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まだ残暑の厳しい京都ですが、確実に秋が近づくのを感じます。
秋と言えば、稔りの季節。そんなある日、ミモロは、奈良へと出かけました。
そこには、一面の田んぼが広がっています。

遠くに、大神神社の大きな鳥居が聳える雄大は景色です。
「わー、稲が稔っているー。なんて美しいんだろう・・・日本って本当に美しい・・・」
ミモロは、しばらくその景色に見惚れていました。
田んぼに近づくと、稲は、まもなく刈り入れを迎える時期なのでしょう、たっぷりと穂をつけ、重そうに頭を垂れています。

「稔るほど、頭を垂れる稲穂かな・・・・日本の秋だねぇー」
ミモロもピョコンと頭を下げて、ご挨拶。
日本はお米の国。
昔から、各地で米を育ててきました。米が育つには、豊かで清らかな水と空気、そしてお日様の光が必要です。古代から、人々は、それらを大切にしてきました。人が生きてゆけるのは、すべては自然の恵みから。だからいつも感謝の心を奉げてきたのです。

「ミモロが、ご飯をお腹いっぱい食べられるのもの。自然の恵みがあるから・・・」
そういいながら、いとおしそうに稲穂を見るミモロです。
ちょうど今日から半年前、3月11日の東日本大震災では、多くの米どころが深刻な被害を受けました。
今もよく津波によって、水田やビニールハウスが流される衝撃的な映像が浮かびます。
あの水田だって、昨年は、ここのように一面、稲穂が稔った美しい景色だったのです。
あの災害で、田植えができない場所も数多くあり、今も、瓦礫の下敷きになっている田んぼがたくさん。
他の地域の田んぼが、稔りを迎えるのを、被害に合われた方々は、どんな思いで眺められていることでしょう。
また、田植えをして、稲が稔っていても、放射能の風評により、出荷ができないところも。
「なんか切ないねぇー。神様がせっかく稔らせてくださった稲なのに・・・」とミモロはポツリ。
「そうだ、お米の神様にお祈りに行かなくちゃ!」

ミモロは、ハタと思った様子。そして、トコトコと田んぼのそばの小路を歩き始めました。

そこは、かつて多くの旅人が通った「山の辺の道」。
三輪山のふもとから、春日山のふもとまで奈良盆地の東側を縫うように続く古道です。
道の両脇には、草が茂り、なんだかどんどん狭くなってゆくみたい・・・。
大丈夫?ミモロ・・・・。

「キャ!」突然ミモロが声を・・・
「驚いたぁ、トカゲさんが道を急に横断するんだもん・・・」
トコトコ歩く山の辺の道の途中には、トカゲやトンボの姿も。
畑の横の柿も色づき始めています。
目指したのは、三輪明神(大神神社)。ミモロのお馴染みのパワースポットのひとつです。

ここのご祭神の「大物主大神」は、別名「大黒様」で知られる五穀豊穣を司る神様です。
「大きな俵と打ち出の小槌をもっている神様だから、きっとお米を守るのは得意だね」
そうね。お米だけじゃなくて、日本を守ってくださるはず・・・。
「どうぞ、みんなが幸せに暮らせますように。そして、いつまでも美しい日本でありますように・・・」
ミモロは、深々と参拝しました。
「そうだ、日本には、ヤオヨロズのたくさんの神様がいらっしゃって、みんなで守ってくださっているんだよね。川には川の神様、田んぼにも田んぼの神様、それぞれの土地に神様がいるから、神様を怒らすようなことをしちゃいけないね。」とミモロ。
いつまでも美しい日本であるために、今、大切なのは、自然の恵みへの感謝と畏敬の念を抱くこと。そして人が人を思う心をいっそう大きく育てることなのでは、と半年をたった今日、思います。

東日本大震災で被害にあわれた皆様のお心を、あらためて思うと共に、
台風12号で被災された方々へのお心を思い、深く哀悼の意を奉げます。