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京都に暮らして、素敵だなぁと思うのは、この場所が古典文学の舞台であることを実感するとき。
たとえば、清少納言の「枕草子」の一節は、散歩をすると、思わず浮かんできます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/c4/65e52dfe9f4a1fabff66d61edd59f2df.jpg)
『春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく 山ぎは、少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる・・』
春に限らず、雨が降った次の朝は、東山に沿うように低く雲が浮かんでいます。
「この景色を清少納言も見たのかな?」
東京育ちのミモロには、京都に来るまで目にしたことがない景色です。
「町の中に暮らしているのに、すぐ近くで、こんな景色が見られるなんて、京都って素敵だね」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/0a/90b93e25ce248c4072dcd1827dfafb37.jpg)
ミモロは、朝のお散歩のとき、疎水にかかる橋の上から、東山を眺めるのが大好き。
朝にしか見られない景色です。
京都に来たら、歴史的建造物や寺社仏閣の見学、美術館の鑑賞、お買い物、季節の料理と共に、楽しんでほしいのが、自然のうつろい。
四季のうつろいだけでなく、時間のうつろいがとても心に響きます。
市街地からも、周囲の山が見える京都。時と共に、山の色や趣も変化してゆきます。
ぜひ、ときどき見上げてください。
『夏は夜。月のころはさらなり、やみもなほ。蛍の多く飛びちがいたる、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし…』
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/61/10/4d960042d6a9189e16921cd0a1e30651_s.jpg)
「この夏、蛍見たね。白川に夜、飛んでたよー。かすかな光が幻想的だったぁー」
そうね、ミモロもこの夏、初めて蛍を見ました。それも家のすぐ近く・・・。
「家のそばで蛍が飛ぶなんて、田舎以外ではないことだよねー」といたく感激していました。
『秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、からすの寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり…』
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/75/15/a70ef94f02d14d350e6eb6b3048b4778_s.jpg)
「これも見たことあるね。夕日は西山に沈んだけど、その時、山が大きく、すぐそばに感じられるよね。カラスもよく飛んでるよね」。
『・・・日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言うべきにあらず…』
「あ、これも・・・最近、虫の声が夜、よく聞こえるよね。清少納言が聞いた虫と一緒かなぁ?鈴虫?もう秋が近いってことだね。平安時代の人たちが見た情景を今も、見て、同じように感じることができるって、スゴイ!」
ミモロは、『枕草子』の書き出し部分を読みながら、自分の体験とひとつひとつ照らし合わせてゆきます。
『冬はつとめて。雪の降りたるは言うべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでも・・・』
ミモロは、冬の部分を読みながら「わー。京都の冬って寒そうだねぇー。どうしようー」
まだ、京都の冬を体験していないミモロは、残暑の中にいながら、震え始めました。
突然、タンスに行って、なにかゴソゴソ探しているよう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/9c/36830cbb0da6eb3435ef3e1eed379662.jpg)
なにしてるの?
「冬に備えて、セーターのチェックしてたの・・・。だって寒そうなんだもの・・・」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/29/c5fee067ef830ed226ddaaa8d259be74.jpg)
本当に気が早いミモロです。まだ先よ。
でも本当に寒いんだって、京都の冬は・・・。
「ゾー、ブルッ」ミモロは、また震えました。
*京都の旅の楽しみ方:古典文学や京都を舞台にした小説やエッセイなどを読むと、いっそう興味深いものに。川端康成の「古都」、梶井基次郎の「檸檬」なども、もう一度読み返して、北山や寺町を歩くと、面白いと思います。大人の京都旅は、なにかテーマがあるといっそう楽しめますよ。