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京都には、素敵な品々がたくさんあります。
旅では、おみやげや思い出の品を求めたくなります。
なかでも、ミモロが心惹かれるのは、長い歴史に育まれた伝統の技法を使った品々です。
そんなひとつが、「かみ添」の便箋や封筒、カード。唐紙の技法による一枚一枚手で摺られたもの。
大徳寺のある紫野にある町家を改装したお店は2年前にできたそう。


「ちょっと場所が分かりにくくて、迷っちゃった!ここだぁ」
お友達の車でお店の近くで降ろしてもらったミモロですが、道を間違えて、ちょっと迷ってしまいました。
やっとたどり着き、お店の中に入ります。


「わーいろんな紙が並んでる・・・」棚に置かれたカードに見惚れるミモロです。
「なんとも言えないい色・・・」日本画などに使われる絵の具で摺られたカードは、しっとりとした落ち着いた色彩のものばかり。

「かみ添」の店主であり、作り手でもある嘉戸浩さんは、長年、唐紙の老舗で経験を積んだ方。
お店は、もっぱらすてきな奥様が担当。二人三脚で頑張っていらっしゃいます。
唐紙は、約1000年前に日本に大陸から遣唐使によって伝わったもの。唐から来た紙だから、唐紙なんです。現代の用途の多くは、桂離宮などにも見られるように、襖や壁などのインテリア。でも伝わった時代は、主に文字を書くための料紙でした。
唐紙の特徴は、シンプルな紋様の連続性と雲英(キラ)の輝き、そしてシックな色彩などがあげられます。光によって、微妙に変化する模様や色の見え方。それが唐紙の魅力です。時代を越え、高貴な都人がこよなく愛したことが頷ける品格ある趣を湛えています。
唐紙の技法は、浮世絵とは違い、版木にふるいで絵の具をのせ、手の平をあててそっとおさえ、紙に絵の具を写しとります。手の平の微妙の感覚が摺りにも影響する繊細な作業です。絵の具を筆でのせ、バレンで摺る浮世絵とは異なった技法です。
唐紙の古典技法を長年修練された「かみ添」の嘉戸さんは、その技法をもとに、独自の感性を融合させた新たな作品を生み出しています。
使う和紙にもこだわり、「こういうものが欲しいんだけど・・・」という嘉戸さんの注文に応え、作られた和紙で、その質感は、さまざま。手にするだけ、紙好きには、たまらない和紙です。
「手の平が湿っていたり、湿度が高い日は、和紙が湿気を含んで、摺りに影響がでるんですよ。僕の手の平は、もともと汗をかかなくて、この作業には向いているのかも(笑)」。作業がいかに繊細なものかがわかります。どの品も、嘉戸さんが、一枚一枚精魂込めて作ったものです。
ミモロは、お店の棚を次々に見て回ります。

「いろんなカードがある・・・どれも素敵で迷っちゃう・・・」

「この色も秋ぽくて、素敵・・・だれにお手紙しようかな?」

柿渋色に染められたカードを手に取り、いとおしそうに見つめます。
「あのー便箋も見せてください」


ちょっと見ると、真っ白に見える便箋も光に触れると、紋様が一面に・・・。
「キラキラ光って、とても素敵・・・。紙の質感もいい感じ・・・」紙好きのミモロはうっとり。
さらに秋らしい色彩のカードも見せていただきました。シルクロードを感じさせる紋様とシックな色合いに心惹かれます。

ミモロは、時間が過ぎるのを、すっかり忘れているよう。

「みんな素敵で、見ているだけで幸せ・・・・。でも文字を書くのがもったいない・・・・」
素敵なカードや便箋は、書く言葉は少なくても、送る人が、受け取る人のことを大切にしている心は、十分に伝わるもの。
「ねぇ・・・『また、会いたい・・・ミモロ』・・・これだけでもいい?」。
もちろん、それだけでも十分よ。
メールで要件を伝える機会が多い今、もしこんなお手紙をもらったら、グッと来てしまいます。
「でも、あまりに素敵過ぎて、出すのがもったいない・・・。フレームに入れて、お部屋に飾ってもいいかも」。
まぁー確かに、そんな使い方もアリですね。
ぜひ、一度、時間にゆとりを持って、訪れてはいかがでしょう。
ミモロ、おすすめのお店です。
