ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

京都の洋館、ヴォーリズ設計の「駒井家住宅」。もうすぐ閉幕、夏の文化財特別公開

2011-09-09 | 京都
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「わー、ここも行かなくちゃ!もうすぐ特別公開が終わっちゃう・・・」
このところミモロは、公開が終わろうとする展覧会に行くの大忙し。そして、9月30日で終わる「第36回京の夏の旅~文化財特別公開~」にも、慌てて出かけます。

特別公開が行われているのは、
名建築の洋館 駒井家住宅
美しい庭園 白沙村荘 橋本関雪記念館
茶人の庭 南禅寺大寧軒
木戸孝允の旧邸 達磨堂
小川治兵衛の庭 並河家住宅
下鴨神社 本殿、大炊殿
です。

「月末までに、見られるかなぁー。もっと早く行けばよかったのにー」と今更ながら思うミモロです。
こういうことってよくありますね。

その中で、まずミモロが出かけたのは、アメリカ人建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計した「駒井家住宅」です。

「ここだ!」北白川の住宅地にある「駒井家住宅」は、ちょっとわかりにくい場所に。

特別公開を示す看板が目印です。


「ヴォーリズの設計だって・・・知ってるよー」とミモロはちょっと自慢げに。
それもそのはず、ヴォーリスが暮らした近江八幡には、以前行ったことがありましたね。

*ヴォーリスに関しては、8月3日~5日にブログでアップしている「ミモロの夏休み旅。近江八幡」のところで書いていますので、ぜひそちらも参考に。


ここ、「駒井家住宅」は、ヴォーリスが設計した昭和初期の洋館の代表作といわれるもの。
昭和2年(1927)に建てられ、約30m四方の敷地に、西よりに建てられ、比叡山が一望できる東の庭を広く設けてた配置です。母屋は、建坪は30坪の木造2階建。ほかに書生部屋の離れや温室があります。

建物の外観は、アメリカン・スパニッシュ様式を基調にしたデザインです。

外壁は、モルタルのスタッコ仕上げになっています。

*スタッコとは、アメリカにおける外部塗り壁の総称。日本には、大正時代に導入され、昭和40年頃からマンションや大型ビルの外壁に頻繁に施工されたもの。モルタルを下地に塗りつけて、木鏝(コテ)でおさえ、乾燥後、下から上にモルタルを重ね塗りする方法で、表面に独特の凸凹が生まれ、建物に表情をもたらすもの。

屋根は、切妻屋根の赤色桟瓦葺。赤い屋根と白い壁が建物全体に温かさを与えます。


建物の内部1階は、玄関ホール、居間、食堂、和室。2階には、寝室、書斎、サンルームが配置されています。

ミモロは、建物の中に入り、いろいろ見て回ります。
オレンジ色に輝く階段部分のガラス窓、水洗のトイレ、屋根裏収納など、興味を惹くものがいろいろ。
(内部の写真のブログアップは、許可されていないので、残念ながら、写真のアップができません。
あしからず・・・)


2階のサンルームからは、庭が一望。

「見晴らしがいいサンルームだね」とミモロは、窓から外の景色を眺めます。

「あれー。大の字が見える!」ミモロが突然、声をあげました。
見ると、窓から望む山の斜面に、木が切られた場所があり、そこにくっきり「五山の送り火」のひとつ
「大」の文字が。


「ここから眺められるなんて、最高!」ここに暮らした駒井卓博士と静江夫人も眺めた景色です。

さて、この家の主人、駒井卓博士と静江夫人を簡単にご紹介すると・・・。
駒井卓博士は、我が国の動物分類学と動物遺伝学に大きな功績を残した方で、東京帝国大学、京都帝国大学で教授を務めます。また、静江夫人は、敬虔なクリスチャンで、神戸女学院時代、後にヴォーリス夫人となる一柳満喜子さんと学友に。それが縁で、この家をヴォーリスが設計することになりました。


建物の内部を見学したミモロは、お庭を見て回ります。

かつて英国留学をした駒井卓博士。お庭は、イングリッシュガーデンのよう。


四季折々、いろいろな花が咲く、美しいお庭です。



「あ、柿の実がなってる」
「実るのが待ち遠しいね・・・」とミモロの頭には、色づいた柿の実が浮かんでいるよう。

陽光が注ぐ庭の温室の窓からも、庭の緑が見えます。


「京都でもヴォーリスさんに会えたみたい・・・。次はどこに行こうかな?」。
ほかの場所への見学にも意欲を見せるミモロです。


現在、「駒井家住宅」は、京都市指定有形文化財に指定され、2002年に財団法人日本ナショナルトラストに寄贈され、大切に管理されています。

*「駒井家住宅」京都市左京区北白川伊織町64 公開日:毎週金曜、土曜 10:00~16:00(入館は15:00まで)ただし、特別公開期間~9月30日は、ほぼ毎日公開。入館料:600円 交通:市バス「上終町京都造形大学前」下車徒歩7分など、尚、交通、マップなど詳しい情報は、「京都市観光協会」のホームページで。
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