送されるのだとか。
わたしはもう早速に、録画予約を完了。
さらに6月17日の朝1時半からは、テレビ朝日系列
まさにわたしが見に行った、昨年12月23日の
「21世紀の第九」公演が放映される模様。
これも、忘れないように録画予約しなくては。
今からもう胸が、ワクワクしてしまう。

今年も残念ながら、フランス語の試験の2本立てで
一万人の第九」は、断腸の思いで諦めねばならないけれど
来年こそは、必ずや試験から解放されて、
心ゆくまで佐渡さんの指揮で歌うことを夢見つつ。
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J君の逆襲

2011年06月04日 20時26分00秒 | フランス語
フランス人のJ君は、ひそかに日本語を学習中。
同僚が「クロマル」という名前の犬を飼っていて
耳からブルーチーズの匂いがする、というので
「クロマルハ ブルーチーズ デハ アリマセン
デモ、クロマルハ ブルーチーズノ ニオイガ シマス」
という日本語を教えたら、完璧にマスターして。



そうしたら先日、アメリカで問題のダニの話から
ダニはフランス語で une tique というのを教えてくれ、
お返しに「ダニ」という日本語を教えたら、
先の文章を応用して、真顔でこんなことを言い出して。
「ワタシハ ダニ デハ アリマセン。
デモ ワタシハ ダニ ノ ニオイガ シマス」

大爆笑になって、腹筋が割れそうになったところに
famille(家族)の日本語を聞いてきたから
「カゾク」だよって教えたら、さらに進化して
「ワタシ タチハ ダニ ノ カゾク デス
ワタシ タチハ ダニ ノ ニオイガ シマス」
頼むから勘弁して、と笑いころげるハメに。

訳の分からない日本語を教えて楽しんだ仕返しに
わたしたちは、ダニの家族にされてしまったのでした。
でも、「ダニの匂い」だけは勘弁してほしいなあ。
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三陸海産再生プロジェクト

2011年06月01日 22時47分00秒 | 社会
「クローズアップ現代」で紹介されていた、
三陸海産再生プロジェクト」。
被災地の一大産業である水産業が
震災後3ヶ月経って尚、復興のめどが立たない中
かつてのライバル会社の経営者たちが結束して
一般市民から、一人一万円の出資を集め、
自らの力で復興プロジェクトを立ち上げたもの。



国からの支援を当てにすることなく
自分たちで立ち上がろうとする姿に感銘を受け、
わたしも微力ながら応援しようと、
早速入会手続きをしたところ。
「寄付」ではなく、「出資」というのも
被災された方との立場が平等で、清々しい。
一人でも多くの方の賛同が得られますように。

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